プロローグ:闇からの新生と怪力の従者
前作のおさらい。
ナガ(信長)は、晩廷の闇を暴いてしまった。
それを機にエスカレートしていくオラオラ。
晩廷に代わり、自らが騙され続ける民達を救おうと決心する。
それに気付いた晩廷の策略。十兵衛を刺客にして、ナガを本能寺で討たせる…
迷いながらも確実に命令を遂行した十兵衛は晩廷の捨て駒に過ぎなかった…
たかが農民上がりのサルは、破格の報酬で
(関白就任)捨て駒の十兵衛を討つ。
サルの政権も終わる…
サル太閤没後、日の本には晩廷の闇を知る者はもういない…
…はずであった。
前作、
【ナガ様の隠れ家と十字架族のおはなし】
の続編になります。
※変更点
・セリフなどの言葉、表現などは現代風にアレンジさせて頂きました。
(熱烈な歴史ファンの皆様には大変お読み苦しいかと思いますが、何卒ご了承下さいませ。 m(_ _)m )
他サイトにも、投稿するかもしれません!
この物語は、前作同様に著作者の空想によるフィクションでございますm(_ _)m
※超重要なお知らせ(フライング申告)
6月9日からの、
「作品創作におけるAI利用状況の設定必須化」
に伴い、私の作品について6月4日の投稿時点からフライングで申告します。
「AI間接〜直接使用」を宣言しておきます!
だって、現代人の私に本物の戦国描写や難しいセリフなんて分かるわけないじゃないですか(お恥ずかしいですが笑)。
そりゃAI(相棒)に質問するのは当然だと割り切っております……!
ですので、難しい当時の描写や言葉使い(セリフ)は、莫大なデータ量の相棒にガッツリ頼んで教えてもらい、そのまま使うこともあれば、私なりの言葉に変えてキャラに喋らせたり(間接利用)しています。
史実に関しても、相棒に質問して教えをもらっています。
※ただし!ここだけは声を大にしてお伝えしたいです!
ストーリーの展開や、驚愕の仮説、ユーモアであると自認している表現。
それら100%を私の脳みそから生み出した(本当に毎日毎日、寝る間も惜しんで練りに練った)完全なオリジナルです。
手書きの限界を悟った上で、私の頼れる相棒との共作をお楽しみ頂ければ幸せです。
天正十年 六月。
山崎の戦い。
天下の覇王・織田信長を本能寺の業火に沈めた明智光秀は、羽柴秀吉の前に敗れ、小栗栖の竹藪で命を落とした――。
歴史の教科書には、そう記されることとなる。
だが、その凄惨な戦場の片隅、泥にまみれた十兵衛の亡骸!?を密かに拾い上げる、黒衣の集団がいた。
京都の公家、すなわち「晩廷」が放った隠密たちであった。
数日後…
京の地下深く、薄暗い一室。
瀕死の十兵衛の前に、格調高い、しかし血の通わぬ冷徹な声が響く。
「明智十兵衛光秀。お前は我が晩廷の『闇』を守るため、ナガをよくぞ消し去った。
なれど、用済みとなったお前をそのまま生かせておくわけにはゆかぬ。
お前は今日、この世界で死んだのだ」
十兵衛は、薄れゆく意識のなかで自嘲の笑みを浮かべた。
やはり、自分はただのトカゲの尻尾切り、使い捨ての犬であったか、と。
しかし、闇の中から響く声は、意外な言葉を続けた。
「……だが、お前ほどの英知と調略の才、ここで完全に失うのは日の本の損失」
サルの後に必ずや台頭するであろう、東国の巨頭・タヌキ。
「次はその男の懐へと滑り込むのだ。」
『天海』
「其方の新生なる名だ。新たな呼び名をもって、タヌキを内側から監視せよ」
差し出されたのは、血に染まった明智の過去をすべて覆い隠す、漆黒の法衣であった。
「……ぎょ、御意」
十兵衛は低く地を這うような声で答えた。晩廷の犬として死に、晩廷の影として生き返る。
その屈辱に耐えながらも、十兵衛の瞳の奥には、自分を狂わせた晩廷そのものへの、冷たい復讐の炎が静かに…灯っていた。
「今は、その弱りきった身体を休めよ。」
「過酷な鍛練が待っておるぞ。 頭髪身なり、声、筆跡から所作まで全て十兵衛の痕跡を消し、真の『天海』へと成り代わるのだ!」
「今しばらく、…眠れよ…」
十兵衛は、黙って眼を閉じた…
あの時閉じた眼とは違う…
薄れゆく意識の中で、
これまでの数々の生き様を、ゆっくり、ゆっくりとただ記憶に刻んでいく…
そして……三月ほどが過ぎ…
かつて、自らが指揮し業火の如き炎で焼き尽くした比叡山延暦寺。人目に付かぬ地下深く。
この場所以上の修行場はないであろう…
我に言い聞かせる。
…長い…長い間、
精神をすり減らす過酷な修行…が何年も何年も続く。
喉を潰し、音を失った暗闇で、ただお経を唱え続けていた…
いや……
叫び続けていた。
「十兵衛……。薬、塗りマス」
暗闇から現れたのは、漆黒の肌を持つ巨漢・弥助であった。
そう、かつて弥助は、十兵衛から命を救われていた。
__あの本能寺の夜、
ナガの死を見届けた後、弥助は急いで信忠の籠城する二条御所へと走った。
盾となり剣を振るったが、信忠の自害によりあえなく十兵衛隊に捕らえられた。
十兵衛の前で頭を垂れ、抵抗する素振りすら見せずに怯える弥助は、死を悟る。
…それを見た十兵衛は、つい先ほど自らが殺めてしまったナガ様の傍で支え続けた弥助に対し寛大だった。
_彼には罪の意識はない…
イエズス会に繋がる弥助との信仰の違い、自死によって散る日の本の精神とは異なる文化なのだ。
弥助の信仰する神は、自死する者は人生を投げ出す、放棄するのと同じで大罪になり死後報われない。
十兵衛は理解しながらも、周りを固める兵達の士気や処分されて当然だ!
