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第1章<PART 0>:螺旋の脚本、仕組まれた半日の祭典

ここからは異例の、結末の流れをネタバレします。


細かい内容は、その都度(場面になった時点)激しく描きます。


結末が解った上で、どう結び付くのかを

お楽しみ下さい。

よろしくお願いいたしますm(_ _)m




【関ヶ原の戦い】


は、こんな出来レースになります。

慶長五年(1600年)。 


日の本を二分し、後に「天下分け目の大決戦」と教科書に刻まれることとなる



【関ヶ原の戦い】


__東西合わせて15万を超える大軍勢が激突したにもかかわらず、その結末は、わずか半日というあっけない幕切れであった。 


 歴史家たちはそれを「小早川秀秋の裏切り」や「西軍の連携不足」として片付ける。 


だが、真実は違う… 


あの合戦は、一人の男が描き上げた完璧な脚本に基づく、壮大なる「出来レース」だったのだ。


 仕掛け人の名は、天海。 かつて本能寺の業火で魔王・織田信長を討ち、山崎の合戦で死んだはずの男…


――明智十兵衛光秀その人であった。 晩廷の闇に触れたことで消されるはずだった十兵衛は、瀕死のところを隠密に拾われ、比叡山延暦寺の暗闇の地下深くへと運ばれた。


そこで何年も、何年も、喉を潰し、筆跡を変え、歩き方から所作のすべてを塗り替えられ、真の「天海」へと成り代わる過酷な修行を強いられていた。 


その暗闇を支えたのが、かつて十兵衛に命を救われたフィジカルモンスター・弥助。晩廷の指示で京の南蛮寺から比叡山へ送り込まれた弥助は、昼は門番として働き、夜は地下で恩人である天海の世話を焼き続けた。 


史実では、天海がタヌキの前に公に姿を現すのは1608年のこと。


 しかし、豊臣の天下が急激に崩壊していく慶長五年の激動を受け、天海は姿を隠したまま、予定よりも大幅に早く地上へと這い上がった。


「行くぞ、弥助(あいぼう)


「ハイ、天海(ボス)サマ」 


漆黒の法衣を纏った天海が最初に向かったのは、京の京都新城。


太閤サルの正室、豊臣政権に絶大な影響力を持つ「ねね(北政所)」の元であった。


「――十兵衛、生きてたんだね。」


「ねね様。サルの作ったこの歪んだ天下、一度リセットせねばなりませぬ。

タヌキに全てを継承させます」


 晩廷の闇を、そしてサルの政権の限界を知るねねは、天海の提案を受け入れた。


ねね自身が動けば周囲に怪しまれる。


そこでねねは、外交官の卵である浅井家の次女・お初を天海の弟子として預けた。


お初と弥助。この異色の黄金(ゴールデン)コンビが、ねねの「手足」として日の本全域を駆け巡り、戦の事前準備プロデュースを完璧に整えていくこととなる。 


ねねの名で、東国の巨頭・タヌキへと極秘の密書が次々と飛ばされた。 そこには、戦の勝敗をあらかじめ決定づける「驚愕のシナリオ」が記されていた。


『小早川は最初から裏切らせる』


『毛利は大坂城で茶々と秀頼を守る盾(表向き)として飯を食わせ、戦場では絶対に動かさない』


『島津が敵中突破で逃げる時は、あえて追わずにスルーせよ(後に江戸幕府が開かれた後も、九州の島津には手出しをさせない)』 


全ては戦が始まる前に決まっていた。 この完璧な出来レースの脚本を、「ただ一人、何も知らない不器用で真実一路な男」を除いて――。


(ツナリ小僧……お前には悪いが、ピエロとして一人相撲をしてもらうぞ。


お前の真実一路な剛速球が空回りすればするほど、この戦は半日で美しく終わる) 


天海は闇の中で冷酷に微笑んだ。 さらに、この関ヶ原の前哨戦として、大坂城下を揺るがしたもう一つの大事件があった… 



キリシタンとして知られる忠興の妻・ガラシャの屋敷爆破自死である。 


上杉討伐へ向かうサイコパスな夫・忠興から「ツナリが人質に取ろうとしたら、容赦なく自死せよ」と言い渡されていたガラシャ。


過去には、理不尽な幽閉、日頃から斬り剥がした首を見せられるなどの虐待に愛想を尽かしていた彼女。


キリスト教の「自死は大罪」という戒律との間で苦悩していた。


 だが、その窮地を救ったのもまた、天海とイエズス会のネットワークだった。 天海は九州の智将・黒田官兵衛に密かに連絡を入れ、イエズス会全面協力のもと、壮大な「自作自演の爆破トリック」を計画。


屋敷を爆破してガラシャが死んだと世間に錯覚させた瞬間、彼女の身柄を秘密裏に救出したのだ。 


炎の中に消えたはずのガラシャは、海を渡り、遥かヨーロッパの地へと逃れていた。


 後にハプスブルク帝国のハンス・アドルフ校長やベルンハルト・シュタウトらによって『勇敢な婦人グラティア』としてオペラ化され、ヨーロッパ全土で大ブームを巻き起こす伝説の美女――


彼女は、歴史の裏で見事に生き延びていたのだ。 


ガラシャの偽装自死によって、ツナリは「名門の夫人を死に追いやった大悪人」としての泥を完全に被せられた。 


孤立していくツナリ。 


すべては天海の描いたシナリオ通り。


狙い撃ちされたツナリの渾身の剛速球は、空虚な闇へと吸い込まれていく。 



そして現在――利家が没した大坂の夜、ついに七将軍の怒号がツナリの屋敷へと押し寄せる。 


ここから、あの左近と義宣による、命がけの撤退戦(アイコンタクトの具現化)へと、物語の歯車は一気に加速していくのだった。

第1章PART1へと続きます。


と、言うか戻りますm(_ _)m

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