72/131
71
ラッキートランプをひくのがこわくて、ひかない日がたまにある。
トランプを広げる。
ジョーカーを含めてあと12枚。
知らない間に結構使っちゃったんだな。
残りが少ないってことは、ジョーカーをひく可能性が高いってこと。
そして、ジョーカーが出たら、そこで終了。
それが、イヤで。
トランプを箱にしまって、リュックに入れる。
朝練に行く時間だ。
リュックを背負って、そう言えばもうリュックじゃなくてもいいんだって、思った。
リュックにしたのは、真鍋先輩と自転車に乗るためだったんだよね。
自転車のカゴに真鍋先輩と僕の鞄を入れたら、ガタンってなるたびに飛び出しそうで、真鍋先輩が手を伸ばして押さえてたから。
ラッキートランプでラッキーアイテムとして出たからってのもあって変えたリュックが、偶然真鍋先輩と同じで。
お揃いのキーホルダーがついた、お揃いの、リュック。
スマホが鳴って、我に返る。
ヤバイ、透と友弥から早くしろってメールかな?
机の上のスマホをタップして。思わず…………固まる。
ついた
真鍋先輩!?
うそ。何で?
窓を開ける。
駅に向かって歩き出してる透と友弥。
玄関前に、真鍋先輩。
何で?朝練の時間だよ?
「先輩!?」
呼び声に僕を降り仰ぐ、真鍋先輩。
「早く来ないと遅れるぞ」
「はいっ」
嬉しくて、ドキドキして。
僕は大急ぎで階段をおりた。




