水着バンド
「ご馳走さまでした」
「お粗末さまでした」
音頭の手料理をご馳走になり、屋台は立ち上がりながら言う、
「そのまま置いておいてくれ、食器洗い位はやっておくから」
既にシャワーも浴び、何もかも音頭に任せっきりで悪いと思ったのだろう、しかし音頭は
「いや、手伝うよ、それに片付けたらちょっと話したいこともあるンだ」
「話したいこと?」
一瞬何かと思ったがとりあえず食器洗いを済ませてしまおうと思う屋台であった、
「それで、話したいことって?」
「文あやおじさんの運営してる海の家で、賑やかしで演奏しないかって言われてね」
「いいんじゃないか」
「水着で」
「いいんじゃないか」
「やっちゃんがボーカルで」
「いいん・・・ちょっと待て、何で?」
流石にそこは止まった、
「僕もりっちゃんもやったから、次はやっちゃんかなって」
「ふ~ん、ま、いいよ、問題なしだ、しかし文さんも色々やってるな」
文とは音頭と立花の母親の弟である、リサイクルショップも経営しているが、その他にも色々と仕事をしている人なのである、
「それで、立花ちゃんと葵会長にも頼むのか?」
流石に二人では厳しい、
「もちろん、りっちゃんと葵会長も水着姿で演奏してもらうよ」
「二人とも水着姿で演奏してくれるか?」
「大丈夫、まずりっちゃんは」
音頭は言葉途中で立ち上がり、扉を開けるとそこには音頭の妹[祭 立花]の姿があった、
「ネ、りっちゃん、どう?」
「と言うより、どうしているのか、疑問に思わないのか?、立花ちゃん、いつからいたの?」
「お母さんが夕飯のカレー作りすぎちゃったから、屋台君にお裾分けって持ってきたんだ、音兄ちゃんの[賑やかしで演奏]辺りから聞いてたんだけど」
割と肝心な部分から聞いていた立花であった、
「私は別にいいよ」
「随分あっさりオッケーだね,立花ちゃん」
「まぁ、この前やってもらったからね、それに今回は屋台君がボーカルなんでしょ?」
「そ、今回はやっちゃんにボーカルをやってもらうよ~」
「ま、今回は歌わせてもらうよ」
「よし、じゃあ明日は葵会長を誘いに行こう」
「それが一番の問題なきもするけどな」
「屋台君、お母さんからのカレー、置いとくね」
「ありがとう、おばさんにも明日の朝、お礼を言いに行くよ」
「お母さんは気にしないでいいって、言ってたけどね、じゃあまた明日、ほら音兄ちゃん、帰るよ」
「また明日ね~、やっちゃん」
「ああ、また明日」
二人が帰って、屋台はカレーを冷蔵庫にしまいながら呟く、
「ホント、どれだけ俺を救ってくれるんだろうな」




