表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法なき世界の異端魔導士 ~冤罪で捕まりかけた大魔導士は異世界で自由気ままに旅をします~  作者: 出雲大吉
第3章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

103/126

第103話 (意味深)です


 部屋に戻った俺達は順番に風呂に入る。

 そして、最後に俺が上がると、テーブルでトランプを始めた。


「好感の持てる男とわかりやすい女だったな」

「私はロビンさんの鈍いところが評価できませんね」

「本当に気付いていないのかね?」


 昔からそういう恋愛系の話を見て、常々思っていた。

 いや、気付くだろって。


「ヴェルナー様は勝ち組になられましたが、それより前だったらわからないんじゃないですか? いきなり綺麗な人に言い寄られたらどうです?」


 うーん……


「なんでって思うな……罰ゲームかなって疑ってしまうと思う」


 自分に自信がなかったから。


「そういうケースもあると思いますよ」


 なるほど……


「まあ、あれはどちらかというと、関係性が近すぎるせいじゃないの? アイリーンも気付いてって感じだと思うけど、関係性が壊れるのが怖くて口に出すのが怖いんでしょ」


 幼馴染の王道パターンだ。

 漫画で読んだことある。


「その点、イレーネさんは行動派ですもんね」

「あなた、絶対に起きてたわね」


 多分、イレーネを救出して、キスした時の話だと思う。


「しかし、イレーネ、最初は嫌な顔をされてたな」


 アイリーンは愛想の良い子だと思う。

 でも、最初はイレーネを見て、そっけなかった。


「あの子、すごいわ。絶対に嘘がつけない」


 顔を見ればわかるもんな。


「やはりアイリーンもBランクか?」

「どうだろ……正直って好感も持てるけど、トラブルにもなりやすいからね。Cランクもありうると思う。それでも強いのは確かだと思うけどね」

「確かに魔力は高かったが、イレーネの目から見てもそうか?」


 イレーネはまだ魔力感知ができていない。


「雰囲気が強者だった。それに武器が弓オンリーだったでしょ。前にも言ったけど、弓オンリーってないわよ。パートナーをよほど信頼しているし、自信もあるんでしょう」


 弓は接近されたら厳しくなるってやつだ。

 イレーネも最初は弓オンリーだったが、すぐに剣を持ったって言っていた。

 もちろん、ソロだったこともあるが。


「ロビンの方はどうだ?」

「あれは堅実ね。真っ当に強いタイプよ」

「馬も持っていましたし、稼げているんでしょうね」


 羨ましいね。

 多分、以前の俺だったら好意を持たれている幼馴染がいることも相まって、嫉妬マックスだったと思う。


「王都で会えるかね?」

「多分ね。まあ、トラブルになる感じではなかったから良いでしょ。逆に知らない土地だから教えてほしいものよ」


 まあな。

 昨日の缶詰を渡したやり取りを見てもロビンはわきまえている。

 アイリーンもわかりやすい。


「さて、リーエ、明日は何時出発だ?」

「ゆっくり行っても大丈夫なようですし、8時に出ましょうか」


 俺とイレーネは『ゆっくり行っても大丈夫』に笑顔になり、『8時に出ましょうか』でちょっと暗くなった。


「そうね」

「まあ、8時なら……」

「普通ですよ。そういうわけで手繋ぎタイムは明日の馬車にしてください」


 魔法の練習タイムな。


「あ、そうそう。そろそろクリアダストを教えてよ」

「良いですよ。明日、教えましょう。そして、これができるようになったらいよいよ攻撃魔法です」

「攻撃魔法なの? ミスディレクションとか回復魔法が良いんだけど」


 まあ、便利なのはそっちだ。


「順序がありますから。ミスディレクションと回復魔法はちょっと難易度が高いんですよ」


 ちょっとね。


「そっか。じゃあ、攻撃魔法を教えてよ。なるべく目立たないやつ」

「わかってます。どうぞ」

「うん……ん?」


 リーエがひょいっと1枚のカードを上げると、イレーネがそれを引く。

 そして、苦い顔になった。

 ババを引いたらしい。


 俺達はその後もトランプをしていき、良い時間になったので就寝した。


 翌日、当然のようにリーエに起こされると、準備をし、チェックアウトした。

 そして、正面の定食屋で朝食を食べると、近くのパン屋でパンを買い、馬車に乗り込む。


「よし、行くか」

「天気も良いですし、れっつごーです」

「今日は私が操縦ね」


 イレーネが馬車を動かし、町中を進んでいくと、すぐに門を抜ける。

 天気も良いし、風も柔らかく、前方に広がる平野が綺麗で心地良かった。


「のどかで良いけど、魔物が出ないな」

「まったく見かけませんね。目的は王都に行くことですけど、儲かりません」

「焦らない、焦らない。儲かる時は儲かるし、休む時は休むべきよ。イレーネさんは逃げないから安心して」


 イレーネがそう言って、手を握ってきた。


「一緒に逃げたしな」

「そういうこと。リーエ、クリアダストを教えてよ」

「わかりました。と言っても実はそんなに教えることはないんですよ。汚れを浮かせ、どこかに捨てるイメージでイレーネさんはできます。そういうわけで実践です」


