2人のその後 - マリ*アレク
予約投稿入れるの忘れてた。orz
【Side マリ】
ふと、頬に柔らかいふわふわとした物が擦り寄せられてるのを感じた。
(……ん? ……ああ。きっと、シピだわ)
「あっ、こら、シピ。母様が起きちゃうじゃないか。……ああー……」
その感触と不意に聞こえた声に目を開けると、若草色の大きな瞳と目が合った。
「……アルマン」
気まずそうな表情をしたその子を慰めるため、名前を呼び、手を伸ばして頭を撫でれば、子ども特有のサラサラと柔らかい髪の感触が手に触れて気持ち良かった。
その髪色は愛しい人と同じ、黒。
「……ごめんなさい、母様。起こしちゃった」
「……ふふ。いいのよ。私こそいつの間にか寝てしまったのね。」
いつもの寝室のソファでゆっくりしていたらそのまま寝てしまったようだ。視線を移せば体にブランケットが掛けられているのが見えた。
「父様とテオは?」
「ユーゴおじ様と向こうでお話してる」
「そう。もうユーゴが来ているのね」
季節は秋へと移ろうとしている頃で、領地へ帰る前に挨拶をしに来ると言っていた。
ちなみに、父と母は先日来て挨拶をしたから既に領地へと戻っている筈だ。
「……ね、母様。ボクも少しここで寝てもいい?」
可愛い息子からの、久しぶりのお願い。
「ふふっ。いいわよ。……いらっしゃい」
体をすこしズラしてブランケットを持ち上げれば、まだまだ小さいその体を滑り込ませてくる。……黒猫のシピもタイミングを計っていたかのように入ってきた。
ブランケットを掛け、柔らかい黒髪と、ふわふわとした黒い毛を撫でる。
アルマンは5才の男の子だ。
私とアレクの間にできた子で、王族の血を引くため漆黒の髪をもち、瞳は私の母と同じ若草色をしている。
もう少し小さい頃は私に似ていると言われていたが、弟のテオが産まれてからはお兄さんの顔付きになり凛々しさが出てきたので、段々とアレクに似てきたなと感じていた。
我が息子ながら将来は絶対美形だなと思うと、すこしニマニマしてしまう。
それにしても、弟のテオが2才でまだまだ手が掛かる上に、お腹の中には第3子がいて。
幸いなことに悪阻は軽い体質なのだが、その分眠気が酷く、その為、最近はアルマンとの時間が減ってしまっているなとは思っていた。
頭を撫で額にキスをすれば、すこし驚いた顔をして、ふにゃりと笑って。
その、アレクに似た容姿で、弟に似た表情をする息子が可笑しくて、愛しくて、しばらく2人でブランケットに包まれながら笑い合った。
*
シピを抱き上げアルマンと手を繋ぎ、アルマンの話を聞きながらゆっくり廊下を歩いて客室の扉の前まで来た。
アルマンが扉をノックすれば、しばらくしてアレクが顔を見せる。
「マリ。……起きたの? 体調は?」
ふわりと微笑みながらシピを私から受け取り、中へ入れてくれた。
「体調は大丈夫よ。……ふふっ。寝過ぎってシピに起こされちゃったわ」
「そうだったのか。……ダメじゃないか、シピ。」
アレクがそう言うと、シピはニャァン! と一声鳴いてアレクの腕から降り、助けを求めるようにアルマンの足に擦り寄った。
「まったく。……アルマン、ありがとうな。母様を呼んできてくれて。」
アレクが優しい声でそう言いながら、シピを抱き上げたアルマンの頭を撫でれば、アルマンが嬉しそうに笑った。
「姉上」
「ユーゴ。……あら。テオは寝てしまったのね?」
「ええ、先ほど。……あ、大丈夫ですよ」
ユーゴからその体にしがみ付く体勢で眠るテオを受け取ろうとすると、止められた。
「姉上は身重なんですから。私が寝かせてきます」
「そう? ……じゃあ、お願いしようかしら」
「では、先に寝かせてこようかな。挨拶はまた後でさせて下さい。……アルマン、案内してくれるかい?」
