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魔法なき世界の異端魔導士 ~冤罪で捕まりかけた大魔導士は異世界で自由気ままに旅をします~  作者: 出雲大吉
第3章

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第129話 にゃんのほほやら……ごっくん


「おっ、帰ってきたか。昨日とは違って遅かったな。もう他の連中は戻ってるぞ」


 陣まで戻ってくると、門を守っている兵士が教えてくれる。


「魔物が多くてな。まだ討伐報告の受付はやっているだろうか?」

「ああ。まだいると思うから報告してくるといい。ご苦労さん」


 俺達は陣の中に入ると、報告場所に向かう。


「おかえり。どうだった?」


 兵士が聞いてきたのでリーエが魔石を出していく。


「ゴブリンとコボルトしかない」

「他の冒険者、兵士達もそうらしい……しかし、君達は多いな」

「遅くまでやってたからな」

「それにしてもな……ちょっと数えるから待ってくれ」


 兵士が魔石を数えていく。


「なあ、例のでっかいトカゲは?」

「目撃情報があったところに行ったんだが、見当たらなかったそうだ。誤情報か、既にどこかに行ったか……まあ、まだ調査だな」


 ふーん……


「わかった。明日も魔物を狩っていく」

「頑張れ。ここだけの話だが、冒険者に渡すボーナスというのは額が決まっている。要は順位付けをするんだ。君達はここに来るまで後衛だっただろう? 取り返した方が良いぞ」


 なるほどね。


「どうも」


 兵士が数え終えたのでこの場をあとにし、野営の場所に向かう。

 すると、焚き火を囲んでいる冒険者達がいた。


「帰ったか……遅かったな」


 レナートが声をかけてきた。

 俺が対応することにし、イレーネとリーエはテントの設営に入る。


「頑張ってた」

「そうか……どうだった?」

「昨日と同じ。そっちは?」

「皆、そうだ。討伐料が魔石の2倍っていうのがなかったらハズレかもなって思う感じだな」


 実際は日当やボーナスがあるからハズレっていうわけではないんだろうが、オークとかの大きな当たりがないとそう思ってしまうのもわかる。


「明日も入れ替えでいいな?」

「ああ。君達は11時から12時だ」

「わかった。じゃあ、また明日な」


 話が終わり、テントの設営もちょうど完了したので中に入った。


「どこも一緒みたいね」


 イレーネがポニテを解きながら言ってくる。


「みたいだな。やっぱり魔物の質が低いとはいえ、地道に積み重ねていくしかないな」

「まあ、3倍だし、数も多いからね。私の予想では150万から200万ってところ」

「ボーナス次第なところもあるが、そんなところだろうな」


 十分だ。


「ボーナスは順位をつけるとのことでしたね……明日は頑張って早くに起きませんか?」


 リーエが提案してきた。

 まあ、ちょっとは脳裏をよぎったことだ。


「どうする?」


 惰眠同志に確認する。


「まあ、リーエの意見はもっともよ。ちょっと頑張れば大金を得られるなら頑張るべき」


 まったくもって、その通りだ。


「そうだな……何時にする?」

「任せる。6時より前は一緒よ」

「確かにな。リーエ、任せるわ」

「では、日が出始めたら起こしますので日の出と共に出発しましょう」


 日の出って何時だよ……

 まあ、何時でもいいけどさ。


「じゃあ、今日も早めに寝るか」

「そうね……あ、景気付けに例の缶詰を食べましょうよ。あ、どっちかだけね」


 あー、ヘブンバードとダークドラゴンフィッシュか。


「良いな」

「賛成です」


 頷くと、リーエが缶詰を取り出し、マットレスの上に置く。


「どっちにします?」


 リーエは本当にわかりやすい。

 ヘブンバードが前にある。


「ヘブンバードで良いわよ」

「ああ。それでいい」

「では、こちらで」


 頷いたリーエがダークドラゴンフィッシュの缶詰をしまい、ヘブンバードの缶詰を開ける。


「実に贅沢な冒険者よ」

「公爵令嬢と大魔道士と選ばれし新人類なので仕方がないです」


 まったくだ。


「匂いは特にしないですね」


 缶詰を開けたリーエが匂いを確認して、首を傾げた。


「リーエ、先に食べていいぞ」


 お前が食べたかったやつだし。


「では、旦那様と奥様想いの良いホムンクルスが毒味を致しましょう」


 良いホムンクルスが1口食べる。


「……ふむふむ」

「どう?」

「その一口で数千ソルよ」


 1缶で5万ソルだからな。


「私は万能なので大丈夫ですが、御二人はやめた方がいいかもしれませんね」


 そんなに頬を緩ませて、何を言っているんだ?

 いつも無表情のくせに。


「実に悪いホムンクルスちゃんね」


 まったくだ。


「リーエ」

「図書館でヘブンバードの生息地を調べた方が良いと思います。見つけて、捕らえましょう」


 美味いわけね。


「食べてみましょう」

「そうだな」


 俺とイレーネも一口食べてみる。

 すると、口に入れた瞬間から美味いとわかったし、噛むと、肉汁がぶわっと広がっていく。


「美味っ……」

「これ、鳥? いや、鳥か……こんなの、初めて食べたわ」


 公爵令嬢ですら食べたことがない味か。


「俺も食べたことがない」

「私もです。5万ソルの価値があると思います」


 うん。

 ある……めちゃくちゃ高いけど、それくらいはするなって感じだ。


「これが缶詰なわけでしょ……しかも、鳥なら絶対に焼いた方が美味しいわ」


 このヘブンバードの肉は缶詰なので煮込んである。


「だから探しましょうということです。幸い、私達は全員、鳥を倒せます」


 俺とリーエは魔法が使える。

 イレーネは百発百中の弓がある。


「そうするか」

「賛成。あなた達は魔道具の歴史を調べるんでしょ? そっちは私が調べるわ」


 本が好きじゃないのにやるらしい。


「よし、ぱぱっと仕事をして、次に向かって進もう」

「おー」

「もぐもぐ……おー」


 リーエ、そういうところがあるよな。


お読み頂き、ありがとうございます。

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