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新青天の霹靂  作者: まめ
第五章 新章
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青天の霹靂44(体育祭)

待ちに待った体育祭が幕を開けた。

だから、廉夏は朝から子どものようにおおはしゃぎだ。

体育祭を見に来ていた日向と冬眞にいいところを見せたいのだ。

だけど、冬眞はアイドル並みに未だに人気があり、11年経っても、保護者の人が何を見に来ていたのか、分からなくなり日向は笑う。

彼は、たまたま休みにかち合い、休みじゃない廉の変わりにビデオを持って来ていた。

何て、友達思いな奴だろう。

と、廉夏は笑って思う。

「なに、笑ってるんだよ」

日向は不機嫌そうに聞く。

「いや、友達思いだねと思ってさ」

廉夏はクスクス笑う。

「ウルセェよ」

「それより、板垣は何、笑ってたのよ」

「悪い悪い。いや~、学生さんは可愛いなと思ってね」

「おじさんを喜ばせるために、学生やっているわけじゃないんだけど」

不貞腐れたように、廉夏は言う。

「おじさんって酷いな。でも、それは知らなかったな。てっきり、お前らは俺を喜ばせるために、やってるのかって思ったよ。でも、お前さんの旦那、相変わらずモテるな」

「仕方ないよ。だって、冬眞は卒業してもさわがれたもん。並のアイドルよりも、カッコいいって。冬眞の乗ってるアルバムは、図書室から何度置いても無くなったしね」

「ハハハハハ。結局、お前はノロケているのかよ?」

「ノロケてないよ。ただ、本当のことを言っただけだよ。それに、冬眞が私を裏切ることはない。だから、心配するだけ無駄何です」

「そう言うものか?」

「そう言うものです」

「でも、学校側には、なんて言ったんだ。普通、結婚なんて許さないだろう?」

そう言われ、廉夏は笑う。

「許さないだろうね、普通は。だから、校長にしか言ってない。そこは、お祖父様の占いが役に起ったわ。今、結婚しないと廉夏が死ぬと涙ながらに語ってもらって。それが富豪の豪造氏とくれば疑いもせず、納得したわ。しかも、相手は冬眞。学校も反対する謂れはないと。未だに、冬眞の威光は残っているんだよね。だから、校長と約束した。生徒である間は、子供は作らないこと。それから、みんなには内緒にすること」

「って、もうばれてんじゃん」

「一部の冬眞の熱狂的なファンにはね。でも、彼女達は冬眞を困らせるようなことは、絶対に言わない。いや~、冬眞の威光って凄いわ」

そう言って廉夏は、笑う。

「そうかもな」

「それに、冬眞は私を絶対裏切らないと私は信頼しているわ」

それに、日向は面白くなさそうに、ケッと、だけ言った。

「あら、つまんなそうね」

「つまんねぇよ」

「それは、残念ね。でも、どういう答えが私から聞けたら、日向は気に入るのかしら」

それに、日向は笑って言う。

「そうだな。『もう、ムカつく、写真撮らないでよ。その人は私のものよ』とか」

それに、廉夏は爆笑する。

「思ってないわけね」

それを見て、日向は呆れる。

「思うわけないじゃん。だって、これから楽しい催しがあるんだもん」

と、言って廉夏は冬眞に意味深な視線をやる。

「何だよ。その催しものって」

「後のお楽しみ」

廉夏は、そう言って笑う。

日向は呆れを通り超し、尊敬すらする。

「お前のご主人様は対したものだわ」

「妬いているの?」

「ワリイか。そう言えば、廉夏は何出るんだ?」

「えっとね。午前中が100メートル走と組体操で、そして午後から、二人三脚と最後のメインイベント仮装大会だよ。応援してね」

運動会は、始まった。だから、廉夏はクラスのところに戻った。

競技はどんどん進み、冬眞もようやく女の子達から逃げられて、日向の元に来た。

「どうしたんですか?」

日向の何かを悩んでいる顔に、冬眞は聞く。

「いや、別に」

「別にって顔じゃないですよ」

「いや、なに、あいつの周りの期待は大きいなって思ってよ」

「廉さんに対するものですね」

冬眞にそう言われて、日向も頷く。

「僕もそれが心配何です。周囲の期待に押し潰されないかなって」

「お前も、そう思うか?」

「ええ。廉さんは過剰に必要とされ過ぎてて、その重さに押し潰されてしまいかねないですからね。だから、僕が支えてあげたいんです」

「そうなんだよな。でも、あいつの周りにお前のような奴がいてくれて良かったよ」

「滅相もありません」

冬眞は頭を下げる

「これからも、あいつを支えてやってくれ。あいつは自分で背負い込もうとするふしがある」

日向が言うと、冬眞はそれを聞き言う。

「つまるところ、マゾって奴ですね」

「うまいな、お前。でも、あいつにそんなこと言えるの、お前だけだぞ、たぶん」と、日向が言うと、冬眞は笑って言う。

「僕は廉さんの大切な妹さんを託された人間ですから、これくらいは許されますよ」

「甘いな。あいつの器は極端に狭いんだ。覚えておけ」

日向がそう言った時、後ろから聞こえるはずのない声が聞こえた。

「誰の器が小さいって?」

「いえ、廉さんは器が大きいです。はい」

日向は慌てて否定する。

「廉さん、仕事は?」

「終わらせたよ。終わって来てみれば、ずいぶん面白そうな、話をしているじゃないか? なぁ、日向。それより、お前ら何か忘れてないか? 家に帰ったら、観月がじい様と縁側で茶をしてたぞ」

「ああ。わりい」

日向は完全に忘れていた。

抱き付こうとしたら、観月は廉に抱き付く。

不敵に笑う廉に、焦って言い訳を日向はする。

「観月忘れてた訳じゃないって」

「大丈夫、観月大人だから怒ったりしないもん」

「って、めちゃめちゃ怒ってるのね。すいませんでした」

それを聞き、廉は笑う。

「お前、大変だな」

「廉さんは実に社交的でお優しいです。はい、けして、私が廉さんのことを器が小さいなんて言える分けないです。今のワタクシ)があるのは、ひとえに廉さんのお陰です。はい」

「嘘くせぇよ」

日向がそう言って、謝ると廉は笑う。

「ごめんなさい」

「もう、お前の本音が分かったから、どうぞ、続きを」

それに、冬眞は笑う。

「お前、俺が言い返せないことを分かって言ってるよな。性根が腐ってるぞ」  

「腐ればそれを養分として、また根がでるさ」

廉は、面白そうに言った。

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