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【おまけ】讃岐と越と甘納豆

連投だ……!

 同じクラスのマイクから、甘納豆を貰った。どうやら、あまり好きじゃなかったらしい。そんな理由だけで、俺に渡されても困る。俺はどうにも、この甘納豆を好きになれない。いや、詳しく言うなら、食う気になれない。どうにも、俺の苦手な納豆と被ってしまうからだ。う~ん、さてこいつをどうしたものか……。


 そうして、屋上で悩んでいる時のことだった。急に俺の頭に、ゴムの矢がぴょこっとひっつく。この矢は……

「……勝負。」

越マキだ。どうして、越マキが俺に勝負を挑んでいるのだろうか。モーラスに付き添って行動すると、よく西園寺と出くわすのだが、その時必ずといって良いほど、こいつもいる。あったら、お辞儀ぐらいはする仲だが、そんなに接点はない。というか、正直に話すと、あまり俺はこいつが得意ではない。どーやら、代々忍者の家系にあるらしいのだが、いつも忍衣装を着ている。この忍者というキャラと俺の大道芸というキャラがどーにも被ってそうで、苦手なのだ。

「勝負? いったい、何で勝負するんだ?」

大道芸と忍者ということだから、お手玉勝負でもするのか?

「……お茶。」

「ん? お茶?」

「……うん。私がお茶淹れる。あなた、それ飲む。」

うーん、果たしてそれは勝負になるのか……。まあ、売られたからには買うしかねーぜ、その勝負!

「よし! 乗った!」


 勝負を受けてからというもの、越は茶道具のセットをサッと取り出し、釜で湯を湧かしている。俺も、越が「……火がない。」と言うので、大道芸で使うバーナーを貸してやった。ちなみに、水は日本の軟水を使っており、水道水ではなく天然水を使用しているらしい。まあ、お茶には軟水が合いますわな。


 そうこう考えている内に、越が、湧かしたお湯で茶を淹れている。うーん、良い香りだな……。茶を淹れる前から、良い香りはした。だが、お湯を入れることによって、その抹茶独特の甘い豊かな香りを、湯気を伝い、俺の鼻へと届ける一助となっている。結構、良い抹茶使ってんだなぁ……。


 香りを楽しんでいる間に、もう越はお茶を立てていた。このシャカシャカ言うのが、なんだかお茶を楽しめる要素の1つだと思うんだよなぁ……。この音1つで、良い茶碗だってのが分かるくらいだ。

「……はい、どうぞ。」

茶を立て終えたのか、越が俺に茶を薦めてくる。

「おー、では、お点前頂戴いたします。」

そうして、俺は茶を飲み、ズズッと吸う。うーむ……

「結構なお点前で……」

ものすごく美味しかった。香りが鼻を貫く、抜けるといった表現はあるが、この抹茶は非常に優しい香りが鼻を包み込むと言ったら良いのだろうか。抹茶の柔らかい感覚が、俺の鼻と口内を包み込んでいた。

「私の、勝ち……!」

越は、鼻をフンスとさせながら、拳をグッと握り、小さくガッツポーズをしていた。

「ああ……俺の負けだ。どうだ? 一緒に飲まないか?」

「……うん。」


 2人で1つの茶碗を回し飲む。ぼーっと屋上で空を見ながら飲むお茶というのも、中々乙なものだ。あっ、そういえば……

「茶菓子といっては、なんだが、越マキ。甘納豆があるんだが、食べるか?」

甘納豆の存在を忘れていた。食べないのも、勿体ない。ここで食べてしまおう。

「……うん、食べる。」


 こうして、2人で甘納豆をつまみながら茶を飲む。甘い甘納豆と深みがある茶との相性は抜群だった。とても、茶が進む。

「……うまいな。」

「……うん。」


 こうして、越と一緒に茶を飲んでいる状況というのも中々おかしな話だ。結構、苦手だったんだがな。んまあ、なんというか考えてみるとあれだ。うん、結論はあれだ。




 案外、甘納豆も悪くない。


こういう関係も良いのではないでしょうか。

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