王太子殿下と友達になる
王太子殿下はアリスと仲良くなりたい
「エルシー、同じ教室でクラスメイトになれたようで何よりだ」
「ミーリク殿下、私も嬉しいです」
「いやー、四人揃ってクラスメイトになれてラッキーだよねー」
「まあ俺たちはミーリク殿下の護衛の為に一緒のクラスになることは決まっていたからな」
「ミーリクのお気に入りって時点でエルシーも一緒のクラス確定だったしねー」
和やかに話をしていますが、私は元平民、皆様は伯爵令息、公爵令息、そして王太子殿下です。私のアウェイ感が否めない。
「じゃあ早速だが、席は是非隣に座らせて欲しい」
「え、あ、はい!大丈夫です!」
「じゃあ俺はミーリクの隣ー!」
「なら俺はエルシーの隣だな」
わー、囲まれたー。美形に囲まれて役得なんだか、お偉い方に囲まれて畏れ多いんだか。
「ああ、すまない。僕はどうやら教科書を忘れてしまったようだ。見せてくれないか?」
「あ、はい、どうぞ。じゃあもうちょっと近くに寄りましょうか」
自分から言っておいてなんだけど近い。美形が近い!
「エルシーちゃん役得だねー」
「ミーリク殿下にこれほどまで近づける機会はそうないぞ。よかったな」
「は、はい、よかったです」
本当は若干居た堪れないです!…とにかく、こうして私の学園生活は始まりました。
そしてお昼休みになりました。いやー、美形に囲まれて全然授業に集中出来なかった。今日の授業で習ったところは後で魔術で学習しよう。
「ではエルシー、お昼ご飯にしよう」
「あ、はい。どこで食べますか?」
「中庭にしよう。今日はお弁当を用意してきた」
「もちろんエルシーちゃんの分もあるよー」
「よかったな、エルシー」
まず中庭がある学園がすごくない?というか私の分のお弁当用意してくれてたんだ。普通に学食食べる気でお金持ってきてた。ここはご相伴にあずかりましょう。
「ありがとうございます、ミーリク殿下」
「君と早く仲良くなりたいという僕の我儘だ、気にしないでくれ」
「ミーリクは崇拝されることはあっても、友達はなかなか作れないからねー」
「どうやらミーリク殿下は珍しくはしゃいでいるようだ。これからも仲良くして欲しい。よろしく頼む」
そういう風に言われると満更でもない。
「では行こう。エスコートしよう」
「あ、ありがとうございます」
ミーリク殿下のエスコートで中庭に移動しました。
「じゃあ食べよ食べよ!」
「いただきます」
「いただきまーす」
「いただきます」
「いただきます」
うーん、美味しい!さすが宮廷料理!冷めてても美味しい!
「美味しい!これすごく美味しいです」
「エルシーちゃんは本当に美味しそうに食べるねー」
「見ていて気持ちがいいな」
「お、お恥ずかしいです…」
「?なにを恥ずかしがることがあるんだ?美味しいものを美味しそうに食べられるのはいいことだろう」
「そうでしょうか?」
「そうだとも」
ミーリク殿下のフォローが嬉しい。
「しかし、こうしてシューリクやフェリューシャ以外の友が出来るなんてまるで夢のようだ」
「そうなのですか?」
「ああ。皆僕のことを王太子として慕ってはくれるが、友達というと畏れ多いと言って離れていくんだ。だからエルシーが仲良くしてくれてとても嬉しい」
「そうですか…」
…もしかして、ミーリク殿下は思っていたより人間らしい人間なのかもしれない。なんでも出来る完璧超人なんて偏見で、寂しがりやな人なのかも。
「あの、ミーリク殿下!」
「?どうした?」
「せっかくお友達になれたんですから、お友達らしいこと沢山しましょう!」
「お、いいねそれ!いっぱいしよ!」
「ミーリク殿下を気遣ってくれてありがとう、エルシー」
「…」
…あれ、ミーリク殿下黙っちゃった。もしかして余計なお世話だった!?
「あ、あの、ミーリク殿下…」
「嬉しい…」
「え?」
「嬉しい、こんな感情初めてだ…!」
なんて言い表したらいいのかわからない、と頬を染めながら胸を押さえて言う殿下。そんなに喜んでもらえて光栄です。
「では早速だが、放課後はカフェテリアでティータイムでもどうだろうか!?」
「いいですね!是非そうしましょう!」
「…あれれー?」
「…あー、あー、うん。そうかそうか」
お二人は一体何を納得しているのでしょうか?まあともかく、ミーリク殿下と本当の意味で仲良く出来そうで良かったです!
おや?王太子殿下の様子が…?




