59
日曜日は野球部の試合だった。
応援に行って、代打で出た友弥が逆転のセンター前ヒットを打って僕は大興奮だった。
透はちょっと前に先輩に呼び出されてたからどうかなって思ってたけど………やっぱりベンチだった。
帰って来たふたりと、いつものように僕んちで祝勝会。
「まー、昨日真鍋先輩とどうだったの?」
それまで野球の話をしてたのに、透が急にそんなことを聞くから、僕は飲んでいたジュースを吹きそうになった。
「きゅ、急に何だよ!?」
「いや、気になるだろ?昨日は試合前だったからまーんち来なかったし。普通聞くよな?友弥」
「うん。服決めるのにも遅くまで付き合ったしね」
じーーーーって僕を見るニヤけた顔に、顔がどんどん赤くなる。
何を話せって?
ううん、話せないでしょ!?話せないよね!?
何か話せないこといっぱいあったような気がするんだけど!!
「あ、スマホケース!!先輩とお揃いにしたんだ!!」
「真鍋先輩と?」
「お揃い?」
「ナニそのラブラブ感」
「本当だよ」
「なっ………ラブラブって!!違うしっ」
ダメだ、話題を変えよう。
「そうだ!!夕飯一緒に食べたんだよ!!」
「え?朝から夜まで一緒に居たんだ?」
「うわ、ナニおばさん公認の仲なの?」
「だから何でそうなるの!?」
ニヤニヤニヤニヤ。
僕はもうその視線に耐えられなくて、クッションに突っ伏した。
顔が、顔が!!赤くて熱くて汗が出るんだけど!!
「ここまでまーをガードしてきた甲斐があったな」
「そうだね」
「ガード?」
透と友弥が2人でくすくす笑ってるから、顔をあげてみる。
何なの、こいつら。
「まーは男のくせに妙にかわいいから、狙ってる女子が多いんだよ」
「そうそう、透くんと2人でどんだけ叩き落としてきたことか」
「え?」
狙ってる女子?って、誰を狙ってるの?僕?何で?
「高校入ってからは男連中にも狙われ出してな」
「そ、2年3年の先輩たちなんか超しつこいんだよね」
「だから何の話?」
「真鍋先輩なら、安心だな」
「だね」
僕を無視してどんどん話は続いていく。
だから意味分かんないって!!
「コクっちゃえば?」
「好きって言っちゃえば?」
「えええええっ」
挙げ句に2人同時に言われて。
「脈ありだろ?」
「俺もそう思う」
「もう!!やめてよ2人ともっ」
「だってさ、これ」
「どれ?」
ニヤニヤニヤニヤ。
悪魔のような笑みを浮かべた2人が、同時に見せてくれた、それぞれのスマホに。
「ななななななんで!?」
超至近距離で眠る、僕と真鍋先輩の写真。
「母さんにもらった」
「同じく」
「んもおおおおおお!!」
どうして母さんはそうやってすぐに透と友弥んちおばさんに写真送るかな!?
ぼすってまたクッションに突っ伏した僕に、2人の爆笑が聞こえた。




