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自転車に乗って、真鍋先輩の腰に腕を回して、いつものようにおでこをくっつける。
真鍋先輩、何も言わないから、いいよね?
「先輩、クリパは何日の予定ですか?」
「25、26の予定」
「分かりました………。あの、先輩」
「ん?」
「あのね…………」
24日は、僕の誕生日なんです。
って言って、でも、その先は?その先は、何て言ったらいいんだろう。
「何?」
自転車が止まって、真鍋先輩が振り向いた。
僕も顔をあげて。でも…………俯いて。
また背中におでこをくっつける。
「何だよ」
「あの、24日」
「クリスマスイブ?」
「僕、誕生日なんです」
「マジで?」
「はい………」
だから。だから、さ。
うわ、耳と顔、熱い。
自転車が、また、走り出す。
「何か欲しいもんある?」
真鍋先輩らしいぶっきらぼうな言い方に、ドキンって、する。
欲しいもの?
考える。
一番欲しいのは。僕が、欲しいのは。
真鍋先輩。
なんて、もちろん言えない、けど。
「また先輩と、一緒に居たい」
思わずそれは言っちゃって。
「あ、えと、先輩、今のはっ!!」
「また、2人で出掛ける?」
「え?………いいの?」
「あー、でもお前んちもいいなぁ。お前の母さんのメシ、超うめぇし。また食わせてくれないかなぁ」
「そんなこと母さんに言ったら、もう無理ってぐらい料理が出てきますよ」
また、自転車が、止まる。
真鍋先輩の手袋をはめた手が。
僕の、手袋をはめた手に。
重なる。
真鍋先輩?
何で?どうして?
この手の、意味は?
僕は。僕は。
僕は……………。
「新井」
「はい……………」
ドキドキする。
ドキドキがドキドキすぎて。
倒れ、そう。
「とりあえずは、期末テストだな」
え?
期末、テスト?
緊張が、一気にとけて。
「………先輩」
「んー?」
「僕、ちょーぼりしょんです」
はははは!!
真鍋先輩の豪快な笑い声が、響いた。




