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魔女(大魔導士)と魔女(諦めない落ちこぼれ)の凸凹コンビ  作者: ユウキ±


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第三話 ティアとカリンの関係

「構いません、こんなの、彼女に対してあまりにも酷いし失礼だ」

 

 友達はなりたいと思ってなるものだ。

 誰かの強制でなるようなものじゃない。


「そっかそっか」


 そういうと、シア先輩はふふっと口元に手を当て笑いをこらえている。

 

 何がおかしいのだろうか? 

 この状況で笑う意図が私には理解できない。

 この人には人の心というものがないのだろうか?


「いや、いいなって思ってさ、君もそう思わない?」

 

 そう言って視線を向けた先を見ると、ゆっくりとティナが現れる。


「いいね、ティア?」

「……約束だから仕方ない」


 ティアは仕方なさそうにしながらため息を吐く。 

 状況が全く読み込めない。


「ごめんね、少し君を試した」

「試す?」

「うん、君がどういう人間かというのを確かめさせてもらった」

「……はぁ……」


 要は私が下心で歪な関係を築くかどうかを試されていたとそういう事だろう。

 

「ティア、君から見て彼女はどう?」

「どうって、どうでもいいでしょ」

「どうでもよくないよ、大事な弟子候補だ。 いつまでも逃げてちゃいけないよ」

 

 そういうと、いつもの氷の様に表情の無い彼女の顔が曇る。

 

「でも、私……」

「ティア、一歩踏み出してみろ。 駄目で元々だ、それに師匠のいう事を信用できない?」


 シア先輩はティアの頭をそっと撫でると、彼女は私の前に来る。

 よく見ると緊張しているのだろう。 

 肩が震えている。

 

「か、カリン、さん!!」


 勇気振り絞ったような震えた声色でティアさんは私に声を上げる。

 

「カリンでいいよ、ティアさん」


 私は優しくそういう。

 なんとなくだが、彼女は悪い子ではないようなそんな気がする。


「か、カリン!!」

「うん」


 彼女が私の名を呼び、私が答えると嬉しそうな表情をする。 

 その表情はいつも無表情な彼女とは違い、とても可愛らしかった。

 ほんの少しの違いだが、嬉しそうなのが伝わってくる。


「ぼ、僕の、友達に、なってくれる?」


 うわ、眩し!!

 彼女に後光が差している。

 なんというか、彼女の行動が純粋で眩しすぎて直視できない。

 そんなウルウルした迷子の子狼みたいな顔しないでよぉ~。

 

「よ、よろしくお願いします」

「んっ」


 氷姫(こおりひめ)ことティナ・スピットと友達&師弟関係となったのだった。

 ティナは話してみると案外と話しやすく、ちょっと世間知らずな所はあるが、普通にいい子だった。

 

「カリン、そうじゃない」


 私は今、近くの森でティナに魔法を教えてもらっている。

 魔法学校には訓練場はあるが、ティナが行きたくないので近くの森で訓練する事になったのだ。

 

「こう、ズバ~ンってやるの!!」


 そう言って彼女は水砲(ハイドロ)を放つ。

 私のとは違い、目の前の木にめり込んでいる。

 落ち込むなぁ~。

 わかってたことではあるが、これだけの実力差を見せつけられて私は少し落ち込む。


「大丈夫? 少し休む?」

「大丈夫、まだできるよ」

「無理しちゃ駄目だよ?」

「心配性だなぁ~、大丈夫だって」

「そう? ならいいけど」


 そう言って水砲の練習を続ける。

 結局、ティナの満足いく結果は得られなかったが、これなら試験を通過できるだろうとお墨付きはもらった。

 そうしていると、いつの間にか日が落ちかけていた。


「今日はここまでかな」

「そうだね」


 そう言って私達はシア師匠の元を訪れ、今日の訓練の報告をする。

 本来はシア先輩が師匠という風になっている。

 理由は異例中の異例が出ると魔法学校ではいい意味での注目より悪い方の方が多いからだという。

 だから私は名目上、ティナの姉妹という事になっている。

 