という空気を読みながら敢えて言い放つ。
「此奴は黒き動物と同じで思考など無いも同然、武士道なぞ値せぬわ!
…よって処分する必要は無い!
京の南蛮寺へ送り込むがよい。その後インドのパードレの聖堂にでも置けよ!」
十兵衛は、弥助をじっと見つめる…
弥助はふと気付き、十兵衛を上目づかいに見返す。
その目は虚ろながらも、泳ぎながらも、何か十兵衛の意図を微かに感じていた…
十兵衛は…
誰にも勘付かれずに一瞬だけ…ほんの一瞬だけ、弥助に向けて左目をパチッと閉じて合図を送る…
弥助は、ハッと気付くと同時にまた頭を垂れた。
十兵衛はあえて冷たく、キツく命令する。
「…連れて行け!」
両脇を抱えられ立ち上がる弥助は、頭の糸がプツッと切れた…
「ウァ…ウ…ウアアアァァァ…!」
弥助は、嗚咽混じりに泣き叫びながら連れ去られた…
救われた弥助は、京の南蛮寺へ送り出されていった。
…数日後、辿り着いた寺では、何やら慌ただしく物騒だ。
「この大男が最も適任でございます。」
「よし、明朝直ぐに発たれよ!」
弥助は、休む間もなく晩廷の指示により延暦寺へと再び送り出された。
当時は激しく対立し、揉め事の絶えないイエズス会と延暦寺との間に晩廷が仲介に入り交渉を進めたのだった。
延暦寺での弥助の役割。
彼は表では「黒き僧兵」として比叡山の門を護り、夜は地下へ降りて十兵衛の世話を焼いた。
弥助は、恩人の世話を一生懸命にした。
裂けた喉に薬を塗り、質素な飯を差し出し、時には天海の纏う「十字架族」の経典を二人で唱えた。(ナガ様……。私はまだ、死ねぬ。この喉が裂け、血を吐こうとも、嘘を護る側に回ると決めたのだ……)
今はただ、運命に従う十兵衛…
そして18年が過ぎた…
慶長五年
疲れきっている十兵衛の元へ、一人の僧が歩み寄る。
(十兵衛…いえ、天海なる者よ。)
十兵衛は、聞き覚えのある声にハッとする。
声の主は、かつて燃えさかる比叡山延暦寺にて救った若者だった…
(あなたのお陰です。 ここ延暦寺は、十年余りかけてほぼ蘇りました。あなた様の慈悲の賜物でございます。)
現在では、かつてのように荒れ果てた治外法権の武装集団ではなく、比叡山は女人禁制(本来は元々そうである)になっていると言う。
そして少し間を空け、かつての若者は厳格な僧の目になり十兵衛をじっと見つめる。
話は空気を変える…
(天海殿、世ではとうとう大きな戦が始まろうと激動の最中であります。
あなたに重要な任務を伝えに参りました。)
(厳しく申せば天海殿、あなたは既に我が十字架族の一員にあります。)
(公には顔を出されては困ります故、秘匿にてお頼み申し上げます)
十兵衛は18年ぶりに
地上へ、太陽を浴びた。
「行くぞ、弥助」
「ハイ、天海サマ」
十兵衛と弥助…物語は幕を上げる…
最強の用心棒を引き連れ、天海は歩き出した。
生まれ変わった二人。
弥助は、かつてナガ様に仕えていた時よりも絶大な信頼を寄せている。
天海の為なら死も覚悟の上…
天海を尊敬していた。
天海の描くシナリオ… 行く先は…?




