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あっと!ヴィーナス!!  作者: 神崎理恵子
アポロン編
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第二章 partー4

 愛が連れ去られた!

 しかも羽根が生えた黒服の天使?によって空の彼方へと。

 天使、天使、天使……。

 天使といえば天上界。

 天上界といえば、ヴィーナス!?

「まさか、ヴィーナスの差し金か?」

 大急ぎで、自宅へと駆け出す弘美。

 息咳切りながらたどり着いた自宅に駆け上がり、台所に飛び込む。

 そこには、相も変わらず酒びたりのヴィーナスがいた。

「ヴィーナス!愛ちゃんをどこへ連れて行った!!」

「なんのことらろ?」

 呂律の回らない口調で問い返すヴィーナス。

「愛ちゃんが連れ去られたんだよ!」

「つれはられた?」

「羽根の生えた天使のような黒服に空の上に連れ去られたんだよ!」

「なんらろ?」

「天使は、おまえの仲間だろうが。おまえが指示したんだろ?」

「なんのことらあ?」

 へべれけに酔っていて、意思の疎通ができない。

「まったく肝心な時に役に立たない奴だなあ」

 どうするべきかと悩む弘美。

 こうしている間にも、愛が何をされているか……。

「なんで、愛ちゃんがさらわれなきゃならないんだよ」

 いきどおりを収めきれない。


 その時だった。

「お困りのようだな」

 どこからともなく声がした。


 その声は母ではなく、もちろんヴィーナスでもなかった。

 ヴィーナスの方を見ると、すでに昏睡状態のようで話しかけることはできないだろう。

 あたりを見回したが、自分とヴィーナス以外は、ここにはいなかった。

 では、誰の声だ?

「うふふふ……」

 まただ。

 姿は見えないが、確かに誰かがいて話しかけている。

「もしかして、ディアナですか?」

 姿が消せるということは、神の部類以外に無い。

 ヴィーナスに初めて会った時に、天空の女神ディアナのことを、口を滑らしていた。

「ほほう……。記憶力は良い方だな」

 と言いながら、スーーと姿を現した。

「ヴィーナスが話していましたからね。女神は他にはいない」

「なるほど。改めて、天空の女神ディアナだ」

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