依存し続ける女
あなたはこう思ったことはないだろうか?
自分は必要な存在なのか
これは寂しがり屋の女性のお話
彼女は寂しがり屋であった。
いつも誰かと繋がっていたい。
そう、強く願っていました。
そんな彼女が唯一愛した一人のヒトが居た。
そんな彼女が唯一愛した一つのモノがあった。
それは今はどこにもいないであろう生涯唯一のヒト。
それは今は存在しないだろうあの店で手にしたモノ。
彼女はそのヒトと深く結ばれた。
彼女はそのモノで多くの人と繋がった。
最初に彼女はそのモノで愛したヒトを縛り付けた。
最初に彼女はそのヒトのアドレスをモノに書き付けた。
けれども、彼女は満たされることはなかった。
まだまだ足りない。
次に彼女の親友を友達を作り出していった。
次に彼女の親友を友達を登録していった。
それでも満たされない。
最後に彼女は多くのヒトとの繋がりを求めるようになった。
最後に見知らない誰かと、同じ職場にいるだけのヒト、ネット上のヒト、すれ違っただけのヒト。
そのヒトたちのアドレスを登録した。
ようやく、彼女は満たされただろう。
その数、優に万は越える。
それでも彼女はようやく満たされた。
しばらくした後、彼女はヒトを失った。
しばらくした後、彼女はモノに飽きた。
それでも誰かと繋がっていたい。
彼女はそう、望んだ。
彼女は新しいアドレスを手に入れた。
そのアドレス数はモノと同じく万は優に越える数。
彼女はそれらを手にした。
しばらくした後、アドレスの数は億に近づこうとしている。
しばらくした後、アドレスの持ち主は行方不明になっていく。
登録した順に行方不明になっていく。
それでも彼女は満足した。
ヒトよりも深く結ばれたのだから。
モノよりも深く繋がれたのだから。
アドレスの持ち主は二度と存在しない。
それでも彼女は満たされていく。
ある時は口の回りを紅くして家路につく。
またある時は何も食べてないはずなのに幸せそうな顔をして床につく。
そんな生活を続けてきた。
アドレス数は増え続け、けれども、持ち主は減り続ける。
そして、彼女は最初の頃より幸せになっていく。
彼女の家は常にカラスが飛び交っているが誰も気にとめない。
もう、気にとめるようなヒトは彼女の回りには存在しないから。
それでも彼女は幸せになっていく。
完




