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第13話 雪の葛藤
ヨゼフと約束の時間まで雪を探すことにした。
宿屋、道具屋、武器屋、防具屋、アクセサリー屋、食材の露店と探した。
雪は見つからない。
諦めかけていた。そして酒場に入った。
そこにはエールのグラスを持った雪が座っていた。
◆◆雪の回想◆◆
私は逃げた。命からがら逃げた。仲間を見捨てた。
でも・・・死にたくなかった。
私は走った何度も転んだ。
膝は擦りむけた。
走った。ただ走った。
そして街に着いた。
私は後悔した。仲間を見捨てたのだ。
(ごめん。美里、隼人、崇・・・)
悔しさと罪の意識に雪は唇を噛んだ。
血の味がしてくる。
雪はそのまま、ギルドにも行かず酒場に向かった。
「お?珍しいお客さんね。いつものミルクかしら?」
マスターは物珍しそうに言う。
「エールをください。」
私は普段はお酒など口にしないのだ。
でも今日は飲みたい気分だった。忘れたかった。
マスターは樽からエールを注いだ。
「はいよ。エールお待ちー。」
雪はエールを受け取り、一気に飲み始めた。
「ゲホッゲホッ」
勢いよく飲みすぎた雪はむせた。
「大丈夫かい、嬢ちゃん。何があったんだい?俺で良ければ聞いてやるよ。」
マスターは優しく雪に声をかけた。




