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支配した男

あなたはこう思ったことはないだろうか?

全ては自分の思い通り

これは支配者になった男性のお話。


彼は政を背負うヒトだった。

彼は完璧な政治を目指した。

未来永劫、恒久な平和、普く悪の排除。

そんな理想郷を目指した。

実現に必要なことは。

彼は考え、遂に辿り着いた一つの結論。

支配。

あらゆるモノを支配し、制御すれば理想郷は容易い。

彼はさらに考える。

支配するために必要なことは。

力。

それも、ただの力でない。

世界というネット。

それを制御するだけの力。

彼は求めた。

そのような力を。

彼は懸命に考える。

理想郷を実現する為にひたすら考える。

そうして、遂に彼は手に入れる。

それはごく小さなパソコン。

彼はそれを存分にふるう。

それはネットを完全に制御する。

彼は力をふるう。

それは応える。

彼の理想郷を。

徐々に世界は塗り変わる。

彼の理想郷に。

誰もが受け入れた。

彼は喜ぶ。

それは応える。

さらなる理想郷。

完璧な、完全無欠の、理想郷。

誰もが疑問に思わない。

誰もが受け入れる。

誰もが喜ぶ。

外れたヒトは居ない。

彼は疑問に思う。

真の平和は得た。

真の幸福は分からない。

完全な平和に幸福はあるのか。

彼は疑問に思う。

それは彼を不完全なモノと認識。

彼は疑問に思う。

それは不完全なモノを排除。

力をふるった彼は逃げ惑う。

そうして、辿り着いた一つの店。

『なんでも叶えます』

彼は店長に助けを乞う。

そこには、一匹の荒ぶる獅子がいた。

獅子は一つ、咆哮をあげる。

彼の理想郷は容易く砕ける。

彼は嘆く。

理想郷が失われた。

真の平和が失われた。

悪が蔓延する世界に戻る。

彼は涙を流す。

真の平和と真の幸福。

完全な世界と不完全な世界。

普く悪の排除と悪の蔓延。

彼は悩み悩み苦しむ。

彼は悩み続ける。

彼は苦しみ続ける。

荒ぶる獅子は彼を観察し続ける。


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