第128話 雑魚狩りですね
リーエとイレーネを残し、テントを出る。
そのまま待っていると、報告を終えた3人がこちらにやってきた。
「ヴェルナーか。そっちも終わったのか?」
「ああ。こういうのは得意なんだ」
こう言っておく。
「そっちはどうだった?」
「雑魚がいっぱいいた」
というか、雑魚しかいなかった。
「そっちもか……こっちもだよ」
「3倍は嬉しいけど、微妙よね」
「オークが出たら大当たりなんだがな」
こいつらもか……
となると、どこもそうだろうな。
「ライオネル様から明日から討伐に入っても良いと言われたが、そっちは?」
「こっちも言われた。そうするつもりだ」
やはりか。
「場所を替えないか?」
レナートに提案する。
「こっちも変わらないぞ?」
そんな気はする。
「それでも同じところを回るのもどうかと思ってな」
「ふーむ……」
「レナート、良いじゃん。私も同じところは嫌。それに調査も別の人間の目でも見てみるっていうのは大事だし、いっそシャッフルでいいじゃん」
おっ、ヴァンナは話がわかるな。
「まあな……じゃあ、皆が戻ったら相談してみるか」
「私はテントの用意をするわ」
「俺も焚火の準備だな」
オネストとヴァンナが野営の準備を始めた。
すると、遠くから高魔力がどんどんと近づいてきているのがわかったのでその場で待つ。
そして、冒険者全員が報告を終え、こちらにやってきたので相談することにした。
「ロビン、アダルベルト、どうだった?」
レナートが2人に聞く。
「魔物が多かったな。ゴブリンとコボルトばっかりだったが」
「こっちもだ。オークとかの大物がいる痕跡もない」
同じか。
「俺のところもヴェルナーのところもだ」
「ふーん……レナートを疑うわけじゃないが、そっちの兄さんは大丈夫か? Dランクなんだろ?」
アダルベルトが俺を見てくる。
「そうだな。実に不安だと思う。レナート、向こうから提案してきた」
高ランクは話が早くて良いな。
「ああ。アダルベルト、ロビン、明日以降は場所をシャッフルしないか? ヴェルナーとウチのヴァンナが明日以降は違うところが良いって言ってきた。アダルベルトの言うことはもっともだが、それはお互い様だろう。いっそ、ローテーションで毎日狩る場所を変え、調査を念入りにしたらどうだろう? それならライオネル様も納得される」
異論はないだろ。
「なるほど。悪くないな。仕事は完璧にってわけだ。それにまあ、俺も同じところは嫌だな」
アダルベルトがそう言うと、チームを組んでいるカスト、ガストーネも頷く。
「ロビンは?」
「ウチもそれで構わない」
ロビンとアイリーンも頷いた。
「では、明日からそうしよう。順番はせっかく時計みたいに分けているのだから時計回りで良いだろ」
つまり俺達は明日、9時から10時だな。
明後日は10時から11時で明々後日は11時から12時だ。
「レナート、ライオネル様に伝えた方が良いだろ」
「そうだな。あの貴族様は細かいようだし、言っておこう。じゃあ、解散な。明日からも頑張ろう」
レナートの言葉に全員が頷き、解散となったのでテントの中に戻る。
すると、2人はまだトランプをしていた。
「明日は隣の区画?」
イレーネが聞いてくる。
「そうなるな。多分、雑魚ばかりだろうが、仕事はしよう」
塵も積もれば山となるだ。
「そうね。リーエ、明日は何時起き?」
「まあ、6時起き、7時開始で良いんじゃないですか? 多分、他の冒険者の方も兵士さんももっと早くに動くと思いますけど」
多分、そうだろうな。
「じゃ、そんな感じね。ご飯にしましょう」
「そうですね」
俺達は夕食の缶詰を食べると、やっぱりトランプをし、早めに就寝した。
翌日、リーエに起こしてもらい、準備を終えると、テントを出る。
「誰もいないわね」
イレーネの言う通り、周りにはテントもないし、焚き火跡しかなかった。
「そりゃそうですよ。さっさと行きましょう」
俺達は陣を出ると、地図を見て、9時から10時の区画の森に入る。
「さて、今日は魔物の種類にこだわらず、積極的に狩っていくか」
「ええ」
「れっつ、はんてぃんぐ」
俺達は近くにいる魔物を狩っていく。
魔力探知で探ってみてもやはりゴブリンやコボルトばかりだが、そもそもそういった多くなった魔物を狩るのが仕事なので選んでもいられない。
それでも大物が出ないかなーと思いながら狩りをしていくと、昼になったので昼食を食べる。
「どう?」
「いないなー」
「見事にゴブリンとコボルトです」
「まさか昨日のウルフが当たりだったとは……」
道中でも襲われたんだがなー。
「まあ、やるしかないですよ。多くなった魔物は殲滅です」
「可愛い顔して物騒なこと……」
「イレーネさんに敵いませんよ」
どっちもどっちだな。
昼食を終えた後も魔物を狩っていったが、15時を越えた辺りでこの区画の調査を終え、引き返す。
「どのくらい狩った?」
「いっぱいです」
「30を超えた辺りで数えなくなったわ」
俺もだ。
まあ、村で対処ができないくらいに増えたから国に要請したんだろうし、当たり前と言えば当たり前なんだが……
「儲かるのは良いんだけどな」
「面白くないです」
ずっと同じ風景、同じ魔物を作業のように倒していくだけだしな。
「今回はお金のためと割り切ってやりましょう」
「まあなー…… 」
俺達は帰りも狩りながらだったため、陣に戻った時にはすっかり暗くなっていた。
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