ep.10 : 修行を始めてから悠久の時が経過した
修行を始めてから10万年が経過した。
とりあえず10万年の成果を報告したいが、今修行を始めた頃に自分が思っていた最強の自分(?)の仮想敵と戦っているので後で報告させてほしい。
とりあえず10万年で創り上げた我流の剣術で一発当てることを狙うが、動こうとした瞬間に相手もこちらの動きに合わせてくるので、攻撃ができない。
そんな膠着状態がしばらく続き、先手を打ったのは界だった。
『渡里流剣術:瞬斬』
総技の名前を言ったときには、既に界は仮想敵の目の前にいた。
瞬斬は、撲滅の刃に登場する撲滅一閃と似た技だが、それよりももっと早く、もっと一瞬でというコンセプトで編み出した技だ。
しかも、撲滅一閃とは違い曲がったりすることも出来る。その速度がどれくらいかは速度計がないので分からないが、曲がったりするのにはとても苦労した技だ。
そんな苦労があった瞬斬を、仮想敵はそれに合わせた動きをし界の攻撃をいとも容易く受け止める。
しかも、すぐに反撃を行ってきた。
ただ、界はその速さに対応しきれず攻撃を食らってしまう。
そうして、今日の試合も界が負けた。
「やっぱあいつ強すぎだろ…。何回やっても勝てる気がしないわ」
と言ったが、とりあえずこの10万年の進捗を報告しておこう。
まずは、課題だった体のコントロールが完璧にできるようになった。もちろん武器を持った状態でもだ。
後なんか筋トレ続けたおかげで体格が良くなった気もする。これはそんなに影響なさそうだけど。
次に、並列茸の効果が効かなくなっていた。多分ずっと食べているうちに体制でも獲得したのだと思う。まだステータス見ないからわからないけどね。
そして、木刀をだいぶ使いこなせるようになった。そのおかげで渡里流という剣術を作れたし、技も普通に強いと思うのでありがたいことだ。ただ、まだ完璧というわけでは無いので研鑽は続けていくつもりだ。ちなみに、渡里流は5つの技がある。
それと、最近はあいつ(仮想敵)と戦っている。ずっと前から仮想敵事態との模擬戦はやってきて、あいつ以外の仮想敵は全部倒せたが、あいつだけは渡里流を以ても倒せていない。とりあえず今はあいつを倒すことが最優先となっている。まあ、そのせいでまだ魔法には手を付けていないけど。
とりあえず今はひたすら研鑽を続けるまでだ。
◆
修行を始めてから1000万年が経過した。
今は10万年経過時の課題だったあいつは剣術では雑魚同然になった。
100万年が経過したくらいで空間を切れるようになったのが大きいと思う。それに、素早さでもあいつを圧倒できるようになった。
1000万年が経過した今では、全く動かずに斬撃を繰り出したり、空間を斬ったり、一撃であいつを倒すことも出来るようになった。
そして、いい情報なのかはわからないが、この間で並列茸を育てることに成功した。
まあただあいつを倒せるようになってから暇になったので並列茸について研究していたら増やせるようになったというだけだが。
ちょうど並列茸の研究も終わったので、そろそろ魔法に手を出そうと思う。確か取得していたのは基本属性と上位属性の魔法だった。修行はじめに試した時以来一切使用していなかったから魔力も変わっていないだろうし、果たしてちゃんと修行できるのかは気になるが。
ちなみに、あいつを倒してから今も剣の研鑽は続けているし、渡里流は技が5から10に増えた。しかも、既存の技も素早さや空間を切ることが可能になったことで以前とは比べ物にならないくらい威力が増した。と言うか短距離だが転移している気もする。
まあ、空間を切れるようになったということは当然ダンジョンの壁等も斬ってしまい、最悪死んでしまうので、同時並行で手加減も練習していた。
とりあえず、並列茸は美味しい食べ物(最悪死ぬ食べ物)なのでたくさん栽培してためておこうと思う。
◆
修行を始めてから1億年が経過した。
前に言った魔力に関してだが、何故か大丈夫だった。おそらくだが、剣の修行中に転移をしていた(あの後ちゃんと転移したいた事が分かった。)時に魔力を使い切ったのか、何度も気絶していたので、それで魔力が増えていたのだと思う。まあステータス見ない縛りを続けているので予測であるが。
ただ、異世界物でも魔力を仕えば魔力を増やせるというのはあったりするので、おそらくそれだと思う。
