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「そろそろ、帰るか」
クリパグッズも買って、ブラブラして、お昼ご飯も食べて。
僕たちは電車に乗った。
もっと一緒に居たいけど。もっと真鍋先輩と。
でも、明日も明後日も会うし。
勉強もしなくちゃ、だよね?
自分にそう言い聞かせた。
何となくテンションが下がって、駅に着いてから無言のまま自転車に乗った。
「真尋」
真鍋先輩の背中におでこをくっつけてぼんやりとしてたせいで、呼ばれた声にびくってなった。
「お前んち、行っていいか?」
「…………今、から?」
「今から」
「いいの!?」
「いいのって何だよ」
「先輩忙しいかなって」
「全然。真尋は?何か用事ある?」
「ないです!!あってもそんなの僕キャンセルしちゃう!!」
「何でだよ」
え。
真鍋先輩がくすくす笑って聞く。
何でだよって。何でだよ、って。
思い付くままに言ってしまったことを、僕はちょっと後悔した。
だって。
何か。
「…………先輩が、最優先」
恥ずかしい。何か僕、今猛烈に恥ずかしい。
いいのかな?こんなこと言っちゃって。
まだ好きって言ってないよ?言われても、ないよ?
同じ気持ちだよって、ただ、それだけなのに。
なのに。
なのになのに、さ。
「お前さ、分かってる?」
「何、が?」
「明日、俺んち泊まりだぞ?」
「うん」
「あんまりかわいいことばっか言ってると」
信号が赤に変わって、自転車が止まる。
ポケットに入ってきた真鍋先輩の冷たい手が、僕の手をぎゅって握った。
「襲うぞ」
「………え?」
襲う、ぞ?
って。
ばって顔を上げたら。
真鍋先輩が、僕を見て。
僕を、見てて。
「だから、あんまそういうこと、言うな」
「なっ、なっ、なっ…………」
何!?
何!?何!?何!?
今までで最高の最大に顔が真っ赤になった気がして、僕はまたがばって下を向いた。
ドキドキがドキドキすぎてドキドキしちゃう。
ああもう自分で訳が分からない。
するんってポケットから抜けて行った真鍋先輩の手を、追いかけそうになって、やめた。
襲うぞって、襲うぞって。
真鍋先輩。
そんな顔で、言っちゃダメだよ。
…………びっくり、した。
ただただカッコいいって思ってた真鍋先輩の顔が大人の人、みたいで。
僕。
いいよって、言いそうになっちゃった。




