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魔王が攻めてきた。
どうやら私が、狼の敵を倒してしまったことが原因のようだ。
「まあ、最近ノロノロ魔王城に来る奴が増えてたから。楽しいしいいか。ハエ退治は。さあもう一発でこの国は終わりだじゃあなハエども!」
闇が彼の手のひらに集約されていた。
私や残された住民は、それをただ呆然と見ていることしかできなかった。
ただ一人諦めていない男がいた。
オーガスである。
彼は渾身の魔法をメルカバー目掛けて発動した。
あんな大きな魔法陣を見るのは初めてであった。
「聞かぬ、その程度の攻撃が通用するはずがない。」
わざと交わさず真正面から受け、全くの無傷であった。
彼の攻撃が効かないということは、もう今ここにいる人の魔法では魔王の子を倒すことが出来ないことの証明である。
でも、魔法を使わない私であればなんとかなるんじゃないかという淡い期待があった。
何も考えず身体がメルカバーの元へ向かっていた。
背後をとりうなじを切りとろうとした。
「あまい、死んでくれ」
こんな至近距離で、この攻撃は身体が散り散りになる。
終わった。
「花火魔法爆速打ち上げキャノン」
次の瞬間私は空中に飛ばされていた。
「お前だけでも生き残ってくれ、どうやら俺はここまでのようだ。すまないお前と旅を一緒にできそうにない。ただこれだけは言えるお前は強い。だからまずは力をつけろ。そして、俺の俺たちの仇を頼む。」
「待ってください。死ぬなら私も一緒に…」
渾身の叫びは届いていないというより、聞いてくれていないようであった。
国から離れていくほど、小さくなってくる。
そしてその時は一瞬であった。
闇が国の残り部分を包み込むと、次の瞬間壊れたというより、消えたといった方がいい。
自分と初めて心と通わせた人との別れは、急速であった。
「悔しい」
何もできない自分の無力さに打ちひしがれていた。
なぜだろう涙が止まらなかった。
そして私の目標が決まった。
「魔王を倒して、この世界を平和にしたい。」
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