ep.19: 最後の試練(1)
短いです。
修正履歴
2026/7/5:何回目かのタイトルなかった問題の修正。最近ガバが酷い……
ドラゴンが仲間になった。
それはいい。いいのだが、一つ問題があった。
ドラゴンのサイズ、でかすぎじゃね?
そう、なんとドラゴンたちは体長が5mくらいもあったのだ。しかも創世龍はその倍の10mもある。
これが何かのラノベとかならよかったのかもしれないが、今は現実である。普通に攻略の邪魔になる気しかしなかった。
「なあ、お前ら、大きさを小さくすることってできない?」
「できると思うぞ?」
「じゃあやってみてくれ」
そう言うと、体長2mくらいまでに小さくなった。便利だな。
「うん、そのくらいなら攻略の邪魔にならないだろ。じゃ、お前ら今日から修行な」
ということで、これまでずっとテイムしたまま放置していたドラゴンたちが修行に加わった。「終わった……」とどこからか聞こえた気がするが気のせいだろう。ちなみに、創世龍の名前は『万』になった。
そうして、ひたすら【意思の試練】を攻略しつつ成都さんや宵とドラゴンたちの修行をする日々はどんどん過ぎていき、遂に1億層にたどり着いた。
1億層に入ると、そこから既に他の層とは全く違っていた。
まるで宇宙にいると錯覚させられるような景色の中で物理法則があるようでないのか、所々に足場になりそうな岩などが浮いていて、時々新たな岩が生成されているような、これまでに全くなかった幻想的な景色がそこにあった。
「綺麗だな……」
といった感じで、1時間くらいは景色を眺めていたと思う。
そんなに同じ位置に留まって大丈夫なのかと思うが、探索を進めると敵と1体も遭遇しなかった。それどころか、敵の気配すらない。
そのまま、1億層を攻略するために探索していると、いつの間にか浮いていた物が岩から草の生えた土になっていた。
さらに進み続けると、草の生えた土から炎が燃え盛る岩になった。それはまるで、これまでの軌跡を描いているようで、どこか懐かしくて寂しそうな感じがした。
そのまま進み続けるとその見解で合っていたのか、浮くものがこれまでに辿った層の特徴とも言える物に変わっていく。そして、最終的に最初の岩に戻ったところで、手にはチケットを持っていた。
それに気づくと、すぐにステータスボードが現れる。
『【意思の試練】を創りし者より、最後の試練への招待状が届いています。挑戦しますか?
Yes / No
※この招待は一度きりであり、無事にクリアすると追加報酬が支払われます。
「どうする?」
「私はご主人様の自由にするべきだと思います」
「私もそう思う」
「これは行った方が主の為になると思うぞ」
ということで受けることにした。みんなも仲間にしたときより何倍も強くなっているし、大丈夫なはずだ。
そうして、Yesを押すと目の前の扉が開いた。
既に覚悟を決めているのにまた覚悟を新たにするのは何か違うと思い、そのまま入る。
すると、そこにあったのは四角いキューブ状の真っ白な物体だった。そのまま近づいて行くと、10mくらいの距離になったところで物体が反応した。
「招待状の所有者及び従魔を確認しました。挑戦条件達成の可否を確認中……確認しました。挑戦者情報を照合中……確認しました」
そういうと、キューブ状の物だった存在は人型になり、やがて銀髪美少女の姿になった。
「渡里様、最後の試練へようこそ。これより、この試練でのルールを説明します」
そうして、試練の説明が始まる。
「まず、この試験は必ず渡里様お一人で受けていただきます」
一部の従魔から抗議の声が上がるが、そのまま続ける。
「もちろん、従魔の皆様は離れたところからであれば見学が可能です。ただし、何らかの方法で挑戦者に支援等をすると失格となるのでお気をつけください」
これで一部の抗議の声は止んだ。
「次に、この試験ではスキルや実力が一切封印されます。そのため、急激な倦怠感が来るかもしれませんが、あらかじめご了承ください」
「最後に、この試練に失敗した場合はスキルを封印された状態でフロアボスとのバトルに直接飛ばされます。逆に成功した場合は、フロアボス討伐報酬に加え試練成功の追加報酬を獲得できます。また、フロアボスに挑戦するかの選択権が与えられます」
「最後に、意思の試練は3つの問を問われます。絶対に正直にお答えください。嘘をついた場合は、その時点で失格となります」
「それでは、意思の試練をお楽しみください」
そう聞こえたのを最後に、気付けば俺は何度目かの真っ白な空間にいた。
「どこだここ」
周りを見渡す。ただ真っ白な空間が広がるだけで、何もない。
と思ったら、声がした。
「第一の問、汝は何のために強さを求め、何のために使うか」
少しだけ考えたが、答えはすぐに固まった。
始めは、大切な幼なじみと親友を守るためだった。だが今は、成都さんやテイムした仲間達など、守りたいものが増えた。それなら、答えは決まっている。
『大切な人や物、居場所を守るために力を求め、それを守り続けるためにこれからも力を使う。それだけだ』
『……第一の問、合格。では、第二の問だ。汝は大切な仲間と居場所を失い欠け、どちらかを救うために選択を迫られている。どちらを選ぶか、理由と共に述べよ』
これも、回答が決まるまで長くはかからなかった。
「考える間もなく仲間だ。居場所は頑張りによって作り直せるが、仲間は失えば2度と戻らない。だから仲間を救う」
『……第二の問、合格。それでは、第三の問に移る』
そう聞こえると、いつの間にか真っ白な空間は広い平原になっていた。
そっと界に風が当たる。
その風はまるで、これから来る苦難を示しているようだった。
アフターエピソード(超短め)
問に答えているとき
一同:格好いい……
その後、名言発言が流行ったとか流行っていないとか。




