祈り続ける女
あなたはこう思ったことはないだろうか?
神様こそが万能である
これは神仏に祈りを捧げた女性のお話。
この宗教が失われた世界で彼女は奇特な存在。
存在しない、神仏を信じている。
彼女は奇妙なモノであった。
宗教は失われた。
科学は進歩した。
ほんの少し時間を遡れば。
そこの世界は。
宗教が世界を牛耳り。
科学は世界に嫌われ。
そして、今。
宗教は人類に害悪を為す。
科学は人類に貢献を為す。
かつてのヒトは信じていた。
神様は完全無欠、欠点などない。
人類は地球上の中で愚かな生物。
この世界のヒトは。
神こそが最大の失敗作。
人類は神を越える生物。
そのような世界の中で彼女は生きて来た。
生まれるべき時を誤った。
彼女は人々に嫌われる。
それでも、彼女は祈りを続ける。
かつてのヒトは奇跡を信じていた。
『困った時の神頼み』
かつてのヒトはいつだって神に頼る。
神こそが絶対的だから。
彼女も信じる。
彼女以外のヒトは信じない。
少しずつ少しずつ。
彼女以外のヒトは集まってくる。
神を信ずるヒトならずモノを壊すために。
少しずつ少しずつ。
それでも、確実に大きな存在となってくる。
少し前までは、彼女は耐え忍んできた。
しかし、それはもはや叶わない。
彼女の身はボロボロになっていく。
それでも、彼女以外のヒトは止めない。
それでも、彼女は祈りを続ける。
祈りが通じたのかは分からない。
ただ、彼女の目の前に『なんでも叶えます』の看板が見える。
彼女は願う。
そこにいた白い装束を身に包んだ神主らしき店長に。
今は存在しない。
神主らしき店長は哀しそうな顔をしている。
身に包んだ衣服一式を全て彼女に与えた。
まるで着ろと言っているかのように。
彼女はそれに従う。
奇妙なことに簡単に着ることが出来た。
突然、目の前がぼやける。
彼女は恐怖を感じ祈りながら目を瞑る。
しばらくすると、辺りから歓声が聞こえる。
そこは違う世界。
彼女は懐かしく感じた。
店の中で神主は何らかの記録をつけていた。
その内容は読み取れないが、表情は読み取れた。
先ほどの哀しそうな顔は消え失せ、口が顔の端から端まで裂けていた。
完




