↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/32

STORY8:改変とズレ

門は馬車が通ると重厚な音と共に閉まる。

ついに、出た・・・

ホープとしてここを出るのには大きな意味がある、と思う。


思い出してみる、本来ホープとエルナーシアに起こる出来事を。

そう、本来は原作ゲーム3つ目のシナリオ

【ルミネスとグレイベルン】

どうしても外部から【向こう側】へ介入して欲しくないために一時的にグレイベルン門を閉ざし、要塞を強固に守ることになった。


そしてどうしても通過しようとするプレイヤー側の都合で

グレイベルン要塞で守るエルナーシア、門を守るホープと。

不本意ながらも、戦わなければいけなくなったエルナーシア、戦死する。

門も突破をさせまいとエルナーシアを失いつつも立ちはだかるホープ。

その強い気持ちも叶わず倒れ、その短い生涯を終える。


オレは、覚えていた。

その当時はプレイヤー側であろうとも悲しい出来事。

彼らの戦わねばならなかった理由、悲劇を増やさないために・・・。


この悲劇を自身で体験したくはない、もちろんこんなことはあってはいけない。

今その悲劇だけは避けていくために

オレはこの行動を取った、確実に回避できたかは知らない。

自身の取った行動に後悔なく、責任を持ってこれからも挑もう。



そんなことをボーっと考えてると馬車のキャビンの中での3人は

オレを見ている

「きいてる?!!」

「お兄様大丈夫ですか?!」

「ホープ様、しっかり!」


どうやら考えていたので3人の言葉に意識が向いていなかったようだ。


「すまん、これからのこと・・考えてた。」


エルナーシアがジト目で言う

「これからって?あたしから逃げるつもりだった?」

そうだった、エルナーシアに話していなかったよな、勝手についてきたし。

「自信と見識を広げるためだよ、本来は1人で行きたかったんだけどな」


すると残り2人もオレを細めた目でみてくる

「あの状態で外でたら、死にますね。」


「うん、見過ごすわけにはいかないとおもう、お兄様だけで行かせたくなかったもん」

まぁ、せいぜい模擬戦でクロエにちょっとアドバンテージ取ったくらいで1人の旅の安全が確保できるわけではないと、オレもわかってはいたが。


「ホープ様は短期間でだいぶ強くなられましたが・・わたしはあのまま見過ごしたくはありませんでした。」


アドーの目が細い、クロエを見る目が少しいつもと違った。

「クロエってホントにウソがヘタ。」


それをきいたエルナーシアがアドーへ向く

「ウソってなに?クロエって何年か前からホープ付きの従者やってるんじゃなかったっけ?」


アドーは少し言い控えているようだったが

「なんでもありませんー、エルナーシア様には!」


アドーは誰も見ていない場では口調を崩している。

きっとホンモノのホープと同じような接し方をしてたんだろうな。


「様、いらないからね?あの領内ではある程度の礼儀があっただけ・・エルでいいわよ?ホープ、アンタも!」


クロエは軽いため息と共にほわっと笑顔を向けた

「エル様らしいですね、あのときのまま。」


「なにそれ、褒めてんの?決まってるじゃない侯爵令嬢なんてかたっくるしい・・クソくらえよ。」


へぇ・・・エルってそういう人なのね。

原作でこういう表現してるの見たことない。

そうだった、オレがみている【エルナーシア・グレイベルン】はどうやら等身大、これが素なんだと。

やはりこの世界は原作があったとして、相手は生身の人間なんだと。


大体そうだ、クロエとの主従もある程度知りうる範囲だし

建前上だったエルナーシアとの婚約があったのと、ホープを守りたいといって散ったのも知ってるが このハチャメチャなのは知らない、とか。


アドーも甘えんぼだというのだけは知ってたが、この時点のアドーは戦闘面でもある程度の実力があるんだと理解した。

少なくとも順応デキていないのは【オレ】だけなんだと。


エルがクロエに対して遠慮なくガーっと言い放つ

「言っとくけど、ホープとアンタは主従関係。だからといってセクハラされたらイヤだという権利はあるの、ガマンしなくていいのよ?」


クロエはやれやれといった表情で

「慣れています、問題なしです」

クロエはウソツキだ、慣れてるというよりこの時点ではどっちかというと・・


アドーがこっちに目を細めて口を尖らせる

「お兄様はね・・うん、ヘンタイ。」

また顔を赤らめる、ねぇ、まさか・・・。


話が一切進まないので、いい加減先の話をすることにしたのだが。


「ひとまず!先のこと考えよう。路銀はある程度あるがこのままいくと夜になる、まずは街についたら宿だ。」


冷静に時間の流れ的にはそうなる。


こどもっぽくドヤるエルは

「バカね、お金ならあるわよかなり。想定してるにきまってるじゃない」


「エルおねーさまーーー!!」

感心したアドーが媚びているのかさま呼び。


クロエがヘンな顔する

「あらあら。」


オレは軽く情けなくなったが

素直にすごいと思った、この世界の住人はオレの精一杯なんてちっぽけなくらいにちゃんと生きている。


「頼りにしてるぜ、エル。」

称賛の言葉があまり思いつかないので妥当なことしかでてこない。

いいじゃないか、オレが情けないのは。


だから寄りかかることはなくとも、支えながら最初はやっていくだけ。

徐々に負担の比率を変えればいいのだから。


ふん、と鼻をならすエル。

「仕方ないから引っ張ってあげるわよ、必死についてきなさい。」

クロエは少し微妙な顔をしたがすぐにゆるやかにほわっとエルに笑顔を向ける。


オレは未知の不安をフっとかき消すように

「そうするよ。自身の未熟さを確認しながら・・な。」


一応キャビンの窓の外を見る。

舗装された道のようなものはあるが、お世辞でも言えないほどの荒れた道だ。

街灯?そんなものがあるとでも?


