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新青天の霹靂  作者: まめ
第五章 新章
46/51

青天の霹靂45(仮装)

そして、競技が始まった。

廉夏の午前中の競技で廉夏は、100メートル走に力を使ったが、廉夏はビリから2番目で落ち込んでいた。冬眞は苦笑いして慰めるそれが肯をそうしたのか、二人三脚は1位だった。こうして、午前の競技は終わった。

午後は廉夏がなぜか燃えていた。

なぜと首を捻る冬眞の元に謎での集団が取り囲んだ。

「神崎先輩ですか?」

少し恐縮しながら聞いて来る。

「そうだけど?」

もう、11年経っているのに、冬眞は未だに知られているらしい。

仮装に身を包んでいる6人の男たち【女装している、何とも妙チクリンな男性達】が言う。

「王子がお待ちです」

「王子ねぇ」

冬眞は何か嫌な予感がする。

「行って来いよ。王子がお待ちかねだ」

笑って廉は言う。

「廉さん他人事だと思って楽しんでいますね」

「当然」

冬眞の反応を迎えに来た男の子達は困って見ている。

「あぁ~、分かりました。もう行って来ます」

仕方なく冬眞は、彼らを促す。

ここは、歳上の(コウ)だろう(笑)

「じゃあ、行こうか?」

「はい」

途端に嬉しそうな顔になる。

着替えるために、教室へ向かう。

彼らの様子に冬眞はため息をついて、ついて行く。

その途中で、冬眞はハタッと気付く。

「おい、ちょっと、待て。お前ら確か、今王子が待っているとか、言わなかったか? ってことは、俺は何だ?」

「えっ、姫ですけど?」

「って、俺には女装する趣味ないぞ」

「それは、困ります。これは、愛を描いたものですから」

「それはそちらの都合だ僕には関係ないね」

そう言うと、男の子達はオドオドする。

だから、冬眞は聞く。

「愛ね。で、これは誰が書いたって?」

あまりにオドオドするから、優しく聞く。

これでは、こちらが苛めている見たいじゃないか?

けして、苛めてないぞ。

そして、冬眞の予想通りの名が帰ってくる。

「話しを書いたのは、京極さんで・・・」

「やはりな」と、深々と冬眞はため息を付く。

(あのお嬢さんは、僕の女装が見たいのか? 本当に良い趣味してるわ)

考え込んだ冬眞に、迎えに来た学生は、怒ったと思い慌てる。

「神崎先輩が気に入るには、どうすれば?」

「そもそも、この話はどういう設定なんだ?」

「えっと、神崎先輩が囚らわれた姫で、それを勇者である京極さんが助け出すと言う」

「ふ~ん。ということは、それを囚らえた奴がいるってことだよな」

「ええ。魔王ですね」

戸惑ったように、青年が言う。

それを聞いて、冬眞は指を鳴らす。

「それだ」

「えっ、何がですか?」

指を鳴らすと、冬眞はこう言った。

「この中に魔王役の子はいるか?」

「僕ですが?」

一番ナイーブそうな子が言った。

この子は魔王って、感じじゃないだろう。

良いとこ村人Aとかだ。

配役からして、間違い過ぎてる。

「なぁ、ものは相談なんだが、その役を俺に譲ってくれないか? 俺と役の交代を」

「えっ、魔王をですか? ですが、勇者によって倒されちゃうんですよ」

魔王役の子が驚く。

「ああ、だが、魔王は勇者に恋してしまう。魔王にとっては、世界よりも、勇者を征服することに野望が変わるんだ」

「それって、面白いかもな?」

と、聞いてた男の子たちはみんな色めき立つ。

「俺が魔王をやれる衣装はあるか?」

「もちろんです。ありとあらゆるサイズの衣装が、揃えてありますから。僕が来れなかったとき、誰もが代役出来るように」

「じゃあ、ストーリーを変えよう。京極さんには内緒でな。サプライズだ。忙しくなるぞ」

「はい」

返事は元気だ。

「さて、どうするかな廉夏は?」

ニヤリと冬眞はほくそ笑む。

そして、ナレーションが始まった。

「その世界は暗黒の世界だった。その中でただ1人希望を失わない者がいた。彼の名はユーリ。その彼が今、暗黒の世界に囚われてしまった姫を助けようと、暗黒の世界に飛び込んだ」

と、始まった話しだが、突如ナレーションは廉夏の知らないものへと、変化していく。

魔王を倒そうと魔王城に行くと、突如ユーリの前に魔王が現れた。

台本にない筋書きだ。

廉夏は戸惑う。

えっと、これはどういうこと。

廉夏は校舎の端へと目をやる。

そのまま、やれと言う合図が出ていた。

すると、突然魔王が聞いてきた。

「そなたが選べば良い?」

冬眞が出てきた瞬間に観客のボルテージはMaxまで高まる。

「民の幸福か、自分の幸せか? 好きな方を選べ。まぁ、どちらを選んでも、そなたが私の元へ来るのは、変わらないけどな。あっ、姫はもういらないから返してやる。俺には興味ないからな。興味あるのは、騎士のお前だけだ」

