描き続けた男
あなたはこう思ったことはないだろうか?
自由に表現したい
これは人生を絵画に捧げた男性のお話。
彼はヒトの核心を描くのを好んだ。
それはかなり残虐な表現で描かれていた。
誰からも愛されない。
それでも、彼はヒトの核心を描くのを止めない。
やがて、彼の名前が知れ渡る。
ヒトを毛嫌いする画家。
最低な表現を好む変わり者。
あいつの絵は呪われている。
買ったヒトが忽然と消える。
様々な悪口が飛び交う。
それでも彼は描くのを止めない。
そうして、しばらくした後。
一人の絵画商人が彼を訪れる。
彼は当たり前のように商人に売る。
商人も当たり前のように絵を買う。
ヒトに嫌われる絵を当然のように買う。
また、しばらくした後。
彼は有名になる。
彼が描く絵は教訓になる。
彼が描いた絵を飾ったら犯罪が急減した。
泥棒に入られたが、盗られなかった。
相手が懺悔してくる。
様々な噂が飛び交う。
それでも彼は気にせず絵を描き続ける。
また、しばらくした後。
彼の絵を持つ事が一種のステータスになる。
人々は殺到する。
彼は気にせず絵を描き続ける。
彼は人々の変わりようを絵に表現する。
醜い自らの姿を描いた絵を人々は買い求める。
少しずつ狂い始める人々に彼は気にせず絵を描き続ける。
そうして、幾年が過ぎた。
彼は描く。
人々は狂う。
彼は描く。
人々は狂う。
彼は描く。
人々は狂う。
やがて、誰かが、気付く。
狂った人々の原因に。
そうして、広まる。
彼の絵画を燃やす。
彼は初めて嘆く。
最後に自らの絵画を燃やす人々の狂気の姿を描く。
その、姿は、ヒトではなかった。
彼は完成した後、忽然と消える。
そこに居たのはただ一人。
絵画商人。
彼が使った絵筆を手に持ち、ただ、笑う。
決して、自ら個展を開かなかった彼は永遠に姿を現さない。
完




