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【書籍化】悪役令嬢のダイエット革命!〜前世の知識で健康美を手に入れてざまぁします!~【3章スタート】  作者: 冬月子@悪役令嬢のダイエット革命2卷8/1発売!
3章 サロン《ラ・ベル・レジスタンス》と悩める令嬢たち――甘い誘惑と危険な計略

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「やっぱり簡単に痩せる方法があったじゃない!」

SIDEクラリッサ


以前のエリザベートは、社交界の笑いものだった。

公爵令嬢という高い身分に生まれながら、その肥えた体は格好の噂の種で、舞踏会では陰口が絶えなかった。誰もが彼女を見下していた。

もちろん、私も。

だって私は痩せていて、私は痩せていて、若く、それなりに容姿にも恵まれていた。家族から期待され、いずれは望まれた結婚をする予定だった。だから彼女は私より下の存在――そう信じて疑わなかった。

彼女を見れば、自分はまだ恵まれているのだと安心できた。彼女が嘲笑われるたびに、自分はあちら側ではないのだと優越感を覚えた。


それなのに。


エリザベートは見事にダイエットを成功させ、華々しく社交界へ返り咲いた。

今では令嬢たちの憧れの的。誰もが彼女の美しさを称え、彼女の言葉に耳を傾ける。

かつてのエリザベートからは想像できない躍進だった。


嘲笑の対象に過ぎず、私たちが見下していた女が、どうして……。

私は、その現実を歯噛みしながら見つめることしかできなかった――。


「ずるいわ……」


私だって、以前は美しかったのに。社交界ではその体型を褒められていたし、結婚だってした。けれど妊娠してからは全てがおかしくなった。

体重が増え、体型も変わった。それでも子供を産みさえすれば、体型は戻ると思ったのに上手くいかない。

もともと情熱的な人ではなかったけれど、最近はますます私へ関心を示さなくなった。

会話も減り、視線すら合わせてくれない日もある。

全部、この体のせいだ。太ったから愛されなくなったんだ。そう考えれば全てが説明が付いた。


だから、本当に……本当に悔しかったけれど、以前は馬鹿にしていたエリザベートを頼った。

彼女が開いているダイエットサロンにも通った。

指導された通りに食事を見直し、運動も始めた。見下した彼女に教えを乞うのも、慣れない生活も苦しかった。甘いものを我慢し、汗を流し、毎日のように体重計へ乗る。

それなのに、思うような結果は出なかった。

多少は減ったけれど、鏡に映る私は理想とは程遠い。


……もちろん、お茶の時間に少しだけお菓子をつまんだ日もあったし、疲れて運動を休んだ日もある。

でも、それくらい誰にだってあるでしょう?

こんなに頑張っているんだから、少しくらい自分を甘やかしたって構わないはずだ。


そう自分に言い聞かせながら過ごしているうちに、数週間が経った。

期待していたほど体重は落ちず、鏡を見るたびに焦りだけが募っていく。

ついに私は、その苛立ちをエリザベートへぶつけてしまった。


「やせ薬があるなら売ってちょうだい」


巷では、飲むだけで楽に痩せられる薬があると噂になっていた。

それさえあれば、私だって元の体型に戻れるのではないか。

けれど、エリザベートは痩せ薬は販売していないと返事をした。

そんな薬を頼ってはいけないと、生意気にも説教をしてきた。

だから私は、その場では渋々納得したふりをした。

けれど、心の中では納得などしていなかった。


それから数日後。

私は別のサロンを訪れ、噂になっていたやせ薬を手に入れた。

半信半疑で飲み始めると、あれほど落ちなかった体重が嘘のように減っていく。

日に日に身体は軽くなり、鏡に映る自分の輪郭も少しずつ変わっていった。


「なんだ……」


思わず笑みがこぼれる。


「やっぱり、簡単に痩せる方法があったじゃない……!」


食事改善や運動なんて面倒なことをしなくても、結果は出せる。

私は間違っていなかったのだ。

きっとエリザベートだって、この薬を使って痩せたに違いない。


「なんて、ずるい人なのかしら……」


自分だけ成功の秘訣を隠して、立派なことばかり口にしていたなんて。

知らず知らずのうちに唇を歪めながら、小瓶をぎゅっと握りしめた。


「これで私も、もう一度美しくなれるわ……!」




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