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破壊された世界~break・world~  作者: 九郎カケル
一人ぼっちの王子様
28/49

会いましょう。

 



「国王からの言伝を頼まれました。『今日の午後、会いに来る』と」

 手紙が来て次の日。朝食を持ちに来た召使いは静かに言った。

 ボクが答えを返す間もなく、彼は部屋を出て行った。


 瞼が、目の周りが痛い。

 体がだるくてベッドから起き上がることができない。

 昨日の夜、あの手紙を読んでから胸の奥がずっしりと重い。

 目から流れる涙の意味が解らない。

 なんだろう、この感情は。

 〈お父さん〉がいたときでも、こんなきもちになったことはなかった。

 腹が立つ。こんなの。

 あの父親にボクが影響を受けるなんて。

 〈お父さん〉を殺した、あいつなんかに、ボクが。

 悔しい、悔しい。

 びしょびしょになった枕に顔をうずめる。

「……っ、……っ」

 解らない。解らない。解らない。解らない。解らないっ……。

 本当になんだろう、胸の奥に霧がかかったような感覚は。

 ――玩具箱の中から人形を取り出した。



 時間は淡々と過ぎていく。

「昼食をお持ちしました」

 いつもと何にも変わらない、召使いの声。

 いつもなら何も感じないのに、今日は少し鬱陶しく思う。

「……朝食は処分しますね」

 そして淡々と、時は過ぎた。




 鳥たちの声で目が覚めた。

 いつの間にか、眠っていた。

 時計を見ると3時を指していた。

 頭がガンガンする。

「もうすぐ、会いに来るのか……?」

 何を話せばいいんだろう、憎い父親と。

 王妃のご冥福をお祈りします、とでも言っておけばいいのだろうか。

 そのとき。

 カンカンカン、と塔中に音が響いた。

 階段を上ってきている。足音は一人分。音の大きさと響き方からして、ここに到着するまであと2分はかかる。

 何故か、ボクは落ち着いていた。

 布団を頭まで被った。手探りで玩具箱に手を伸ばし、人形を引っ張り出す。

 ガラガラガラ。

 周りに玩具が散らばった。人形を抱く。

 怖い……怖い、怖い。怖い!

 恐怖なんて半年前のあの日、塔の上から『あれ』を見たとき以来だ。

 カンカンカンと音は近づいてくる。

 怖い、怖い、怖い、怖い、怖いっ……。

 ボクはぎゅうっと、人形を強く抱きしめた。






題名考えるのが苦手です。

ネーミングセンスが欲しいです。

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