表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法なき世界の異端魔導士 ~冤罪で捕まりかけた大魔導士は異世界で自由気ままに旅をします~  作者: 出雲大吉
第3章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

111/131

第111話 石切したいです


「湖の方はどう?」


 分岐点まで戻ってくると、イレーネが聞いてくる。


「多いな」

「朝よりも多いです。20人以上はいます」

「まあ、仕方がないわね」


 人が多いのは最初からわかっていたことだ。


「俺だけミスディレクションを解くが、イレーネとリーエはそのままな」


 どうしても美人のイレーネと子供のリーエは目立ってしまう。


「そうしてちょうだい」

「では、行きましょう」


 自分のミスディレクションを解くと、分岐点から奥に進んでいく。

 そのまま歩いていくと、広場に出たのだが、壮大な湖が広がっており、近くには何人かの冒険者が休んでいたり、観光客らしき人達が冒険者と共に湖を見ていた。


「想像以上に大きいわね」

「向こう岸がかろうじて見えるレベルです」


 これは人気になるわ。


「人が少ないところに行き、採取をしますか?」

「そうする。私は下を見るからよろしくね」

「お任せください」


 俺達は湖まで行くと、湖沿いを左回りに歩いていく。


「おっ、薬草発見」


 イレーネがかがんで採取を始めたので学習ができる俺もすかさずしゃがんで手伝う。


「あれもか?」


 同じような草が近くにも生えている。


「そうそう。結構あるわね。こんなに人が集まるところなのにこんなにあるって、ここも誰も採ってないわ」


 まあ、どこもそうなんだろうな。


 俺達は採取をしながら湖沿いを歩いていく。

 すると、人が集まっているところからかなり離れた位置で紫色の怪しい草が生えているのを見つけた。

 しかも、かなりの数がある。


「毒々しいな」


 これじゃない?


