表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
のんびり暮らしたい情報処理技術者、村の防衛網をアップデートしたら鉄壁の要塞都市になった件  作者: GenerativeWorks


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/27

第25話:空中サーバー(飛行艦)への強制アクセス

「……一分だ。リーナさん、全力でリソース(魔力)を回してくれ!」


サトウが叫ぶと同時に、村の中央ノードから凄まじい青白い光が石板コンソールへと流れ込んだ。


村中の明かりが消え、井戸のポンプが止まる。

生活のすべてを「計算資源」に注ぎ込んだ、背水の陣だ。


「……アクセス・リクエスト、送信。……プロトコル、帝国軍事暗号・Ver 8.2……。古すぎるな、脆弱性バグだらけだ」


上空。帝国の飛行艦『ヴォルガ』の甲板では、魔導砲のチャージが最終段階に入っていた。


「照準固定! 座標不明だが、このエリアごと消滅デリートさせる! 放て――!」


艦長の号令が響く。

だが、引き金が引かれる直前。


艦内のすべての魔導回路が、不気味な紫色に明滅した。


『Critical Error: External override detected.』

『Status: Administrative privileges revoked.』


「……な、なんだ!? 制御が効かん! 操舵輪ハンドルがロックされたぞ!」


サトウの石板には、飛行艦の「内部構造図(ディレクトリ構成)」が筒抜けに表示されていた。


彼は地上の隠蔽用リソースをすべて「攻撃用パケット」に変換し、飛行艦の無防備な受信ポートへと叩き込んだのだ。


「……ビンゴ。やっぱりな。こいつの姿勢制御システム、地上との通信モジュールと『権限分離(特権分離)』ができてない。……外部通信ポートから、一気に心臓部まで駆け上がらせてもらうぞ」


サトウの指が、光の速さで石板を叩く。


飛行艦の「管理者パスワード」を、かつて逆探知で得た断片データから推測し、瞬時に突破クラックした。


「……ルート権限(全権)、奪取完了」


サトウが「Enter」を叩いた瞬間。

巨大な飛行艦のエンジン音が、不自然な高音を立てて停止した。


「……さて、再起動リブートの時間だ。ただし、設定ファイルを『空(null)』に書き換えさせてもらった。……地上に激突したくなければ、今すぐ武装を解除して、全セッションを遮断(切断)しろ」


飛行艦の全スピーカーから、サトウの冷徹な声が響き渡る。


艦内の乗組員たちは、自分たちの「誇り」であるはずの無敵の要塞が、地上のたった一人の男に「リモート操作」されている事実に、恐怖を通り越して絶望した。


「……ば、馬鹿な……。剣も魔法も届かぬ距離から、我が艦を『無効化』したというのか……!?」


艦長がへたり込む。


空に浮かぶ巨大な兵器は、今やサトウの指先一つで「ゴミ箱」に捨てられるのを待つだけの、ただの巨大な金属のジャンクに成り下がっていた。


「……撤退しろ、帝国軍。……次に来るなら、もう少し『まともな暗号セキュリティ』を積んでくることだな」


サトウが「接続解除(切断)」を命じると、飛行艦はふらつきながらも、命からがら国境の彼方へと去っていった。


村に、再び明かりが戻る。

リーナがへたり込み、バザル村長は泡を吹いて倒れている。


「……ふぅ。サービス復旧。……リーナさん、悪いけど、石板が熱暴走ヒートアップして動かない。……冷たい水、持ってきてくれる?」


第4章、完。


隣国の「サイバー攻撃」と「物理襲撃」を完封したサトウ。

だが、彼の名は今や、世界の「技術者たちのリスト」の最上段に刻まれることとなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