「はいっ」
テオを抱えアルマンと手を繋いで、ユーゴが部屋から出て行く。アルマンに懐いているシピも一緒に行ってしまった。
それを見送っていると、アレクの腕にふわりと囲われ額にキスをされる。
久しぶりにゆっくりハグをされている気がして、嬉しくて、私も彼の背に腕を回しその胸に頬を寄せ、すこし体重を預けた。
「……本当に体調は大丈夫? 横になっていなくていいかい?」
「大丈夫よ。横になっているばかりなのもダメだもの。……しばらくこうしててくれる?」
「わかった。……それにしても、アルマンもテオも、ユーゴに懐いているな」
「ふふふっ。ユーゴも今までは自分が一番下だったから、甥っ子ができて嬉しいみたい。時間を見付けては会いに来てくれて遊んでくれるのよ。私も今ははしゃいで遊ぶ事ができないから助かっているわ」
「そうか。……なら、ユーゴが領地に行っている間は私が頑張らなくてはね」
「ふふっ。でも、あまり無理はしないでね。ジルだって結構子どもの相手が上手いのよ」
「……父親として、ジルには負けたくない」
「まぁ。……でも、テオはまだ私の手が必要だとしても、アルマンは本当に貴方の事が大好きなのよ。さっきもここへ来る途中ずっと、父様は本当にカッコイイって話をしていたわ。」
「……本当に?」
「本当に。……以前、屋敷で父とユーゴと手合わせをしていたでしょう? あれを見た日から凄いんだから。」
「……ああ、あの後にアルマンから稽古をせがまれるようにはなったが……。そうだったのか? 私には全然……」
「直接言うのは照れくさいのかしら? ……可愛いのよ? 耳と頬っぺた真っ赤にしてね、父様がああで、お爺様がこうで、ユーゴおじ様がって、身ぶり手振りを付けて一生懸命あの日の事を説明してくれるの。私も一緒に見ていたのにね。そして最後には、貴方のカッコイイところを目をキラキラさせて話すのよ」
「……知らなかった」
「今度時間があったら稽古以外での2人の時間を作ってあげて? テオが産まれてからは甘える時間が減ってしまっているから」
「ああ。そうしよう。では、……今はマリとの時間だな」
アレクの腕がキュッと締まった。
「2人ではないけれど」
「……次は男の子だろうか。女の子だろうか」
「ふふっ。どちらかしらね。……でも、貴方との子どもだもの。どちらでもまたきっと可愛いわ」
「それもそうだな。……マリ」
「……なぁに?」
名前を呼ばれて顔を上げれば、目元をほんのり染めた愛しい人の顔があって。
「愛してる」
ふわりと微笑みながらそう言われれば、キュンとした。
「どうしたの急に。……でも、嬉しい。私も愛してるわ」
愛しい人の腕の中にいて、私の中にはその人との子どもがいる。
その事実のなんと幸せな事か。
「……これからもよろしくお願いしますね」
あまりの多幸感に涙がでそうになりながらもそう言えば、「もちろんだ」との言葉とともにキスが降ってきて。
そして。
アレクとの優しいキスは、ユーゴとアルマンが戻ってくるまで続いたのだった。
以上で、感謝♪感激♪(´∀`人)気付いたら『アルファポリスにて本編お気に入り登録800達成』&『ムーンライトノベルズにてPV240万達成』していました感謝SS!!は終了です。
本当にありがとうございました!
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今更感ハンパないのですが『ラノベの書き方ルール』を知りました。
……これの本編、ルールまる無視で書いてますね。恥ずかしい。
ってことで。
現在他の話を執筆中(R18予定なので今のところなろうさんにはUP予定無し)なのですが、それが書き終わり次第、本編もそのルールに沿うように修正する予定です。すみません。




