会いましょう。
「国王からの言伝を頼まれました。『今日の午後、会いに来る』と」
手紙が来て次の日。朝食を持ちに来た召使いは静かに言った。
ボクが答えを返す間もなく、彼は部屋を出て行った。
瞼が、目の周りが痛い。
体がだるくてベッドから起き上がることができない。
昨日の夜、あの手紙を読んでから胸の奥がずっしりと重い。
目から流れる涙の意味が解らない。
なんだろう、この感情は。
〈お父さん〉がいたときでも、こんなきもちになったことはなかった。
腹が立つ。こんなの。
あの父親にボクが影響を受けるなんて。
〈お父さん〉を殺した、あいつなんかに、ボクが。
悔しい、悔しい。
びしょびしょになった枕に顔をうずめる。
「……っ、……っ」
解らない。解らない。解らない。解らない。解らないっ……。
本当になんだろう、胸の奥に霧がかかったような感覚は。
――玩具箱の中から人形を取り出した。
時間は淡々と過ぎていく。
「昼食をお持ちしました」
いつもと何にも変わらない、召使いの声。
いつもなら何も感じないのに、今日は少し鬱陶しく思う。
「……朝食は処分しますね」
そして淡々と、時は過ぎた。
鳥たちの声で目が覚めた。
いつの間にか、眠っていた。
時計を見ると3時を指していた。
頭がガンガンする。
「もうすぐ、会いに来るのか……?」
何を話せばいいんだろう、憎い父親と。
王妃のご冥福をお祈りします、とでも言っておけばいいのだろうか。
そのとき。
カンカンカン、と塔中に音が響いた。
階段を上ってきている。足音は一人分。音の大きさと響き方からして、ここに到着するまであと2分はかかる。
何故か、ボクは落ち着いていた。
布団を頭まで被った。手探りで玩具箱に手を伸ばし、人形を引っ張り出す。
ガラガラガラ。
周りに玩具が散らばった。人形を抱く。
怖い……怖い、怖い。怖い!
恐怖なんて半年前のあの日、塔の上から『あれ』を見たとき以来だ。
カンカンカンと音は近づいてくる。
怖い、怖い、怖い、怖い、怖いっ……。
ボクはぎゅうっと、人形を強く抱きしめた。
題名考えるのが苦手です。
ネーミングセンスが欲しいです。