 リーエはムーブを使い、その辺に落ちている石ころを浮かせると、イレーネの前に持っていく。


「浮いてるけど?」

「イレーネさんは両手が塞がっているので仕方がありません」


 片手は手綱、もう片手も完全に塞がっているからな。


「これをさっきのイメージで綺麗にすればいいわけ?」

「そういうことです。いっぱい落ちてますのでいくらでも失敗して良いですよ」


 石ころだしな。


「よーし。あ、でも、リーエが疲れない? 物を浮かせ続けるって結構な魔力を使うでしょ」


 イレーネはまったく苦にしないだろうがな。


「問題ありません。イレーネさんと手を繋げてハッピーなご主人様と実はいつも手を繋ぎたい奥様のためです」


 そうなの?


「リーエも繋いであげようか?」

「親子になっちゃうので嫌です」

「それは私も嫌だわ。せめて、お姉ちゃん」

「では、お姉ちゃん、頑張ってクリアダストを覚えましょう。色んな場面でちょっと気になるなっていう時に使える魔法です」


 クリアダストは本当に便利だもんな。


「わかった。頑張る」


 イレーネが宙に浮く石ころをじーっと見始めた。

 なんというか……ちょっとシュールだ。


お読み頂き、ありがとうございます。

この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と思ってくださった方はブックマーク登録や↓の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』に評価して下さると執筆の励みになります。


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【新作】
終末世界の帰還錬金術師 ~日本に戻ったら人類と悪魔が戦争をしていましたが、異世界で勇者になれなかった俺達はスルーして適当に生きたいと思います~

【予約受付中】
~書籍~
最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜(2)

【新刊】
~漫画~
その子供、伝説の剣聖につき(1)
web版(カクヨムネクスト)はこちら

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~(1)
35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~(2)

左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(1)

~書籍~
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(1)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(2)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(3)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(4)

覇王令嬢の野望 ~絶対平和主義の少女に転生した最強女帝の帝国再建譚~(1)
web版はこちら

宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~(1)

【現在連載中の作品】
スマホ転移で始める異世界ゆるゆる生活 ~日本の商品が高値で売れたのでスローライフを目指すことにしました~

魔法なき世界の異端魔導士 ~冤罪で捕まりかけた大魔導士は異世界で自由気ままに人生をやり直すことにしました~

元暗部の英雄、再び暗躍する ~娘のために正体を隠して無双していたら有名になっちゃいました~

宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~

その子供、伝説の剣聖につき (カクヨムネクスト)

週末のんびり異世界冒険譚 ~神様と楽しむ自由気ままな観光とグルメ旅行~

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~

バカと呪いと魔法学園 ~魔法を知らない最優の劣等生~

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜

【漫画連載中】
その子供、伝説の剣聖につき
コミックグロウル

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~
カドコミ
ニコニコ漫画

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~
ガンガンONLINE

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜
カドコミ
ニコニコ漫画

【カクヨムサポーターリンク集】
https://x.gd/Sfaua
― 新着の感想 ―
ちょっと気になったんですが、馬車は操縦ではなく運転ではないでしょうか。 操縦というと、飛行機やロケット、船などを思い浮かべてしまいます。 地上を走る乗り物なら運転じゃないかなぁと。
クリアダスト:はたきの魔法、パタパタ♪
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