二人の間にあるもの
「と、まぁそんな理由ですかね」
話し終わると屋台はオレンジジュースを一口飲み、
「それから音頭と一緒に何かやることが楽しくてしょうがないんです」
葵も前原も途中口を挟まずに聞いていたが、
「だけど夜空、それだけなのか?」
「それだけと言うのは?」
「夜空君の行動を見ていると、他にも祭君が色々とやっているように思えるのです」
葵も前原と同じ事を思ったのだろう、子供の頃のそれだけではない、と、
「勿論、今まででその他諸々の出来事がありますよ」
屋台は喜木として話し出す、
「夜一人で寝ようとして怖くなった時は必ず音頭が布団に入ってきて、朝起きると何故か立花ちゃんと音頭のお母さんの睦さんもいて、家に[ただいま]って帰ると結構な確率で音頭が[お帰り~]とか言ってくれたりしますね」
「夜空君が寂しくないよう、音頭君はいつも一生懸命だったんですね」
葵は二人の昔話が聞けたことに、嬉しく思っている、
「でもよ、言っちゃなんだけどそこまで来るとウザいとかって思わなかったのか、祭がいつも元気なのは知ってるが、度が過ぎる元気は煙たがられるんだぜ」
前原は音頭が目の前にいるにも関わらずそう言った、しかし屋台はハッキリと言う、
「そんなの思うに決まってるじゃないですか、そしてその[ウザいほどの元気]に俺は何度も救われているんですよ」
「何度も聞いてるけど、やっぱり照れるね~、やっちゃんからそう言われると」
「これは俺の絶対変わらない本心だからな」
確かにできてるとか、首を横に振らないとか、[祭 音頭]と[夜空 屋台]の間にあるのはそんな些細なものではなかった。




