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画材屋さんなんてところをスマホで探して、友弥はちょっと嬉しそうにえんぴつとスケッチブックを買っていた。
帰り道、それを大事そうに抱える友弥が、何かかわいく見えて、目が合った僕らはふふって笑った。
前を歩く真鍋先輩と透が何か二人で爆笑してる。
「まーくん、トランプ、ありがとね」
「何でもいいからさ、友弥が幸せって思えることがあるといいね」
「………うん」
ちょっと赤くなって、咳払いなんかしちゃってる。
本当にこんな友弥、初めてみたかも。
好きなんだね、木戸先輩のこと。
昨日、会ってたんだよね?
どこで何してたんだろ。
聞いたら教えてくれるかな?
聞かない方がいいのかな?
「クリパ、楽しみだね」
「うん。まーくんドキドキしてる?」
「そりゃするよー。いくらみんな居るからって言っても先輩の家にお泊まりだもん。友弥は?」
「………超ドキドキ」
「やっぱり?」
そしてまた、目を合わせてふふって笑う。
「ねぇ、友弥」
「ん?」
「昨日木戸先輩とどこ行ってたの?」
歩くスピードを、落として聞いてみる。
僕だけになら教えてくれるかなって。
真鍋先輩と透がどんどん離れて行く。
「………木戸先輩の家」
「本当に!?」
「来いよって、言われて」
「そうなんだぁ………」
友弥が、どんどん真っ赤になっていく。
そんな顔されるとこっちも照れるじゃん。
「その時に、絵を見せてもらったんだ」
「そっか………。良かったね」
「………うん」
いつの間にか僕が真鍋先輩を好きになっちゃったように、友弥も、そう、なのかな。
「おーい、早くしろよー」
「はーい」
「待ってー」
立ち止まった真鍋先輩と透が振り返る。
もうすぐ真鍋先輩の家に行くんだ。お泊まりなんだ。
ドキドキ、する。
何にもしないよ?何にもできないよ?みんな居るからね。ふたりきりじゃ、ないからね。
でも。でも、さ。
追い付いて、真鍋先輩の隣に並ぶ。
歩き出したその時に、そっと、手が触れる。
一瞬だけ、きゅって、指先を握られる。
驚いて真鍋先輩の顔を見ると、そこにはこめかみをぽりぽりしてる、姿。
でも、ね。みんな、居るけど、ね。
こんな風にそっと。気づかれないように。
僕も、同じようにちょっとだけ、真鍋先輩の手を、握った。
気づかれないように。こんな風にね。
真鍋先輩に、触れたい。
溢れちゃう好きを。
そっと、伝えたい。




