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異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手しちゃうから!  作者: 明衣令央
第二章:のんびりまったりスローライフ?

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第76話・魔物退治の依頼


 宿屋に戻ると、二日酔いで寝込んでいたはずの、モネちゃんとジャンくんが出迎えてくれた。


 どうやら、なんとか起き上がれるようになったらしい。


 二人はまず、ユリウスと私に深々と頭を下げ、




「ユリウス様、オリエさん、申し訳ありませんでした」




 と謝った。


 ユリウスは本当なら説教したかったのだろうけど、人前でもあるからか、




「今後は気をつけるように」




 と言っただけだった。




「ユリウス様、オリエさん、実は、お二人が居ない間に、宿の旦那さんから相談を受けまして……」




「何の相談だ?」




「実は、魔物退治をユリウス様に依頼できないか、という話なんですけど……」




「魔物退治?」




「ユリウス、それって、もしかして……」




 さっき子供たちから聞いた話ではないだろうか。


 ユリウスもそう思ったらしく、あぁ、と頷く。




「ジャン、それは、ゴヤって森の洞窟にいる魔物の話か?」




「えぇ、そうです。でも、どうして知っているんですか?」




 ジャンくんとモネちゃんが、不思議そうに首を傾げる。


 ため息をついたユリウスが、




「さっき、子供たちから聞いたんだよ。お前たちが寝込んでる間に、な」




 と少し嫌味っぽく言うと、




「はは、そうですか。すみません」




「父さんたちの目もないし、ちょっとテンション、上がっちゃって」




 ジャンくんとモネちゃんは、二人揃って笑って誤魔化そうとした。


 多分、だけど、この二人はまたやらかすかもしれない。


 まぁ、二人の楽しみを止める権利なんて、本当は私にもユリウスにもないんだけど、出発前に二人のお父さんからよろしく頼むって言われているから、どうしたものかなぁと思う。


 ユリウスも同じような事を考えたのだろう、自分を落ち着かせるかのように、深いため息をついた。




「なになに? ゴヤの森の魔物の話?」




 一緒に宿に戻ってきたテッドくんとコリーちゃんが、話に混ざってきた。




「なになに? お兄ちゃんたちが、魔物をやっつけてくれるの?」




「本当? 兄ちゃん、やっぱ、すげぇ頼りになるな」




「え?」




 テッドくんとコリーちゃんが、ユリウスにキラキラした瞳を向ける。


 二人はユリウスの容姿がルリアルーク王と同じと知っているから、ユリウスに期待をしているのかもしれない。


 そして、それは子供たちの親御さんも同じかもしれなかった。




「ねぇ、なんとか、引き受けてくれないかねぇ」




 宿の女将さんが、声をかけてきた。




「最近、森を出て、ビジードからここまでの街道にまで、現れるようになったんだよ。あんた、昨日すごい量の獲物を出してきたじゃないか。かなりの腕なんだろう?」




 そうか、狼、鹿、熊、合わせて十体を、この宿に提供したんだった。


 そして解体したのは、この宿の旦那さんだ。


 旦那さんはきっと驚いたに違いない。提供した獲物のほとんどが、外傷もなく綺麗な毛皮のままなんだから。




「俺は、そんな大した腕ではないと思うが……でも、確かに、子供たちからゴヤの森の魔物の話を聞いて、気にはなっていた」




「じゃあ、旦那に案内させるから、村長に会って、とりあえず話だけでも聞いてみてくれないかい? ね、お願いだよ!」




 女将さんに手を合わせて頭を下げられては、簡単に断る事はできなかった。


 そして、テッドくんとコリーちゃんが、瞳をキラキラさせてユリウスを見つめるのだ。




「わ、わかった……じゃあ、案内を頼む」




 そして私たちは、このスモル村の村長の家に向かう事になった。



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