「今日もお疲れ様。 ティナ、彼女の調子はどう?」

「うん、試験までには何とか間に合いそう」

「そっか」


 試験、それは数か月に一度自分の覚えた魔法を発表する場だ。

 計四回中上級魔法以上の魔法を習得し、それぞれの属性を7大属性火・水・雷・風・土・聖・陰のどれかを試験で出すのだ。

 私としては適性属性順としては水と火を中心の魔法を使う予定だ。

 今回はそれで適切な魔法として、中上級魔法の水砲を教えてもらっていた。

 

「あとは本番までに安定させる。 それで合格、私と一緒に進級できる」


 親指を立て、彼女は自信満々にそう言った。


「あはは、頑張ります」


 正直、今回だってちゃんとした水砲が発動したのは何十回と練習してたったの五回だ。

 まだまだ試験に関しては調整する必要があるだろう。


「大丈夫、僕が見てるんだもん、絶対受かる」

「そうだね、受かるよね!!」


 正直な話、一生懸命教えてくれてはいるのだが、彼女のは抽象的でわかりにくい。

 とはいえ、彼女の魔法を見てやっていくことで少しずつ出来るようになっているのも事実だ。

 魔法はその魔法を扱う想像が大事だ。

 想像を固定することで魔法が発動すると言っても過言ではない。 

 加えて彼女の魔法は発動を想像するのに最適だ。

 火力や魔力の練度を自分の中で押し込むことで魔法を発動できるまでになりつつあるのだ。

 

「ありがとね、ティア」

「……んっ」

 

 ……ん?

 何だろう?

 彼女はじっと私の方を見つめてくるのだ。

 まるで子供が何かをねだるようなそんな感じで私を見ている。

 頭を撫でてほしいのかな?

 頭を少し前に出しているので、そうなのだろう。

 彼女は私より身長が小さいので撫でやすい。 

 っというか、彼女は他の子達に比べて一回り程小さく入学時、先輩が小っちゃい子扱いしてたら半殺しにされてた現場を見たことがある。

 まぁ、あれは酷かった。


回想

 場所は魔法学校校門前


「駄目だぞ、興味本位で魔法学校の入学式に紛れ込んじゃ」


 男子生徒⑴が馬鹿にするように言っていた。

 

「そう言うなよ、憧れなんだから仕方ないさ」


 男子生徒⑵が呆れたようにそう言っていた。

 

「お嬢ちゃん、もう少し大きくなったら試験を受けて正式に入学しな」


 男子生徒二名は高らかに笑う。

 それは明らかなる侮蔑と自分がどれだけ凄いのかを高らかに宣言するような言葉だ。

 流石に小さな子供にその態度はない。

 

「ほれ、迷子になるといけないから警備の所行くぞぉ~」

「そうそう、俺らも暇じゃないからなぁ~」


 流石の私もその言い方は我慢の限界だった。

 優しい雰囲気ではなく、馬鹿にするような言い方に私は我慢できなかった。

 

「ちょっと待ちなさい!!」

「あ?」

 

 私を睨みつけるような視線が突き刺さる。

 

「流石に言いすぎでしょ!! 」

「ん? あぁ、新入生か? お前、先輩の俺らにそんな口きいていいと思ってんの?」


 男子生徒⑴が私のネクタイを見てそう言い放つ。


「君、入学して調子乗ってんのか知んないけど、ここは実力至上主義だ。 入学して間もない一年なんてこの学校に入った瞬間、奴隷に等しいくらいだよ。 わかったら調子乗んな」


 ……はあ?

 今の言い方は尊敬できるものではない。

 人として言ってはいけない一線だ。


「……ぞ」


 ティアは氷のような表情と冷たい視線を向ける。


「……ん? なんていったのかなぁ~?」

「お前、このチビをビビらすなよ。 表情死んでんじゃん」


 瞬間、ティアは手を向ける。

 

「散れ、業火の炎 剛炎」

 

 中級魔法、剛炎を発動する。

 瞬間、男子生徒⑵は火だるまになり、叫ぶ。


「この!! 調子に……」


 魔法陣が展開されるが、硝子の様に魔法陣が割れる。


「何が……」

「編むのが弱い、こうする」


 そう言って彼女も魔法陣を展開する。


「雷の刃で貫く、雷刃」


 中級魔法の雷刃で男子生徒⑴を貫いた。

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