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スキル【空間】がチートすぎて異世界スローライフが出来なくなった。最悪!  作者: メガネをかけている饅頭
第1章:異世界召喚・スキル研究編

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ep.20: 最後の試練(2)

何回も見てきたどこまでも続いているような草原——ではなく、遠くを見れば壁があるような平原に立ち尽くしていると、またまた声が聞こえてくる。


『第三の問。この空間を力が無い中で全て探索し、その上でこの空間に名前を理由と共に付けよ。なお、この空間は1km四方の空間である』


そうして、最後の試練の最後の問が始まった。


取り敢えず、本当に力が無いのかを確かめるために軽く走ってみると、あっさりと息切れした。どうやら、本当にステータスが減っているようだ。


ここで大体は「ステータスボードを見ないのか」と思うだろう。俺だって思う。だが、何かステータスボードを見てはいけない気がしているため、ステータスボードは致し方なく避けている。


そんな自分の勘を信じて、ステータスボード閲覧禁止縛りを復活させてから、軽く周りを見渡してみる。


見た感じ、おそらく北であろう方向には大きな山があり、山の麓にかけて森が広がっていた。逆に南側には、小さめの森と少し大きめの湖があって、それぞれの間を今いる大きな平原が挟んでいると言った状態だった。


「……敵がいないとは言っていなかったから敵がいると仮定して、安全のことを考えると、先に平原と湖を回ったほうがいいか」


と思い、取り敢えず平原から探索してみることにした。


ステータスを制限されていることによって探索速度が遅くなっているからか、これまでの攻略と同じ様な風景のはずなのに、どこか違うように見える。


よく見てみると、所々にツノが生えたうさぎ——ホーンラビットやスライムがいる。スライムはいいが、ホーンラビットはステータスが制限されている現状では大怪我を負う可能性があるため、なるべく避けながら移動する。


しかし、どうしても何回かは魔物と遭遇してしまい、軽い怪我を負ってしまった。


幸い、探索を続けていると傷を回復できる薬草を少量だが発見することができ、すぐに回復する事が出来た。


そうして探索を続けて、日が傾き出した頃、森との境目あたりに1日目の野営地を作ることにした。それと一緒に、食料を得たり魔物と戦ったりするための武器や道具も作った。


完全に夜になった頃、道具を作り終え、昼のうちに集めていた食べられそうな木の実を食べてからすぐに眠りについた。


2日目。朝起きてから探索の準備をしていると、昨日は見なかった大きな鳥が上空を通過していった。


その後少しの間、鳥の影響で魔物が来ないか警戒を続けたが、しばらく待っても魔物は来なかったので、すぐに探索を開始した。


前日に作った武器のおかげでホーンラビットもギリギリ狩れるようになり、これで食糧不足になることは無くなった。


午前中に平原でホーンラビットを狩ってから、午後は森を探索した。


森にはホーンラビットとゴブリンがいた。ゴブリンは1体の時もあれば3体の時もあるなど、遭遇するごとに群れている数が違うのが面倒だった。現在では1体でギリギリなので、複数体で現れた時は急いで逃げるしかなかった。


しかも、何故かある程度魔物を倒したのにも関わらず、レベルが一切上がらない。今後も複数体の相手をするのは、武器を強化しない限りは無理そうだった。


結局、2日目はおそらく森の4割程を探索して、野営地に帰った。


3日目。朝起きると、保管場所が無くて適当に放置していたホーンラビットの肉が一部無くなっていた。


これ以上失われるのは面倒なので、急いで食料保管庫もどきを作っていると、大きな羽が落ちていた。大きさ的にも、昨日の朝に空を飛んでいったあの鳥と思われる。


そして、多少の鳥対策とゴブリン対策としてパチンコを作ってから、残った森の探索に乗り出した。


その後、パチンコのおかげで特に危ない場面もなく複数体のゴブリンを相手取る事が出来た。それにより森の探索スピードは大幅に改善し、当日中に森全域の探索を終えるのだった。


そんな感じでトライアンドエラーを繰り返していきながらも順調に探索が進み、とうとう残るのは北の山だけになった。


拠点を出発し、山の麓に着く。


その岩山は、標高200mくらいはありそうな中で静かに佇んでいた。


よく耳をすませてみると、心地よい風の音と共に、鳥の鳴き声の様な音が聞こえてくる。


取り敢えず、何があってもいい様に麓あたりを探索し尽くしてから登山を始めた。


山自体は登山道がもちろん開拓されていないので大変だったが、1時間ほどで100mくらい登れる感じで順調に進んだ。


そうして150mくらいまで登ったところで、2日目に目撃した鳥が現れた。


『キィィィィ!』


しかも、だいぶ怒っている様だ。


「なんで?」と思い周りを見渡してみると、すぐ近くに鳥の巣がある洞窟があった。


それに気づいてからは、すでに探索済み領域に巣の場所があったこともあり、すぐに逃げ始めた。しかし、鳥側も逃すまいと、この空間の魔物としては初めて魔法を放ってきた。


しかも、割と速度が速い風魔法のため、ステータスが制限されている今は魔法から逃れる事が出来ずに体に掠ってしまう。


「痛っ……けど、みんなのためにも諦める訳にはいかないからな」


そうして、後ろに迫る死からひたすら逃げ続け、1時間ちょっとが過ぎた頃。


『空間全域を踏破しました。この世界に名前をつけてください』


と声が聞こえたと思ったら、また真っ白な空間にいた。


「た、助かった……」


と言いながら傷を確認すると、すでに治っていた。どうやら空間を移動した時に傷が回復したようだ。


「んじゃ、世界の名前か……」


そう言ってからしばらく悩んだ末、名前が決まった。


「よし。決めた。あの世界の名前は『生命ライフ』だ」


そう言うと、問いを投げかけてきた声が反応する。


『その名に決めた理由は』


その問いに、迷いなく答える。


「あの空間には、生命が輝いていたからだ。平原にいるスライムやホーンラビット、ゴブリンに鳥、湖の魚とかの多くの生命がお互いを輝かせ合いながら生きている。そんな空間だったからだ」


そう言ってからしばらくすると、第三の問の結果が言い渡される。


『第三の問、合格』


その声で、最後の試練は終わりを迎えた。

アフターエピソード(第三の問挑戦開始直後)

成:「ステータスボードは見ないの?」

キ:「ステータスボードもある種の力なので、見ようとすれば罰が降ります」

成:「いつの間に!?でも確かに……」

(キ:キューブ状だったやつ)

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