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魔法なき世界の異端魔導士 ~冤罪で捕まりかけた大魔導士は異世界で自由気ままに人生をやり直すことにしました~  作者: 出雲大吉
第2章

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第076話 ほら、中学生


 部屋の中はそこまで広くないものの、落ち着いた雰囲気があり、そこまで悪くない。

 3つのベッドにソファー、テーブル、暖炉もあり、本棚には様々な本が並んでいた。

 ゆっくりできそうな部屋だなと思うが、1万8000と思うと、どうだろうって思ってしまう。

 まあ、それはラティルナの宿屋のコスパが抜群だったからだが。


「値段の高さは安全ってところかしら?」

「だと思う。安心して眠れるってことだ」

「それは良いことね」


 俺達はソファーに腰かけると、リーエが備え付けの道具でお茶を淹れてくれたので一息つく。


「さて、ここまで来たな」

「ええ。あとはグラードに行って、ブレイナね」


 そして、別大陸だ。


「それでだ、この町をどう思った?」

「好きになれそうにないわね」

「同感です。一見、普通の町のように思えましたが、路地裏から嫌な気を感じました」


 俺も感じた。

 魔力とかそういうのではなく、路地裏に行こうと思えない感じだ。


「儲かりそうではあるんだよな……」


 皆がそう言っている。


「そんな感じはするわね。現在の所持金は55万ソル。目標の残りは25万ソルね」


 25万か。


「最悪はブレイナで稼げるよな?」

「ええ。いけると思うわ」


 ここで頑張る必要もないわけだ。


「ダリアは明後日にここを出る予定だったな?」

「そう言ってたわね。そして、行き先は私達と一緒でグラード」


 ダリアはそこから南下して王都に行く。

 俺達は東の港町であるブレイナだ。


「一緒に行くか」

「それが良いわ」

「私もそう思います。というか、ダリアさんの予定を聞いた時にそう提案しようと思っていました」


 俺もだ。


「夜にでも話してみよう」


 いや、夕方かな?

 あいつのことだから17時前には夕食を食べるだろう。


「それが良いわね。となると、明日は仕事?」

「ああ。1日くらいは働こうじゃないか」


 金はいくらあっても良い。


「そうね。今日はどうする? まだ14時前だけど」


 うーん……森に行く時間ではないな。


「ゆっくりしよう。町を見て回る気にもならんしな」

「そうしましょうか。魔法の練習でもするかな」

「私はせっかくなので本を読みます」


 リーエが本棚の方に向かい、1冊の本を持って戻ってくると、本を読みだした。

 俺は銃弾を防ぐ魔法の最終調整をしていき、イレーネは光の矢を調整していく。


「こんなものかな?」


 しばらくすると、イレーネが光の矢をじーっと見る。

 俺の目にはこの前の矢と差がわからない。


「明日、練習でもしてみるか?」

「そうしようかな」


 俺も防弾の魔法ができた。

 ちょっと怖いが、試してみるかな。


 その後、トランプをして過ごしていくと、17時前になったので1階に下りる。

 すると、予想通り、ダリアが1人で席についていた。


「あ、話をしてくれて、ありがとうございました。おかげさまで無事に部屋を取れましたよ」


 俺達に気付いたダリアが微笑む。


「ああ。俺達も助かった。一緒に座っていいか?」

「もちろんですよ」


 俺達が席につくと、女将さんがやってきたので定食を頼んだ。


「絹織物は売れたか?」

「ええ。予想より高く売れました」


 それは良かった。


「それで明後日に出発か?」

「はい。今日、ギルドと相談をして、砂糖を買うことにしました。明日、仕入れて、明後日にはここを出ます。私は一人なのでどうしてもここに長くはいられません」


 やはり明後日か。


「ウチも子供がいるし、そう思った。だから明後日に出ようと思う。それでどうだろう? グラードまで一緒に行かないか? 俺達はブレイナでダリアは王都だが、グラードまでは一緒だろう」

「それはありがたいですね。ぜひお願いしたいです」


 ダリアが快く、頷いた。


「じゃあ、頼む。また、明日の夕方か夜にでも話し合おう」


 依頼のこととかあるし。


「はい。お願いします」

「ダリア、盗賊の件は商人ギルドで何か聞けた?」


 イレーネがダリアに聞く。


「ええ。まあ、こういう町ですから流れ者の犯行じゃないかって感じですね。軍の捜索も明日で打ち切りだそうです」


 問題なさそうだな。


「そっか。やっぱりキャラバン?」

「ええ。この町から王都方面は毎日、キャラバンが組まれますのでいつでも大丈夫なんですよ。今日、商人ギルドでその話もしました」


 ここと王都なら行きかう行商人も多いだろうしな。


「了解。じゃあ、同じ感じね」

「はい。よろしくお願いします」


 俺達が話していると、料理が来たので食べだす。

 そして、夕食を終えると、部屋に戻り、順番に風呂に入った。

 この宿屋は湯船がなく、シャワーだけだったが、それでもすっきりできた。


 風呂場を出ると、先に上がって寝巻き姿になっている2人がソファーに座っており、リーエは本を読み、イレーネは指から蝋燭くらいの火を出していた。

 イレーネの火は安定しており、見事だなと思いながら隣に座る。


「今日はワインはなしか?」


 そう聞きつつ、手を握った。

 イレーネも握り返してくれたし、本当に何でもない時に握っても問題ないらしい。


「なし。さっきリーエと話し合ったんだけど、明日は他の冒険者が少ない朝早くに出て、早めに帰ってこようってなったわ」


 なるほど。


「遅くすると、逆に昼間にいた奴らみたいなのがいそうだしな」

「ええ。ぱぱっと仕事をして、早めに終わらせましょう」


 明後日は出発だし、それが良いか。


「わかった。リーエ、頼むわ」


 起こしてくれ。


「わかりました。でも、早く寝てくださいね」

「大丈夫だ。もう眠い」

「私も。さすがに3時半起きはないわ」


 ないよなー?


「では、そうしますか。イレーネさん、火が不安定になっていますよ」


 イレーネの火がゆらゆら揺れていた。


「眠いのよ」

「そうですか。では、仕方がありませんね」


 ニヤニヤ笑うんじゃない。


お読み頂き、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
魔法の矢の見かけを普通の矢のように見せる事はできないのかな? 偽装できれば人前で魔法攻撃しても誤魔化せるよね
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