とりあえず、前の報告から変わったことを言っておこう。
まずは魔法だが、結論から言うと全属性の全魔法が使えるようになった。そして、剣と同じくあいつが雑魚になった。
魔法の訓練をしていたらいつの間にか魔法についての研究にハマってしまい、その研究の実験で最終的に全属性を習得したのだ。後は普通に鍛えて全魔法使えるようになった。今は威力が上がったり消費魔力が下がるだけである。
そして、その研究から何故か魔法の原理や異世界についてなどの不思議を調べるようになった。
そうして調べていると、並列茸からエリクサーを作ることが出来ることが判明した。これで既に栽培の方法は分かっているのでエリクサーが無限化した。
市場にでも流したら間違いなく医療が超劇的に進化するだろう。まあいま元の世界に戻れないけど。
ちなみに、異世界についての方については順調とは言えない。まあ魔法の原理は理解したが。
それと、剣についてはもちろん研鑽を続けている。というか1000万年経過時で止めていたら普通にめっちゃ腕落ちてるだろ…
とりあえず報告はそれくらいだろうか?そろそろダンジョンの攻略を始めても良いかもしれないが、どうしても気になることは解決させたいタイプなので知りたいことが全て知れるまでは引きこもることにした。
と言うか1億年よりも引きこもっててもコミュ力ってやつは疾走しているだろうし、元の世界に戻るのもここ(【空間】)に来た30分後に戻ることになるので、結局は変わらないだろうというのもある。
とりあえず、攻略を始める時にまた報告しようと思う。
◆
引きこもりを開始してから10億年が経過した。
1億年経過時に攻略を始める時に報告しようと言ったが、あれに1つ訂正をさせてほしい。
それは、この報告からダンジョン攻略を始めるわけではないとういことだ。
もうちょっと詳しく言うと、異世界についてのことは全部知れたので、正直いつでも攻略に乗り出すことは可能なのだ。何なら暇すぎて現実世界についても調べてみたくらいだし。
ただ、攻略に乗り出す前に1つだけ使ってみたい魔法があり、それの影響で今すぐには攻略に乗り出さないから訂正したのである。
使ってみたい魔法とは、異世界でおなじみの召喚魔法である。全部の作品にはないがちょくちょく登場するくらいには知名度が高い魔法だ。
これまでこの魔法を使用してこなかったのは、使用した時にどんなやつが現れるのかが分からないのと、もし指示を聞かずに暴れたりした際に他のこと(最近は修行などを同時並行でしていた)をしていたりするため十分に暴走を抑えられる確証が無かったためである。
今の時期は研究も終わって暇なので、召喚魔法を試してみることにした。
魔法の原理を理解しているおかげでさっさと召喚魔法の術式を組み立てて、魔力を注げばいつでも発動できる状態にした。
ちなみに、魔法には属性などではない魔法の使い方による種類が2種類あり、1つがスキルなどで備わっている『汎用魔法』、もう一つが自分で1から術式を構築する『独自魔法』と言われる魔法だ。今回の召喚魔法は術式が無く、おそらく術式が備わっているスキルを保有していないため、独自魔法に分類される。
汎用魔法は最初から術式が構築されているため、魔力を注げばすぐに発動できる。一方で、術式を改造できないため、威力も使用魔力量によって差は出るが同じ魔力の場合は同じ威力となる。
一方で、独自魔法の場合は自分で複雑な術式を組み立てないといけないため負担がかかるが、その分術式の改造や新魔法の開発、工夫次第では低魔力で高威力を出すなんてことも可能である。ただし、術式構築や術式の開発をミスると術式が爆発してアフロが生まれたり、意図している魔法とは違う魔法が発動されたりと、それなりのリスクも伴う。
そんな独自魔法に分類される召喚魔法の構築が完了し、界は魔力を流し始める。
その時、術式に『在籍界』と書かれるはずの場所が『異世界』になってしまっているミスには気づかなかった。
そうして、構築された召喚魔法が発動する。がしかし、発動されたのは全世界が対象の召喚魔法だ。実質勇者召喚と同じようなものである。
召喚魔法が発動したことで眩い光が現れ、眩しさにより目を瞑ったのが収まった頃には、目の前に咲希やシーリアと同じような銀髪美少女がいた。




