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異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手しちゃうから!  作者: 明衣令央
第二章:のんびりまったりスローライフ?

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第75話・ルリアルーク王って何する人?



 二日酔いのモネちゃんとジャンくんの体調が回復するまで、何もできないので、私とユリウスは雑貨屋へと足を向けた。


 子供たちと遊んでいたサーチートも付いてくるというから、サーチートと遊んでいた子供たちもみんな付いてきた。




 スモル村の雑貨屋さんの商品のラインナップは、シルヴィーク村の物と同じようなものだった。


 それでも、昨日モネちゃんがいくつか素材を売ったらしく、品揃えは以前に比べて良くなったらしい。


 だけど、私が欲しかった調味料も、ユリウスの装備も、スモル村で買う必要はないだろうという事で、その代わりにお菓子を買って、子供たちと一緒に食べる事にした。




「お兄ちゃんって、髪の毛が銀色だったら、創世の王様みたいだよね!」




 ユリウスは髪をバンダナで隠していたけれど、子供の一人がそう言った事で、話が創世王であるルリアルーク王の事になった。


 発言した子供はユリウスの容姿が創世王そのものだとは思っていないようなのだけれど、テッドくんと コリーちゃんはバレたらどうしようと思ったのだろう、顔を赤くしたり青くしたりしていた。




「ねぇ、みんなはルリアルーク王が本当に現世に蘇ったとしたら、何をしてほしい? ルリアルーク王って、何をする人だと思う?」




 私がそう言うとと、子供たちのほとんどがわからないと言って首をひねったけれど、少し考え込んだ後、テッドくんが、




「おれは、ルリアルーク王が本当に蘇ったのなら、怖い獣や魔物をやっつけてほしい」




 と言い出した。




「あ、そうだね! やっつけてほしい。だって、怖いもん」




「うん、村が襲われたらどうしようって思うもんね」




 頷き合う子供たちを見て、私たちはこの村に何かが起こっているのだと思った。




「何か困っている事があるの?」




 と尋ねると、頷く子供たち。代表してテッドくんが口を開く。




「商都ビジードに向かう街道の近くに、ゴヤの森って呼ばれている森があるんだけど、その森の中にある洞窟の中に、凶暴な熊が居るらしいんだ。そいつ、魔物化してるみたいで、その影響を受けて、ゴヤの森に居る他の動物たちも、少しずつ魔物化してるらしくてさ……」




 商都ビジード側の森という事は、これから向かう方向にあるという事だ。


 今まで抜けてきた、シルヴィーク村側の森の中には、そんなに強い魔物は居なかったから、私は驚いた。




「スモル村には、冒険者が良く来るだろう? 冒険者たちに頼めないのか?」




「頼んだよ! でも、ものすごくお金をいっぱい払わないと、引き受けてくれないんだって。だからおれ、ルリアルーク王には、みんなが安心して暮らしていけるように、怖い魔物たちをやっつけてほしいんだ」




 テッドくんの言葉に、そうだそうだと子供たちは頷いた。


 そして、その内の一人が、こんな事を言い出した。




「オブルリヒト王国の王子様が、ルリアルーク王になるんだよね。きっと、怖い魔物をやっつけてくれるよね!」




 子供たちは無邪気に笑って頷き合っている。


 本当にそうなのだろうか、と思いながら、隣に居るユリウスを見上げると、彼は眉間に皺を寄せていた。


 今、ユリウスが思っている事が、手に取るようにわかる。


 ユリウスは、ジュニアスは子供たちが期待しているような事を、絶対にしないだろうと確信しているのだ。


 今の子供たちのように、この世界の人たちがルリアルーク王に望む事は、あのおとぎ話のように、世界を平和へと導く事だ。


 だけどジュニアスは、それをするような人間ではないのだ。




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