表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法なき世界の異端魔導士 ~冤罪で捕まりかけた大魔導士は異世界で自由気ままに人生をやり直すことにしました~  作者: 出雲大吉
第2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/57

第052話 ご主人様の財布が空になりました


 俺達はパスタ屋を見つけたので中に入り、セットを頼んだ。

 すると、すぐにやってきたので食べだす。


「うん、美味いな」

「そうね。これで800ソルはすごいわ」

「この世界の料理って美味しいですよね。初めて食べましたよ」


 帝国にはパスタがなかった。

 基本、肉料理とパンなのだ。


「別大陸に行けば見たことがない料理もあるかもね」

「楽しみです」


 別大陸か……


 俺達は昼食を食べ終えると、店を出て、西の区画に向かう。

 すると、歩いている人達も冒険者が多くなった。


「冒険者が多いな」

「国境沿いは多いのよ。商人が増えるし、人の行き来も多くなるから護衛の仕事が多くて、割が良いの」


 へー……


「知り合いはいないよな?」

「いないわね。さすがにこの辺にはいないでしょ。私は北の王都を中心に活動してたしね」

「いや、知り合いがいますね」


 リーエがそう言うので目線の先を追うと、串肉を片手にベンチに腰かけているベッキーの姿が見えた。


「あ、ホントね」

「一人だな」

「あ、皆さん、こんにちはー」


 ベッキーがこちらに気付き、声をかけてきたので近づく。


「よう。一人で昼食か?」

「ええ。教授が部屋に籠ってしまったのでギルドに寄ったついでです。皆さんもギルドですか?」


 この国ではもうギルドには寄らないことになっている。


「俺達はテントなんかを買いに来たんだ。宿屋のおばさんにこの辺に売っていると聞いたんでな」

「あ、そういえば、冒険者になったばかりでしたね。お店ならそこですよ」


 ベッキーが正面の店を指差す。


「悪いな。助かる」

「いえいえ。冒険者は助け合いですよ。可能だったら寝具は寝袋じゃなく、布団が良いです。何かあった時の動きやすさが段違いですから。ちなみに、布団はもうちょっと西に行ったところに寝具屋があります。そっちの専門店の方が安いし、質が良いのでおすすめです」


 良いことを聞いたな。


「じゃあ、そうしよう。本当に助かった」

「いえいえー」


 俺達は正面にある店に入る。

 中はかなり広く、アウトドア専門の店のようで様々なキャンプ道具が置かれていた。


「色々あるな」

「魔道具が多いんですか?」


 リーエがイレーネに聞く。


「ええ。半々ってところね。見ていくと、本当に目移りしちゃうわ。お金を稼ぐために冒険者になったのに便利なキャンプ道具が欲しくなってお金を貯めるという本末転倒な冒険者もいるくらいよ」


 うーん、気持ちはわからなくないなー。

 ちょっとわくわくするし。


「私達にそんな余裕はありませんね。必要なものだけを買いましょう」


 しっかり者のホムンクルスだ。


「ええ。まずはテントね」


 俺達は奥にあるテントコーナーに向かった。

 すると、これまた様々なテントが置いてあった。


「色々ありますね……え? 30万ソルしますけど……」


 リーエが一番手前にあるテントの値札を見て、固まった。


「最新のやつとかじゃない? えーっと……あー、これが防寒のやつね。暖房機能付き」


 そんなのがあるのか……


「しかし、高いな」

「テントはピンキリだからね。目安は防寒機能のない3万から5万ソル。探しましょう」


 俺達は値札を見ながら手ごろなテントを探していく。


「これも10万……布だぜ?」

「防音機能付きらしいですよ」


 防音はさすがにいらなくない?

 密談用か?


