ep.16: 従属契約(テイム)
投稿が送れてしまい申し訳ありません。
今後もこのようなことがあるかもしれませんが、何卒ご容赦ください。
「……なんでボスエリア外の木も倒れてるんだよ」
フロアボスとの激闘から数時間後、界は1人ボスエリアの外でおそらく創造魔法であろう魔法を使いながらフロアボス戦の後片付けをしていた。
ステータス閲覧禁止縛りは未だ継続しているため、今の総魔力量は分かっていないが、少なくとも1億年くらいは魔力切れになったことがないので遠慮せずに恐らく使用魔力量が多い創造魔法を行使し続けている。
そんな便利な創造魔法だが、こちらもいつの間にか使えた魔法のため、詳細な情報が一切分からない。
ただ、今の界にとってはあまり関係がないため、放置しているのだ。
とまあ、話がズレてしまったが、界が何故か木が倒れていたボスエリア外を、成都さんとフロアボスが担当して片付けている。
ボスエリアとフィールドエリア(普段探索しているエリア)では当たり前だが広さが段違いなので抗議したのだが、「めっちゃ強いしなんとかなるでしょ」ということで強制的にやらされた。
実際やってみれば広範囲で修復できて、それなりに早く移動できたため、それほど苦ではなかった。
そうして、3時間ほどで全ての木を元に戻すことができ、ボスエリアの方に戻ると、既に夕方になっており、成都さんやフロアボスはもう少しでボスエリアの片付けが終わるところだった。
「終わったぞー」
『早いね!?』
「すみませんご主人様。こちらももう少しで終わるので少しだけお待ちいただけませんか?」
「んじゃあ野営の準備しとくね」
「ありがとうございます」
その後、5分くらいしてちょうど野営の設営が終わると、成都さんとフロアボスが一緒に来た。
『こっちの片付けも終わったよー』
「お疲れ」
「ボスエリアだけでも倒れていた木の数が物凄いことになっていました……」
それはごめん。
『いやあ、ほんとに大変だったよ。これくらい作業の原因も量も酷いのは初めてだよー』
ごめんって。
『んじゃあ、今日の並列茸はとんかつってやつの味にして』
「分かった……って、なんで豚カツ知ってるの?」
『あれ?言ってなかったっけ?』
「何を?」
『私の精神攻撃、当たった人の記憶が見れるんだよ。だからとんかつのことも知ってるよ?』
初耳だわ。てか、それ割とやばくね?
「……それ大丈夫なのか?」
『……何が?』
「何がですか?」
「いや、俺10億年は生きてるからとんでもない記憶量じゃないのか?」
そう心配して確認したら、帰ってきた回答はあっけらかんとしたものだった。
『いや、観る記憶は自動で役に立ちそうな物だけに選別してくれるからその心配はないよ?』
「ならいいんだけど」
『ということで、とんかつ味をよろしくね!』
「おーけー、まあこの空間出た後に作れそうだったら実物も作るよ」
『おぉ!それは楽しみだ』
といった感じで、心配事も杞憂で終わり、並列茸の加工をした。とはいってもそれ自体はすぐに終わるため一瞬で作業は終わったが。
「「『いただきます』」」
しっかり豚カツ味だった。
◆
『そういえばさー』
「どうした?」
『私の名前って結局何なの?』
「「あ」」
『……え?もしかしてだけど、忘れてた』
「イ、イヤ、ソンナコト、ナイ、ヤ」
『……考えてなかったんだね』
「ごめんって。すぐ考えるから」
と言うことで名前考案大会が始まった。
「フロアボスの名前何にする?」
「とりあえずいくつか候補を出してそこから選んで貰う形にしませんか?」
『それいいね!採用!』
「んじゃあアイデアを叶と出すからちょっと離れて待ってろ」
『え、私に選んで貰うんじゃないの?』
「いや、候補は知らない方が楽しめるだろ」
『確かに。じゃあちょっと離れて待っておくね』
あれ?もしかして以外とちょろい?と思ってしまった。そして、フロアボスが離れたことを確認してから2人で名前を考え始める。
「んじゃあどうしよ」
「んー灰色がかった髪から取りたいですね」
「んじゃあ灰とか?」
「それは単調すぎません?宵のほうが良くないですか?」
「急いでって言ってしまったし、あと一つくらいで言いか」
