第12話
日曜日はとにかく暇だった。
時間が過ぎるのが遅かった。
義母の嫌味が特にうるさい日だったと思う。
でも私の耳には何も届かなかった。
この人の声を聞きすぎて耳が麻痺していたんだと思う。
耳には一応届いていたと思う。
でもそれは脳を通らず私から出ていった。
私はこの人のことも頭の中で何度も何度も追い詰めている。
料理中に小言を言われたら小さな鍋で作っている熱いお味噌汁を容赦なく頭から注ぐ。
苦しんでいるところに追い討ちをかけるように別の料理を作っている熱々のフライパンで殴る。
窓掃除中に小言を言われたら“どこが汚れていますか?”と聞き、粗探しをしている時に突き落とす。
食事中に味が薄いと言われたらお義母様の大好きなお塩の岩塩プレートで殴って差し上げますし、私に不快な視線を送るその目にはお醤油を飲ませてあげる。
最後に私が啖呵を切って家を出て行く。
玄関に飾られている義母の好きな小さなガラス細工を全部薙ぎ倒して。
頭の中でストレス発散をする毎日だ。
現実は何も変わらない。
明日は大丈夫。
明日は今日よりもいい日になる。
明日になれば、こんな扱いは受けなくなる。
明日になれば何かが変わる。
明日になれば。
明日になれば。
明日になれば。
毎日言い聞かせ続けたけれど、何も変わらない。
でも今日の私は違った。
明日は間違いなくいい日になる。
リンダくんに会えるから。
明日への期待だけが私を生かす。