「すごく小さく折りたためるものもありますね。高いですけど」


 広がった状態のテントと折りたたまれた状態のものが並んでいるが、折りたたまれた方は30センチくらいしかない。

 ただ、8万ソルらしい。


「旅をする人間にとっては便利だけど、俺達はいらんな」


 空間魔法がある。


「ですね。高いだけですし、無駄です」

「2人共ー、こっちこっちー」


 イレーネが呼んできたので2人で向かう。


「あったか?」

「ええ。この辺が普通のテントね。値段も良い感じ」

「どれが良いんだ?」

「この辺はもう色とか広さね」


 色はどうでもいいな。


「広さか。3人なら大きめか?」


 リーエは小さいが、ある程度のゆとりはいる。


「2人が空間魔法を使えるから収納には困らないしね。これかな?」


 イレーネが靴を脱ぎ、大きめのテントに入っていったので俺とリーエも入る。


「結構、広いな」

「いつぞやの馬車とは大違いですね」

「ちょっと寝てみましょう」


 俺達はいつもの並びで横になる。


「ふむ……寝返りもできるし、十分だな」

「若いパパとママに挟まれる娘の気分です」

「その場合、私、10歳で生んでない?」


 異世界ってすごいな。


「これ、いくらだ?」

「5万ソルですね」

「もうちょっと狭いのだと4万ソル。正直、誤差よ。1万ソルなら魔物を数匹倒せば儲けられる。あとで買い直すとか嫌だし、これで良くない?」


 安物買いの銭失いか。


「じゃあ、これにするか」

「ええ。あとは簡単な調理道具と雨具を買いましょう」


 俺達はテントを出ると、そばに置いてある折りたたまれた状態のテントを取る。

 そして、調理道具のコーナーに行くと、網や鍋、食器類を取り、さらには外套をまとめて購入した。

 値段は6万ソル弱くらいだった。


「次は寝具店ね」


 俺達は店を出ると、さらに西に向かい、ベッキーに教えてもらった寝具店に入る。

 そこでテントの中に敷ける大きさのマットレスと3人分の掛け布団、さらには枕を購入した。

 値段は合計で2万ソルくらいになったのでテントなどと合わせると、出費額が8万ソルになった。

 これにより、俺達の所持金は38万ソルで40万を切ってしまった。


「手を付けてはいけないお金を使ってしまった気分ですね」


 帰り道にリーエがぽつりとつぶやいた。


「ちょっとわかるな。借金持ちの気分だ」

「先行投資だから。コスタリナに着いたら稼いで取り戻すのよ。むしろ、プラスにするの。目指せ80万ソル」


 そうするか。


 俺達はそう思うようにし、帰路についた。


お読み頂き、ありがとうございます。

この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と思ってくださった方はブックマーク登録や↓の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』に評価して下さると執筆の励みになります。


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【新作】
魔法なき世界の異端魔導士 ~冤罪で捕まりかけた大魔導士は異世界で自由気ままに人生をやり直すことにしました~

【予約受付中】
~書籍~
~4/30発売予定~
宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~(1)

~漫画~
~5/12発売予定~
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(1)
~6/8発売予定~
その子供、伝説の剣聖につき(1)
web版(カクヨムネクスト)はこちら


【新刊】
~漫画~
35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~(1)

~書籍~
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(1)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(2)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(3)

覇王令嬢の野望 ~絶対平和主義の少女に転生した最強女帝の帝国再建譚~(1)
web版はこちら

【現在連載中の作品】
元暗部の英雄、再び暗躍する ~娘のために正体を隠して無双していたら有名になっちゃいました~

宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~

その子供、伝説の剣聖につき (カクヨムネクスト)

週末のんびり異世界冒険譚 ~神様と楽しむ自由気ままな観光とグルメ旅行~

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~

バカと呪いと魔法学園 ~魔法を知らない最優の劣等生~

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜

【漫画連載中】
その子供、伝説の剣聖につき
コミックグロウル

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~
カドコミ
ニコニコ漫画

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~
ガンガンONLINE

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜
カドコミ
ニコニコ漫画

【カクヨムサポーターリンク集】
https://x.gd/Sfaua
― 新着の感想 ―
最低年齢の妊娠出産記録調べると、やべー年齢でてくるよね
固定で残すつもりでいたのにそれに手を付けて、いざって時の金に手を付けた〜と、誰にともなく罪悪感を負ってしまうヤツだね〜(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