23/25
二十二 - 影悔/蓮浄 凛
四人同時に振り返ると、例の老婆が立っていた。
老婆がゆっくりと顔を覆う布を外すと、弥生の目から涙が溢れた。
「お婆ちゃん…!」
「弥生や、寂しい思いをさせてすまなかったねぇ」
あの老婆が…。
そう考えていると、再び薫が口を開いた。
「美里さんの言う通りよ。蓮浄さんが良くも悪くも気になってしまった。出来るだけ側に居たくて…」
「ずっと居てくれたの、薫だったんだね」
祖母が亡くなって以来、部屋を横切るようになった影や、弥生の神社で見た御下げの少女の影を思い出した。そう、学校でも。
「でも、私はあなたと仲良しこよしするだけじゃ駄目だった。どうしても、ね。だから…」
「次は私だったんだ…」
冷静に美里が後を引き継いだ。
「そう。あなたは一度確かに死んだ。あのままなら私は甦ってた。でも、やはり家族愛には敵わなかったなぁ…」
「お母さん…」
「そう。ね…」
がくりと力無く薫が項垂れた。




