表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法なき世界の異端魔導士 ~冤罪で捕まりかけた大魔導士は異世界で自由気ままに人生をやり直すことにしました~  作者: 出雲大吉
第2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/67

第064話 一昨日も


 イレーネが地図を描いているので俺とリーエはそれを眺める。

 感想としてはやっぱり丸い。


「うーん……まあ、もうちょっとラフで良いか」

「ラフ……」


 ラフ?


「うるさいわねー。似顔絵でも描いてあげましょうか?」

「誹謗中傷はNGです」

「その返しが誹謗中傷よ。まあ、こんなものでいいや」


 イレーネが描き終えたようだ。


「おおまかな地理がわかればいい」

「そうそう。ヴェルナーは良いことを言うわ」

「それで今はここか」


 国境壁であろう横に歪んだ線が描いてある下に丸が描いてあり、その中にはラティルナと書いてある。


「ええ。そして、ここがブレイナ」


 ブレイナは右にある縦線の上に書いてあった。

 なお、そのさらに右には海って書いてある。

 ブレイナは位置的にはラティルナの右下だ。


「南東か」

「そうなるわね。そして、そこに行くルートはいくつかあるんだけど、主要な道としては王都に行ける南の道」


 イレーネはラティルナを指差し、そのまま指をゆっくり下に動かしてく。


「確かに次がミストラですね。いっぱい線が描いてありますけど」


 リーエが言うようにミストラからは5本の線が出ていた。


「ダリアがミストラは人の行き来が多い町って言ってたでしょ? ここは有名な商業の町でコスタリナ北部の中継の町なのよ。ここからコスタリナの北部の町はどこでも行けると思っていい」


 大きい町っぽいな。


「そこからブレイナには?」

「楽な道はさらに南に行って、グラードの町に寄って、そこから東に行けばブレイナね。前にも言ったけど、主要な道以外は管理も微妙だし、避けた方が良い。というか、よくわからない道だから行きたくない」


 まあ、主要な道が確実だろうな。


「ちなみに、日数は?」

「そこまではわかんない。行ったことないし、詳しくない」


 それもそうか。


「まあ、どうせ稼ぎながらだし、その都度で良いか」

「ええ。とりあえずはミストラね。明日にでもギルドで聞けば良いかな」


 ギルドなら知ってるか。


「わかった。教えてくれてありがとうな」

「全然良いわよ。さて、トランプでもしますか」

「そうするか」


 俺達はワインやぶどうジュースを飲みながらトランプをしていく。

 しばらくやっていたが、22時を過ぎた辺りでリーエがベッドに行き、すやすやと寝始めたのでイレーネの魔法の特訓を始めた。

 イレーネは銅貨を指差しながら動かしており、最初の頃のように魔力を込めすぎて飛んでいくようなことはない。

 本当にセンスはあるようだ。


「上手いものだな」

「そう?」

「ああ。魔法学校だったら上位になれるぞ」


 元々、強化魔法を使っていたということもあるが、それにしてもこれだけの魔力を1日やそこらで操作できるようになるのは素晴らしい。


「イレーネさんも魔法使いになってしまうのか」


 そうだな。


「良いと思う。次は指を差さずにやってみ? 多分、できるぞ」

「よし」


 イレーネは手を引っ込め、銅貨をじーっと見る。

 すると、銅貨がすいーっと前に動いていった。


「上手い、上手い」

「おー、最初はできる気がしなかったのに」

「そんなに難しい魔法じゃないからな。イレーネならコツさえ掴めばすぐだ」


 そのコツを掴むのが難しいんだがな。


「次は? 火とか出せないの?」

「家の中だとな……」


 さすがに無理。


「あー、それもそうね。火事になっちゃうか」

「慣れれば抑えられるし、問題ないんだが、最初はやはり外だ。明日にでもやってみるか」


 誰もいないところで練習させよう。


「おー! 良いわね!」

「ただ、魔力操作の練習はやるぞ。これは基礎だが、一番大事なことだ。本当に遠くのものを引き寄せられることもできるんだよ」


 そう言って、ムーブを使い、ボトルを宙に浮かせると、イレーネのグラスに注いでいく。


「魔法って感じがするわね」


 言わんとしていることはわからないでもない。


「銅貨を浮かせるか?」

「浮かすってどうやるの?」

「力を上向きにすればいい」

「ほうほう……ほう?」


 銅貨は勢い良く上に飛んでいき、天井に当たると、落ちてきた。


「今のが火魔法だったら大惨事だったな」

「そうね……もうちょっと魔力操作の練習をするわ」

「そうだな」


 イレーネはその後も銅貨を使って魔力操作の練習をしていき、さすがに遅くなりそうだったのでこの日は就寝した。


 翌日、リーエに起こしてもらうと、準備をし、1階の食堂で朝食を食べる。


「もぐもぐ。魔力操作は上手になりましたか?」


 リーエがイレーネに聞く。


「まあまあね。硬貨を動かすのはもう指を差さなくてもできるようになったわ」

「それは素晴らしいです。大魔女イレーネさん伝説が始まりましたね」

「白銀の魔女と呼んでちょうだい」


 白銀はないだろ。

 もう白銀のセシリアさんは海の中なんだから。


「ご自分が好きですね」

「ホムンクルスちゃんに大人のおねーさんが教えてあげるわ。自分を愛せない人は他人も愛せないのよ」


 前世の俺に言って欲しかったな……

 ちょっと時間がかかってしまったが、今ならその言葉がよくわかるから良しとするけど。


「私は自分のことが好きですね」


 知ってる。

 お前はそうだよ。


「でしょうね。それで良いのよ。私は絵がちょっと苦手なところも含めて自分が好きなの」


 ちょっと?


「銅貨を暖炉に入れたり、天井にぶつけるところもですか?」


 お前、昨日、起きてただろ。


お読み頂き、ありがとうございます。

この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と思ってくださった方はブックマーク登録や↓の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』に評価して下さると執筆の励みになります。


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【新作】
魔法なき世界の異端魔導士 ~冤罪で捕まりかけた大魔導士は異世界で自由気ままに人生をやり直すことにしました~

【予約受付中】
~書籍~
~4/30発売予定~
宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~(1)

~漫画~
~5/12発売予定~
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(1)
~6/8発売予定~
その子供、伝説の剣聖につき(1)
web版(カクヨムネクスト)はこちら


【新刊】
~漫画~
35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~(1)

~書籍~
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(1)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(2)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(3)

覇王令嬢の野望 ~絶対平和主義の少女に転生した最強女帝の帝国再建譚~(1)
web版はこちら

【現在連載中の作品】
元暗部の英雄、再び暗躍する ~娘のために正体を隠して無双していたら有名になっちゃいました~

宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~

その子供、伝説の剣聖につき (カクヨムネクスト)

週末のんびり異世界冒険譚 ~神様と楽しむ自由気ままな観光とグルメ旅行~

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~

バカと呪いと魔法学園 ~魔法を知らない最優の劣等生~

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜

【漫画連載中】
その子供、伝説の剣聖につき
コミックグロウル

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~
カドコミ
ニコニコ漫画

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~
ガンガンONLINE

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜
カドコミ
ニコニコ漫画

【カクヨムサポーターリンク集】
https://x.gd/Sfaua
― 新着の感想 ―
家政婦型ホムンクルスは見た!
主人をのぞき見るメイドじゃんか〜(キャーエッチ!)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