という訳のわからん、冬眞=魔王のせいで、話は大幅に変わった。

たぶん、こんな上手く話を変えたのは、冬眞だろう。

「なっ」

廉夏は固まる。

それを冬眞は面白そうに見る。

「さ、選べば良い、そなたが。民の幸福か、自分の幸福か? 天秤に懸けろ。お前なら、どちらを選択する」

そう言われては、どちらか選らばなきゃ話は進まない。

選ぶ方も自ずと答えは決まっている。

だって、民を助けるために立ち上がった勇者だ。

自分の幸せ何て、選べるはずがない。

廉夏は悔しそうに下唇を噛む。

廉夏は冬眞の手を取るしかなかった。

話を進める上で、他に選択肢はなかったのだ。

廉夏は震える手を冬眞に重ねる。

「では、この勇者は私がもらい受ける」

そして、廉夏ごとマントで覆うと、その場を後にする。

教室へ行くと廉夏が怒る。

「これはなんだ? 私は聞いてないぞ」

「僕も聞いてませんよ。あくまでも、僕は見に来ただけのつもりでしたから」

涼しい顔して、冬眞が言う。

回りは冬眞の仮装にうっとりとした。

だって、冬眞は完璧な魔王になって見せたのだから。

廉夏のクラスには、もちろん女性もいるが、その女性達はみんな男装をしている。

と言うことは、もちろん男子は女装である。

「でも、廉夏かっこよかったですよ」

「そうでしょ? 私も自信あったんだ」

ニンマリと笑う。

「でも、ごめんなさい」

素直に頭を下げる。

「廉夏は、どんな終わり方を望んでいたんですか?」

冬眞は聞く。

「終わり方?」

それに驚いたように、廉夏は目を見開く。

「ええ、そうです。だから、僕にあの役を押し付けたのでしょう?」

冬眞が言うと、逆に冬眞に質問を返す。

「私と言うより冬眞がどう終わらせたかったのかが、見たいから冬眞にあの役をふったの」

「だったら、こんな回り口説い手をつかわず、直接聞けばいいじゃないですか?」

そう言って、廉夏の顎を指でくいっと持ち上げる。

「ほら、言ってみ。廉夏の望みを」

目が合うと廉夏は真剣な目をして聞く。

「だったら、聞いちゃう。冬眞なら姫は助けられるべきだったと思う?」

「さぁね。ただ、僕は護らなきゃいけない(ヒト)は、そもそも好きにはならないんじゃかな?」

「あっそ」

呆れたように、廉夏は言った。

「だって、廉夏は、ただ守られるのは好きじゃないでしょう? 共に相手と、闘うことを選ぶでしょ?」

それに、廉夏は驚く。

冬眞は私を主体に考えてくれていたんだと気づく。

「僕は結婚式の時にも言いましたよね。『あなたが討たれることを良しとするなら、僕はそれからあなたを守る壁となる』って」

「私は壁なんていらない。でも、嬉しいよ」

廉夏は泣く。

そして、冬眞に抱き付く。

冬眞は驚きながら、抱き止める。

「廉夏、どうしました?」

「冬眞のバカ~。壁になんかになって欲しくない。それより冬眞は京極の名に負けないで。押し潰されたら、赦さないんだからね。今まで、じい様と廉兄しか、勝てた者はいなかった。それほど、京極は大きくなっちゃたの。人が統べるには大きすぎたの。だからなるなら、剣になって私が冬眞を守る盾になるから」

冬眞は、弾かれたように、廉夏を見る。

そして、笑って言う。

カシコまりました。他に僕に言っておくべきことはありませんか?」

「ずっと、横にいてね」

「ええ、ずっと一緒にいます。僕でよければ」

そう冬眞は言ったのだった。

そして、二人は静かに口付ける。

廉夏は泣いて喜んだ。

泣き止むと、廉夏は廉のところに行く。

「お兄ちゃん、お疲れ様会に、焼き肉食べに連れて行って」

「って、お前のクラスが優勝したわけじゃないじゃないか。まして、お前のクラスは何位だったっけ?」

「えっと、9位かな?」

「お前それ、ビリじゃないのか?」

「違うわよ。ビリから2番目だよ。でも、お疲れ様会には、順位は関係ないんじゃない」

と言って、廉夏は笑う。

それに、廉は呆れる。

「まぁ、連れていくよ」

「有り難う。冬眞はケーキ買ってね」

「理由を聞いて良いですか?」

「どうぞ」

ニッコリ笑う。

「なぜ、僕は見るだけじゃなく、役までやらされた上げく僕がおごらなきゃいけないんですか? 逆ならわかりますが?」

「私が気付かせてあげたのよ? 感謝して欲しいな」

「何をですか?」

「冬眞は何をしてもいけるって、教えて上げたんだよ」

「それを人は言う。『ありがた、迷惑』と」

「えー、感謝するの間違いだと思う」

膨れる廉夏に、廉は笑う。

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