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魔法なき世界の異端魔導士 ~冤罪で捕まりかけた大魔導士は異世界で自由気ままに人生をやり直すことにしました~  作者: 出雲大吉
第2章

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第051話 それ、私が悪いんですかね?


「金がかかるな」

「当然ね。だから相談。野営道具を一式集めようとすると、安いものでも10万ソルは超えるわ」


 高いな。


「具体的には何がいる?」

「テント、寝袋なんかの布団、鍋や網なんかの調理道具、ランタン、焚き火用の火起こし関係、水筒、雨具、他にも快適にしようとすると上限がないわ」


 ふーむ……


「一応の確認だが、現役時代のものは?」

「ほとんど処分した。邪魔だし」


 まあ、そうだろうな。

 あったらすでに使っている。


「リーエ、どう思う?」

「野営道具を買うこと自体は賛成です。馬車で寝るのは辛かったですし、旅人も冒険者も身体が資本です。身体を休めることに重きを置くべきです」


 確かにな。

 リーエは辛そうだったし。


「なら買うか。ちょっと出費になるが、投資と考えよう」


 どっちみち、資金を確保するために冒険者活動をしていくわけだし、初期投資も含めて回収しよう。


「はい。ただ必要なものは厳選するべきです。今、イレーネさんがおっしゃったものは一般的に必要なものです。魔法が使える我らにはランタン、火起こし、水筒は不要です」


 ランタンはライトの魔法でいい。

 火も水も魔法で出せるか。


「バレないように工夫すれば良いわけだな」

「はい。テントと寝具、それに雨具は絶対に必要になります。調理道具は最低限で良いと思います」


 ふむふむ。


「イレーネ、それでいいか?」

「ええ。それと魔法で寒さをどうにかできない? テントは防寒となると、かなり高くなるわ。これから寒い時期に入っていくし、今後のことを考えると必要不可欠よ」


 防寒……魔導具かな?

 色々ある世界だ。


「この世界って雪が降るのか?」

「リーフェルは降るし、積もるわ。南に行けばそうでもないけど、寒いは寒い。別大陸となるとわからないけど、降るって考えた方が良いわね」


 帝国はほとんど降らなかったな。

 冬でも氷点下を下回るような寒さになることは滅多にない。


「防寒に関しては問題ない。テントの中を暖かくするくらいならできる」


 そういう魔法は一般的に浸透している。

 当然、俺もリーエも使える。


「暑さも対処できますよ」

「それは良かったわ。じゃあ、普通のテントで良いわね」


 普通のテントってどんなのだろう?

 ただの布かな?


「イレーネさん、テントは1つですか? それとも分けます?」

「1つで良いわよ。テントの中に大きめのマットレスを敷いて、掛け布団を3枚で十分」


 イレーネがそれで良いなら良いか。


「わかりました。では、そのようにしましょう」

「よし、昼飯を食べて、買い物に行くか」

「ええ。行きましょう」


 俺達は立ち上がると、部屋を出て、1階に下りた。


「すみません、ちょっといい?」


 イレーネが受付にいるおばさんに声をかける。


「ん? どうしました?」

「これからご飯を食べに行くんだけど、おすすめとかないかしら?」

「おすすめねー……私はよくこの通り沿いにあるパスタ屋に行きますね。昼はサラダとスープが付いてくるセットがあるんですよ。それで1000ソル以下なんでリーズナブルです」


 よくわからないが、俺の1円1ソル感覚だとかなり安い。


「良いわね。じゃあ、そこに行ってみるわ」

「ここを出て、町の中央に向かえばありますのですぐにわかると思います。アストラっていうお店です」


 来た道を引き返す感じか。


「ありがとう。それともう一つ聞きたいんだけど、テントなんかの野営道具を売ってる店って知らない?」

「テントねぇ……西の方に冒険者ギルドがあって、その辺りに武器屋とかそういう店が多いからその辺りじゃないかしら? すみません。あまり詳しくないんですよ」


 宿屋の女将さんは野営なんかしないもんな。


「いえ、ありがとうございます。そこに行ってみます」

「助かる」

「ありがとうございます」


 俺達は礼を言うと、宿屋を出て、通りを歩いていく。


「イレーネって社交的だよな」

「そうかしら?」

「なんか店員とかにも積極的に話すなと思ってな」


 俺が話すこともあるが、それはミスディレクションでイレーネが隠れている時だ。


「あー……ヴェルナーが話す? なんかごめんね」


 ん?


「なんで謝る?」

「いや、男性である自分が話したいのかなと……そういう男性って多いし」


 ふーむ……確かに夫婦とかカップルだと男性の方が話しているイメージがある。


「そういうことじゃない。俺は苦手だから助かると思っただけだ」


 今でも思い出す。

 おしゃれをしようとして、ちょっと雰囲気のある服屋に行き、店員に話しかけられて、『間違えましたー』という謎の言葉を残して逃げ出した中学生時代を。


「ベッキーや教授さんと話したじゃないの」

「あれは向こうの質問に答えていただけだ」


 あと相手が冒険者だったからイレーネを隠していたから。


「ふーん……人が苦手なんだっけ? その割にはリーエや私には普通よね?」

「人見知りしやすい方なんですよ。身内には普通です。あとはやはり話す時は饒舌に自慢話をして、話さない時はとことん話さない御方ですね」


 うーん……偏見かもしれないが、オタクっぽい。

 いや、魔法オタクか……


「まあ、良いんじゃない? 私はソロだったから話すことに慣れているというか、そういう風に癖付いちゃってるのよね」


 ソロだとそうなるか。

 俺もソロだったら……いや、リーエがいるな。


「ヴェルナー様、人それぞれですよ。お気になさらずに」

「いや、気にしてないぞ。イレーネってすごいなって思っただけだ」

「ヴェルナー様のつまらない自慢話をニコニコ聞いてくださる方ですから素晴らしいことは確かですね」


 お前も最初はニコニコ聞いていたんだぞ。

 途中から『またその話ですか?』って言いだしたけど。


お読み頂き、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
ごめんなさい、ニコニコ聞いてしまった(笑) そのうち、ウザくなって来るのかな?……
同じ話繰り返すのは流石にどうかと思うなぁw
もしかしてリーエてもっと素直な性格だったのに、ヴェルナーのせいで今みたいな性格になったのでは
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