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『閑話休題』
私は絵を描き終えた。
そこには、雑多なモノが蠢いている。
眼がない女性は大車輪を守護するモノへとなった。
物に宿る魂はその姿を見て奇妙な嬌声をあげる。
力を愛した男性は獅子を飼い馴らそうとしている。
ヒトの魂は何もない世界を漂いながら何もないところに命令を下そうとしている彼を観た。
すべてを脱ぎ捨てた女性は、仮面を脱ぎ捨て、そこには何もなかった。
顔なしの女性らしきヒトに仮面を向けては外し、向けては外し、愉しそうに遊んでいる。
豪奢な椅子に座す男性は眼前の二人のヒトの問いの答えを求め続ける。
その無機質なモノは冷たい砂嵐の音を響かせ、役立たずのヒトを追い込んでいく。
木に成った筈の女性は、馬に跨り、目に入ってくるモノを殺戮し続ける。
死を司る神は、馬に跨る女性の前に立ち続ける。
ようやく、これらを含めて22枚出来上がった。
絵の中には沢山のモノが縦横無尽に動いている。
一見、奇妙で、気味が悪い。
けれども、何処か愛おしくも思える。
私は、それらを、縦に引き千切り、暖炉の中に投げ込む。
奇妙な、悪声、叫声、怨声、訛声、哭声。
それらが零れ堕ちてくる。
私は、揺り椅子に座り、恍惚と聴き入っていく。
眠い眼を擦りながら、次の実験を愉しみに、この奇妙な音の流れに身を任せ、ゆらりと椅子を揺らしていく。




