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のんびり暮らしたい情報処理技術者、村の防衛網をアップデートしたら鉄壁の要塞都市になった件  作者: GenerativeWorks


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第23話:物理層(フィジカル)への直接介入

「……チッ。リモートでの『サービス拒否(DDoS)』が効かないと分かると、今度は物理的な切断カットか」


サトウのコンソール(石板)が、けたたましいアラートを吐き出した。


村を囲む分散ノードのうち、北西の森に隠した「第12中継魔石」との通信が突如途絶ダウンしたのだ。


『Error: Connection lost with Node-12.』

『Cause: Physical Layer Disruption.』


「サトウさん! 北の森の方で、見たこともない黒い服の人たちが……!」


リーナが息を切らして駆け込んでくる。


それは、帝国の『物理デバッグ部隊』――隠密魔導工作員たちだった。彼らは高度な隠蔽魔法ステルスを纏い、サトウが構築した「論理的な壁」を無視して、物理的に魔石を破壊し、ネットワークを分断しようとしていた。


「……あいつら、インフラを直接叩きに来やがったな。キーボードを叩いてるだけじゃ済まないってわけか」


サトウは腰のベルトから、普段は使わない「予備の魔導ペン(レンチ兼用)」を抜き取った。


「リーナさん、村の自警団に伝えて。『境界線エッジ』に侵入者がいる。……ただし、深追いはしないで。あいつらの狙いは、俺の『ソースコード(石板)』だ」


「はい! ……でも、サトウさんは!?」


「……俺は『ルーティング』を書き換える。一本の回線が切れたくらいで、この村のシステムが止まると思ったら大間違いだ」


サトウは石板を高速で操作し、失われた「第12ノード」を迂回する代替経路ダイナミック・ルーティングを瞬時に構築した。


『Rerouting traffic... Done.』

『Redundancy: Active.』


だが、敵の攻撃は止まらない。

闇の中から放たれた黒い魔弾が、次々と村の魔石ノードを正確に射抜いていく。


「……計算が合わない。あいつら、どうして隠し場所を正確に把握してるんだ? ……まさか、さっきの逆探知の瞬間に『パケットの反射時間』から物理的な距離を逆算(三角測量)されたのか?」


敵もプロだ。


サトウが仕掛けたハニーポットの応答速度を解析し、村の中にあるノードの正確な座標を特定していたのだ。


「……なら、こっちも『物理的なパッチ』を当てるまでだ」


サトウは森へ向かって駆け出した。


木々の影から、黒装束の工作員が一人、音もなく飛び出してくる。

その手には、魔力を吸い取る『アンチ・マナ・ダガー』が握られていた。


「……コードを書くのも大事だが、現場の保守メンテナンスには体力も必要だってことかよ」


サトウは迫り来る刃を紙一重でかわすと、魔導ペンを工作員の胸元に叩き込み、一気に「過負荷ショート」の術式を流し込んだ。


「グアァァッ……!?」


「……悪いな。俺のシステムに『不正なアクセス(物理)』をしようとしたペナルティだ。……強制終了シャットダウンしてろ」


工作員が崩れ落ちる。だが、周囲にはまだ無数の気配があった。

彼らの狙いは、村の破壊ではない。


サトウを捕らえ、その頭脳(技術)を帝国の「外部API」として組み込むこと。


「……さて、多勢に無勢か。……リーナさん! 村の中央ハブに予備の魔力を全投入フルスロットルしてください! ……今から村全体を『不可視の仮想化ステルス・モード』に移行させます!」


物理的な襲撃に対し、サトウが選んだのは「村そのものの存在を隠蔽マスキング」するという、狂気的な回避策だった。

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