なんかでもわからないけどキャビンのとこなのか周囲を照らしているようなランプがあるが、やっぱこの世界にも電気ではないけどそれに代わるエネルギーがあるってことか?


この世界はやっぱり中世の世界をかたどってはいるが

どことなく【ロストブレイド】の世界をモチーフにした異世界で

あくまでちゃんと人間としてみんな生きていること、くらいだけはわかった。


エルが思い出したようにまた問う

「乗せてもらったときは問答無用で乗ることばっかり意識してたけど、ホープの思うその目的をもう1度聞かせてほしいの。」


オレはエルが本来死ぬということだけを伏せたのち

自身の建前での話を。

「以前から言ってた自信を取り戻すこと、外にでて見識を広めること。」


アドーとクロエは2人お互い見て

やれやれのポーズ。

もはやこれ以上は問うのも内容が変わらないと思われている。


エルはもう1つ問う

「それってホントに・・あたしのためなの・・よね?」

色々と不安があるもこの質問の答えは、Yesだろう。


最初はエルを死なせたくないために情がわかないためにとも思ったが

実際はオレの知らないとこで関係値が積み上がっているようで

あまり意味がなかったのかと。


ただ、グレイベルン要塞から偶然引き離せたのも意味があったし

オレが白紙に戻したことが一番でかいと感じたので1人で離れようとしたのも事実だった。


挙句の果てにオレは流されてクロエと・・・。

とても言えるような内容ではない。


1つだけ気になった。

「なぁエル、家から離れて大丈夫なのか?今更こんなこというのは野暮なコトだと思うが。」


鼻をふん、とならす。

「当然よ!兄たちがいるから。あたし1人が抜けても問題ないわね、しかもあたしはホープを見届ける役割があるもの。」

どうやら杞憂だとはいえど、オレに対しての好意がホンモノだと、そういうことだろうな。


どうすんだよこれ。


原作でそういった話がないからなにを本来のホープがしたのかもわからないからこれは想定外だった。


婚約を白紙にしたらすんなり離れられるものだと勝手に思い込んでた誤算だったということか。

机上の空論・・てか?


クロエはエルに優しい口調で包むように。

「純粋なのですね、エル様は。強引な態度でも内面は乙女そのもの・・・強い人。」


は?みたいな顔をしてエルが言い返す

「アンタ強いでしょ?なんでも持ってる大人って感じで、あたしでは敵わない。だからアンタを警戒してるの、女としてね。」


なにこれ・・・ガチでバレたらやばいやつじゃん。

クロエとエルはお互い目を逸らさない。


アドーはそれを見てそわそわしてるし。

「頼むからケンカだけはすんなよ・・?」

空気を読まなそうな発言でなんとかいさめようとするが。


「ケンカ?そのようなことをするわけがないじゃないですか。なにもないのですから。」

何事もなかったかのように平然とクロエが言い放つ。


いつまでこれを隠し通せるのか?

これも幸福になりたいの先の問題としては看過できないものとなってしまった。

オレに向かってくる気持ちに抗う勇気がなかった、から。


そう思ううちに光がぼんやり先に見えてきた。

街か?


「ここから先の街は神聖レフラルド、宗教感が強い街よ。話でしか知らないけどね?」

エルが説明してくれる。

続けてクロエが残念そうに語る。

「こっちの地方は未知数というより用がないので全く情報がありません。」


アドーが無邪気に目をキラキラさせていた。

「美味しい食べ物あるかな?!あと名物とか??」


オレはちょっと期待をしつつも不安と問題を抱えたままだが

アドーをみて少しだけ、ほんの少し安堵したんだ。

「遊びにきたわけじゃないんだぞ?オレは少なくとも、な。」


エルがそれを少し穏やかな表情で言い返す

「いいじゃない、遊び感覚でも。アンタ少し肩肘張りすぎなのよ、いつも。」

いつもってなんだ?オレの知らないホープは責任感が強かったのか?

今のホープはオレだ。


なので馴染まない自身のことだとしても

オレの知らない話をされていい気分ではないのだが。


それでも姿こそは偽りない、だから3人はこの顔を向けてくるのだとしたら。

少し疎外感を感じてしまう・・。

4人の中で1人だけ迷い込んだ人間そのものだ・・。


でも、オレはそのことをも模倣できる知りうるとこだけでもしつつ

前を向いていくと決めたから・・・。

オレがもう1度幸福になるために

そして今いるこのみんなが不幸にならないため。


謎を小出しにしたけど説明にしすぎたことと、馬車内でのやりとりがそれだけ濃密にしようとするのが蛇足になってそうでちょっと自身も困っています

それだけ距離があるということも加味していますが。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。