「毒切草ね」


 やっぱり。


「毒があるのか?」

「ええ。葉に毒がある。採取する時は葉に触れないように茎を折るの」


 イレーネが器用に茎の根元を折った。


「イレーネは本当に器用だな」

「でしょ? 私、上手いもん」


 本当に謙遜もしないな。

 まあ、そこがイレーネの良いところでもあり、好きなところでもあるのだが。


「これ、いくらになるんだ?」

「1000ソルくらいじゃない?」


 何も言うまい……


 俺とイレーネがせっせと採取していき、リーエが辺り(湖)をぼーっと見張る。

 すると、覚えのある魔力が近づいてきていた。


「ヴェルナー様、イレーネさん、ロビンさんとアイリーンさんですよ」


 リーエがそう言うので立ち上がる。

 すると、2人がこちらに近づいてきていた。


「よう。あんたらも来てたか」

「何をしているんです?」


 2人が声をかけてくる。


「採取。ギルドに頼まれたんだよ」

「採取? よくやるな」

「全然、儲からないですよね?」


 儲からないな。


「頼まれたから休憩がてらにやっているんだ。それに俺達はまだDランクだからな。地道にやっている」


 地道に見せかけたごますりランクアップ戦法だが。


「ん? Eから上がったのか?」


 そういや2人と話した時はEランクだったな。


「ああ。王都に着いたら上がった」

「それはおめでとう」

「良かったですね」


 2人は嫌味なく、祝福してくれる。


「そっちは朝からか?」


 知ってるけど。


「ああ。早速、始動だ」

「どんな感じ?」

「まあまあってところだ。良い依頼がなくてな。あればもっと儲かるんだが……」


 Bランクだし、儲かるんだろうな。


「ああいう観光客の護衛は?」


 いまだに湖を見ている人達を見る。


「あれも悪くない仕事なんだがな……」

「私は好きじゃないです。言うことを聞かないし、わがままばっかりですもん。危ないって言うのにどこかに行こうとするんですよね……」


 あー、アイリーンが向いていないんだ。


「気持ちはわかるな」


 正直、俺も向いていないと思う。


「ですよね? やるなら魔物退治ですよ。良い依頼があると良いんですけど……」

「まあ、その辺は追々だな。ある時はあるし、ない時はない。じゃあ、俺達はもう一仕事してくる」


 ロビンが手を上げる。


「ああ」


 2人はそのまま森の中に入っていった。


「よいしょっと」


 話に入らず、黙々と採取をしていたイレーネが立ち上がる。

 周りにはあれだけあった毒切草がなくなっていた。


「お疲れさん」

「ヴェルナーもね。採取はこんなものかな……」

「今、何時だ?」


 そう聞くと、イレーネが懐中時計を取り出す。


「14時過ぎ……ギルドで精算して、図書館に行く?」

「そうだな……リーエ、良いか?」


 ずーっと湖を見ているリーエに聞く。


「ええ。帰りましょう」


 俺達は湖をあとにし、来た道を引き返していくと、森を出た。

 そして、町まで戻ると、近くにあるギルドに入る。

 ギルドはやはり数人の冒険者がいるが、朝と比べるとかなり空いていたので右端にいるブリジットのもとに向かった。


「おかえりなさい。どうでした?」


 ブリジットが笑顔で聞いてくる。


「そこそこ。それにしてもすごい森と湖だったわね」

「でしょ? 自慢の稼ぎ場所と観光地なんですよ」


 わかる、わかる。

 湖なんかリーエが夢中だったし。


「ちょっと滞在して、稼ごうかと思っているわ」

「お願いします」

「じゃあ、今日の成果ね」


 イレーネがそう言うと、リーエが3つの魔石と採取した薬草と毒切草をカウンターに置いた。


「オークが2でビッグボアが1ですか……すばらしいですね。早くBランクになってくださいよ」


 俺達のことを二重登録って思っているし、元Bランクって思っているな。

 イレーネは合ってる。


「上げてよ」

「上げたいですけど、規定があるんですよねぇ……いっぱい仕事をしてください。あ、それと薬草と毒切草もありがとうございます。大変助かりますよ」

「得意だし、良い気分転換だったわ」


 ちょっと腰が痛いけどな。


「では、精算をしてきますので少々、お待ちください」


 ブリジットが魔石を持って、奥に行く。


「カードを要求しないってことはランクアップはなしか」

「さすがに上がらないでしょ。昨日、Dランクになったばっかりよ?」

「まあな。しかし、ランクアップの基準を教えた方が冒険者のモチベーションアップに繋がらないか?」


 目標がある方が頑張れる。


「単純な加点方式じゃなく、表に出せない基準があるんでしょ」


 マイナスがあるのか……

 アイリーンが依頼主と揉めたら評価が落ちるって感じだろうな。


「今のところ、俺達にマイナスはないよな?」

「ないと思う。最速最短で来ていると思うわ」


 俺達が話をしていると、ブリジットが戻ってきた。


「お待たせしました。オークの魔石が10万ソル、ビッグボアが7万ソルになります。それと薬草が6000ソル、毒切草が1万4000ソルで合計19万ソルになります」


 ブリジットがトレイを置いたので金を受け取る。


「どうも」

「明日も森に行かれますか?」

「そのつもりよ。今日はこれから図書館に行くけど、明日はフルだと思う」

「わかりました。当ギルドは朝の6時から8時、夕方の17時から18時は大変混み合いますので注意してください」


 確かに朝、多かったな。


「ええ。了解。じゃあ、またね」


 俺達はギルドを出た。


お読み頂き、ありがとうございます。

この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と思ってくださった方はブックマーク登録や↓の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』に評価して下さると執筆の励みになります。


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【新作】
終末世界の帰還錬金術師 ~日本に戻ったら人類と悪魔が戦争をしていましたが、異世界で勇者になれなかった俺達はスルーして適当に生きたいと思います~

【予約受付中】
~書籍~
最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜(2)

【新刊】
~漫画~
その子供、伝説の剣聖につき(1)
web版(カクヨムネクスト)はこちら

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~(1)
35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~(2)

左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(1)

~書籍~
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(1)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(2)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(3)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(4)

覇王令嬢の野望 ~絶対平和主義の少女に転生した最強女帝の帝国再建譚~(1)
web版はこちら

宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~(1)

【現在連載中の作品】
スマホ転移で始める異世界ゆるゆる生活 ~日本の商品が高値で売れたのでスローライフを目指すことにしました~

魔法なき世界の異端魔導士 ~冤罪で捕まりかけた大魔導士は異世界で自由気ままに人生をやり直すことにしました~

元暗部の英雄、再び暗躍する ~娘のために正体を隠して無双していたら有名になっちゃいました~

宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~

その子供、伝説の剣聖につき (カクヨムネクスト)

週末のんびり異世界冒険譚 ~神様と楽しむ自由気ままな観光とグルメ旅行~

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~

バカと呪いと魔法学園 ~魔法を知らない最優の劣等生~

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜

【漫画連載中】
その子供、伝説の剣聖につき
コミックグロウル

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~
カドコミ
ニコニコ漫画

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~
ガンガンONLINE

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜
カドコミ
ニコニコ漫画

【カクヨムサポーターリンク集】
https://x.gd/Sfaua
― 新着の感想 ―
長期連泊なら宿賃見直しイベ欲しいかもね 命の恩人なら1月でもいいけど。
石なんか切り出してどうすんた? と思ったけど違う石切だったw イレーネとリーエが競争したら対岸の人が驚く奴
〉湖なんかリーエが夢中だったし。 〉石切りしたいです 草
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