↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Led by cards  作者: みやぎ
PR
86/131

85

階段をのぼってくる母さんの足音が聞こえてきて、僕は慌てて部屋のドアを開けた。



お菓子と飲み物が乗ったトレイをありがとって受け取る。






大丈夫?僕、顔赤くないかな。






「こんにちは。おじゃましてます」

「真鍋くんいらっしゃいっ。ゆっくりしていってねっ。夕飯は!?どうする!?食べていく!?」

「あ、今日はもう少ししたら帰ります」

「あらーー、そうなの?残念。あ、明日は真尋をお願いねっ」

「あ、はい」






母さんがおりて行って、僕はトレイを机に置いて、ドアを閉めた。






ああ、びっくりした。






真鍋先輩が隣に来い、みたいなジェスチャーをしたから、僕は真鍋先輩の隣に座った。



コーヒーが入ったマグカップを真鍋先輩の前に置いて、ミルクティーのマグカップを自分の前に置く。






「ビビったな」

「……………はい」

「で、もうあったまった?」

「ええっ!?え?あ、うん………」






もう、寒いっていうより………。






顔や身体がまだ熱い。



でも。






でも。






「寒いって言ったら………また、してくれるの?」






真鍋先輩を、チラッて、見る。






「まーひーろー」

「え?」

「お前何なの?」

「何なのって?」






聞いた瞬間にがしって、今度は横から、つかまった。






「わわっ」

「何して欲しいって?」






耳許で言われて、また一気に体温が上がる。






もう、ダメだ。



くらくら、しちゃう。






やっぱりやめようって、身体を離そうと、したら。






「誕生日おめでと」






囁かれたあと、真鍋先輩の腕に、力が入った。






ドキドキして、嬉しくて、もっと触れたくなって。



少し身体を捩って、真鍋先輩にそっと、腕を伸ばした。






僕。



初めて、こんな風に、こんなこと………した。






「プレゼント、持ってきたんだけど」

「え?僕に?」

「そう」

「………嬉しい」

「離してくんないと取れないぞ」

「うん………」

「真尋?」






離れない僕に、真鍋先輩が優しい声で呼び掛けてくれる。



僕の髪に、真鍋先輩が、触れる。



目を、閉じる。






「もう少し」

「真尋?」

「もう少し、このままがいい」

「またお前はそうやって………」

「ダメ?初めてだから、僕、こういうこと。………もう少し。もう少し、だけ」






ああ、ドキドキしてる。



もう、どうにかなっちゃうんじゃないかっていうぐらい、僕はドキドキしてて。






「んなこと言われて断れるかっつーの」






真鍋先輩の。



優しい、優しい、声。






そして僕たちはしばらくの間。



ただただ黙って。






抱き締め合って、いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。