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実験準備をしましょう

 

 そしてシュロはその名の通り手のかからず、直感通り優秀な子になった。

 兄たちよりも早く歩き、言葉を話し始めた。誰にでも笑顔で接する。

 ――――私以外には。

 どうしても、私には懐かない。近づくと妻や兄、使いの者たちの後ろに隠れてしまう。

「パパは、シュロにきらわれていますね」

 くすくすと次男のヤシが笑う。

「ああ、いつか仲良くなりたいんだけどなぁ」

 吐き気をこらえて、《父》を演じる。もうどれだけ子供たちと接したかわからないが、いつまでもこの家族ごっこは慣れない。

「父上のシュロを見る目が優しいのです」

 そう言ったのは、長男のソテツだった。

「僕らに接する態度と、シュロに接する態度が違います」

 10歳でこんなにひねくれた子になったのは、次期王という環境と期待のせいだろうか。しかし、洞察力がある。

 研究材料に――いや。私はシュロ一筋で行くと決めたんだ。

 息子たちにもわかるような言葉いいわけを紡ぐ。

「そうか……。シュロと仲良くなりたいと思っているのが、逆に顔に出て怖がられてしまうのかもしれないな」

「たまにパパ、わらおうとしてるのがわかるほどひきつっているときがありますよー?」

 ヤシは、6歳にしては頭がいい。だが母親っ子のため、私より妻の言うことを聞く。それではだめなんだ。






 シュロが4歳になったとき、高熱を出した。

「この病が陛下や王妃、ソテツ様たちにうつったら大変です。すぐにどこかへ療養させた方がよいと思われます」

「ああ、考えておく」

 医者が部屋から出ていくと、私は地図を出して眺めた。

 これは、実験準備のいい機会だ。なんとしても、結果を残さなければいけない。

 バタバタ、と外で足音がした。いそいで地図を隠す。

「失礼します、陛下!」

 ドアを開けるとともに、白衣を着た男が入ってきた。

「……何があった」

「材料がひとつ、逃げました」

「かまわん。代わりなどいくらでもいる。――ああ、そうだ」

 私は男に人差し指を向けた。

「研究所の近くの森。あそこに塔を建てる。高い高い、下りて逃げられない塔を」



 さあ、シュロ。実験はもうすぐ始まる。

 私はお前に期待しているんだ。

 失望なんて、させないでくれよ――――?













あははー。ふふふー。

後付け設定の祭りだー。

あははー。ふふふー。

後付け設定だらけだー。

(↑変人注意!)

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