「何か言い案ありますかね……?」
「んー……、あ、星雲とかは?」
「よし、それでいきましょう」
「あ、でも一応異世界風の名前も一つくらいあった方が良くないか?」
と言うと、成都さんもハッとした感じで賛同する。
「そうですね……じゃあ、クウドとかはどうだすか?」
「クウド?」
「クラウドからとりました」
「まあ、それで良いんじゃね?」
と言うことで、灰、宵、星雲、クウドの4つで決めて貰うことにした。フロアボスにもう来て良いと言うと、凄い勢いでこっちに戻ってきた。
『良い候補が出た?』
「まあ、多分良い候補が出たぞ」
「そうですね。良い候補が出ました」
『じゃあどんな名前?』
と言うことで、少し自慢げに名前候補を教える。
「灰、宵、星雲、クウドだ」
『灰とクウドはまだ分かるんだけど、よい?せいうん?ってどんな意味なの?』
「宵が確か日が暮れ初めてすぐの時間のことで、星雲が宇宙で星が出来る前のガスだったような」
『うちゅうってのが良く分からないけどどっちも良さそうな名前だね』
「まあ急いで考えたからあんまり良い名前ではないかもしれないけどな」
というと、フロアボスは『うーん』と言いながら考え込んでしい、また話し始めたのは数分が経ってからだった。
『よし、決めた!』
「お、どれにするんだ?」
『ここは格好良さを取って宵にするよ』
「宵か……」
『なんか嫌そうだね』
「いや、灰に未練があるだけだから……」
『まあ、結果オーライってやつだよ』
「これからよろしくお願いします。宵さん?」
『宵でいいよ!それと、1つ界にやって欲しいことがあるんだけど』
「ん?何だ?」
『今はまだ正式に従属してないから、私をテイムして欲しいんだ』
「それってどうやるんだ?」
『あ、私が言うセリフをそのまま言って貰えば自動的に出来るよ』
と言うことで、正式に宵をテイムすることになった。隣で成都さんが「呼び捨て……」と言っていた気がするが、詳しく聞こえずその真偽は分からなかった。
『それじゃあ、今から言うことをそのまま言ってね』
「分かった。いつでも良いぞ」
『我はこの先を従魔と共に歩み続けることをここに誓い、永続的な契約を結ばん』
「我はこの先を従魔と共に歩み続けることをここに誓い、永続的な契約を結ばん。そして、神の名の元に何時いかなる時も1番の仲間として信じ、万人の為に在ることを誓う」
そう言うと、フロアボスと界が勢い良く光だし、一瞬で見えない程まで明るくなった。
そして、しばらくして光が収まると手の甲に綺麗な紋様が浮き出ていた。
「これでいいのか?」
「従魔紋が出てるから良いはずだけど……こんな紋様じゃなかったはずだし、そもそも私が言った部分だけで良かったんだけど」
「え?なんか言ったら言葉が脳内に出てきたから言ったんだけど……まずかった?」
「いや、そんなことはないはず!」
「じゃあ、一体今のはなんだったんでしょう……?」
そうして、宵の従属契約は大きな謎を残して終わったのだった。
アフターエピソード
宵:「創造魔法が使えるなら普通にご飯を創らないの?」
成:「前にそう思ってやってもらったんですけど、何故か無味無臭だったんですよね」
界:「あの後ダンジョンが吸収するように放置したよな」
宵:「……今回の片付けもそれを待てばよかったんじゃない?」
界・成:「……」
アフターエピソード関連ですが、ダンジョンは午前0時に新たにある異物(食品等)を吸収すると同時に、壁や木などの構造物の損傷を修復します。ただし、寝泊まりに使う野営の設備などは何故か吸収されません。また、モンスターは討伐されてから5分毎にリポップします。話がだいぶズレますが10000層のボスエリアは森の中にポツンとある広場と広場の周りに軽く森が広がっている感じです。
どうやってフロアボス——もとい、宵は過ごしていたんだろう?
補足
従属契約をしたあとから宵が『』ではなく「」になっているのはミスではなく仕様です。『』はフロアボスなどの特別な存在が話すときに使用されますが、従属契約により界の従魔になったことで特別な存在ではなくなった為、「」になりました。




