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あっと!ヴィーナス!!  作者: 神崎理恵子
アポロン編
19/52

第二章 partー6

「で、どうやってアポロンの元へ行くんだ?」

「わからん」

「わからんって……なんでやねん」

「ああ、アポロンは居所をちょこちょこ変えるし、隠れ家なんかもあるからね」

「じゃあ、どうやって探すんだよ」

「愛を連れていったのは使徒だ。そいつを追いかければ判る」

「何言ってるの。そいつはとっくに空の彼方だ」

「わたしを誰だと思っている」

「天空の女神だろ」

「で、能力を知っているか?」

「天空を駆け巡り、時を操る……って、おいまさか!」

「そのまさかよ。愛が誘拐されるその時限に遡り、使徒の後を隠れて追いかけ、アポロンの居場所へ案内してもらうのさ」

「なるほどな」


「では行くぞ」

「おうともよ」

 ディアナが手を前に突き出すようにして、

「ゲート、オープン!」

 と言うと、目の前に時の扉が現れた。

 扉には【過去への扉】という札が掛かっていた。

「なんだよ、この札は」

「君にも理解できるようにしたつもりだが」

「そうか。では、ノックしてから入るのか?」

「なぜそうする?」

「部屋に入るときは扉をノックするのが礼儀だろう」

「その必要は無い」

 というとディアナは扉のノブを回した。

 目の前には、どこへ続いているか判らぬ暗黒の闇が広がっていた。

「着いて来い!」

 扉の中へと入ってゆくディアナに続いて、弘美も恐る恐る入る。


 暗い扉を抜けた先は雪国、ではなくて弘美が働いているファミレスの前だった。

「なんだファミレスじゃないか」

 行き交う人々の中に、見知った人物がいたので声を掛けようとすると、

「待ちなさい。ここは過去の世界だ、干渉することは許されない」

「未来が変わるとか、パラレルワールドに突入するとかか?」

「それもあるが、アポロンに気づかれるかも知れぬ」

「触らぬ神に祟りなしか」

「まあ、そういうことだ。そもそも我々の姿はこの世界の人々には見えない」

「なんだ」

 ファミレスから弘美と愛が楽しそうに出てくる。

「ふうっ!疲れたあ」

 大きく伸びをする愛。

「それにしても……あの人、なんだろうね」

「例の客?まだ食べているのかな」

「ううん……どうかな。もう食べ終わってるんじゃない?」

 談笑しながら帰り道を歩く二人。

「同じこと喋ってるな」

「当たり前だろ」

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