表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/25

二十三 - 霊別/蓮浄 凛

「薫?薫!?」


「待って、蓮浄さん」


 弥生の声に振り返ると、弥生と彼女の祖母がそれぞれの手に神楽鈴を持ち、もう片手で印を結んでいた。


「わしらの力ではもう限界じゃ。その小娘は…もう…」


「蓮浄さん、水無月さんに人の心は確かにあった。けど、山の禁術で二人の命を奪った罪からは逃げられないよ…」


「そんな、薫!?」


 薫が見慣れた笑みで喋る。しかし、そこには苦痛の色も浮かんでいた。


「ずっと前から覚悟はしてた。これから私の魂は山に沈み永遠に山中をさ迷う事になるだろうね…。禁術の…罪は…重いから…ね…」


 私の目には涙が浮かんでいた。弥生も美里も老婆も皆固唾を飲んで見守っている。


「美里さん、弥生さん、老巫女さん、本当に、ごめんなさい。蓮浄さん、いや…、凛…。ごめん…ね。そ…して、ありが……とう。楽し…………か…………………」









 次の瞬間、私達三人は例の崖の上に立っていた。

老婆も薫も、もうそこには居なかった。


 崖縁に四輪の濡れた彼岸花が咲いている。


 うち二輪はこの間の陰喰 律華と父親のものだろう。そして、この二輪はきっと…。


「彼岸花が咲きました」


 またあの声が聞こえる。

しかし、今までのような無機質な響きはなく、どこか優しげな温かい声だった。


朝日がダム湖の水面を優しく黄金色に照らしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