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第170話:付与魔法使いは手詰まる

「神は、誠意の大小によって回答を変えると言われておるのじゃが……その誠意の大小は、献上される魔物の強さで測られるそうじゃ」


「つまり、強い魔物であればあるほど具体的に答えてくれるってことか?」


「基本的にはそうじゃ。強いほど亡骸の取得難度は高いが、真剣な悩みならばどうにかすると神は考えたのじゃろうな」


 なるほど。確かに買うにせよ、自分で魔物を倒して用意するにせよ、魔物の強さに比例して苦労度合いは大きくなる。でも、どんな魔物の亡骸を持っていけばいいのか……基準がわからない。


「それで、魔法書に関して知りたいということじゃが……聞きたい情報の貴重度・深度・具体度によって要求される供物の質は変わるのじゃ。どんなことを知りたいのか確認して良いかの」


 チラッとユキナを見るソフィア。


 ソフィアには、魔法書の情報は俺ではなくユキナが知りたがっているということを説明していない。それなのにいつの間にか察していたようだ。まあ、魔法書の件になるとユキナの口数が増えていたから、勘が良ければ気付いてもおかしくはない。


「世界のどこかに点在する魔法書の場所と、そこにどんな内容が書かれているか——ということを聞きたいと思っているわ」


「ならば……エリアボス級は必要じゃろうな」


 エリアボス——各エリアに潜む最も強力な魔物がそう呼ばれている。以前、精霊の森でセリアと共に倒したベヒーモスもその一種だ。


 ベヒーモスはセリアと協力することで難なく倒すことができたが、当然ながらボスの能力は個体によって違う。一般的な冒険者よりも高い能力を持つ俺たち『インフィニティ』でも油断ならない相手だと説明すれば、難易度が伝わるだろうか。


 しかし、エリアボスを倒せるかどうかよりも重要な問題がある。それは——


「となると、まずはエリアボスを探さなきゃ……ですよね?」


 そう、セリアの言う通りだ。


 エリアボス級の魔物が近くにいれば倒す方法を考えるだけで良いが、そう都合よく俺たちの周りにいるとは限らない。


「闇雲に探しても見つからないわ。王都に戻って討伐隊の募集が出るまで待つしかないわね……」


「でも、討伐隊に入っても魔物の素材が手に入らないと意味がないですよね?」


「……それはそうね」


 エリアボス討伐のために組織される討伐隊。エリアボスとの戦闘に参加するにはこの募集を見つけるのが手っ取り早い。だが、セリアの言う通り問題は魔物の亡骸をどのように手に入れるかだ。

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