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STORY18:王都へ②ー決行ー

次の日の朝、ついにレフラルドを発つことに。


チェックアウトする際

「何泊も感謝する、またきてくれよな?」

と宿の主人が挨拶をしてくる。


「ああ、いい宿だったよ、またな。」

確証もない【またな。】である。


「一応王都だから、例の件もあるし警戒はしないとだめだな。」

オレは釘を刺しておくことにする。


エルとクロエは2人してオレを見てくる。

なんか昨晩あったんかな・・?

アドーはあれからオレの袖つかんでくるし。


各々抱えてるものもあるが先へ進まなければ。


「止まった時計が動き出しましたね。」

再び活気をとりもどしたかのように賑やかになりつつあるレフラルドをクロエはそう言ったのだった。


街の郊外には大勢の旅人や街の人の慰霊地を作る予定らしく

場所が確保されていた。


「全部は、守れなかったしわからないことだらけね、なんだかもどかしいわ。」

エルが少し憂鬱に語る。


アドーは普段の無邪気な印象が消えるほどにこの出来事にはショックを受けている。

そして袖を掴んで離さないまま。


そして街を出た、街の様子がどんどん遠ざかっていく。

頬を撫でる風が少し冷たく感じる。

問題は解決したはずなのにほんの少しカラダが冷えたきがする。


問題は王都までの馬車がない、徒歩でなければいけないこと。

朝からでてもまる1日はかかるであろう距離だと、エルは言った。


「幼少時に一度王都に行ったわ、王城は少し怖い、大人がすごく怖い目をしていて、王子もなにかベタベタしてきて気分が悪かった。」


侯爵令嬢くらいだと王城に招かれるくらいのものなのだろうか?

よくわからんが。

一応舗装されている道に沿って歩く、ヘンに逸れると迷子になるからだ。


オレは方向音痴の代表のようなものでこれは人としての器ではなく記憶や人格に依存しているせいでもある。


「死霊街道、ですね。」

なんだそりゃ?ずいぶんと縁起の悪そうな名前だな。

クロエが地理の勉強のごとく語る。

「以前から死霊などの魔物がでるといわれていました、現在はそのようなものよりは野盗とかのほうが多いらしいですが。」


野盗?物騒だな。なんといっても野盗のイメージは女、子ども、金。

気持ちの悪い話だ。


「野盗?ま、あたしにかかれば微塵になるわね!」

無謀に見えるエルの啖呵のようなのも理解できるようになってきた。


「怖いよ・・お兄様・・・」

アドーはアンデッドなどの魔物よりも人間のほうが怖いらしい。

「心配いりません、このクロエ、アドー様もお守りいたします。」


頼もしいものだ、しかしあのクロエの投擲の精度とか剣、ホントに気になるよな・・・生計を立ててたときの技能の名残なのか・・?


だいぶ歩いたがまだ数時間、疲れてきたな。

少し休憩を取ることにした

脇道の木陰で日陰になる場所があったのでそこに。


「オレが見張るからアドーとエルは休んでおいてくれ。」

見る感じ、2人が特に疲労が見えていたのでそうさせた。


クロエは持久力が高いようだった。

特に疲労が見えた様子もなく規則的な呼吸で平然としている。

「ホープ様も休憩なされては?お疲れのようですよ?」

そうはいかない、クロエ1人で見張りはなにかあってからでは困る。


「まだムリをなされてないですか?」

妙に気遣いするよな・・・やはり先日のアレのせいか・・死ぬかと思ったし実際奇跡が起きなかったら死んでるからな。


「心配かけたと思う、だけど過度な心配するのはやめてほしい、動きづらいんだ。」

オレがなにかするたび心配だ、心配だ、と言われると何もできなくなる気がする・・思い当たるフシは生前のオレの母親だろう。

過保護なせいでなにかあるとすぐに危ないやめろ、気をつけろ。


だがオレはオレの人生だと言い聞かせたら、納得してくれて以降は

オレの決めた人生を歩んである程度は幸福だったんだと思う。


「申し訳ありません、つい心配すぎて過度に声をかけてしまいました。」

やっぱりな、クロエってそういう感じするし。

まぁ主従関係があって、主とする人物を命を賭して守るってのは名目だけじゃないんだろうな。


妙に静かなのはアドーもエルも少し眠ってしまっていた。

アドーは昨晩オレの手を握ったまま離してくれなかったし。

エルはどうしたんだろうか?眠れなかったのか?


木にもたれかかって静かに寝息をすぅすぅと立てているエルの顔。

こんなに穏やかで普段は悪態ついたりして元気にしている状態からは想像もできない・・


水々しくぷるんとして唇がわずかに動いている・・・

オレはそれから目を離せなかった、それだけではなく喉をならすほどに見入っている・・。


首を左右にブンブン振った

イヤイヤイヤ、なにを今思った??

なんか思ったことがさ、感情をあそこまでぶつけてくるやつって転生前はなかったんだよ。


なんとなく泣いてきたり、完全に音信不通になったり、疎遠になったり。

どこか諦めが早い人ばっかり。

なんかこう・・執着が足りないというか・・?


いや、おそらく好意ではないのだが執着といえばネットでちょろっとそういう会話をネットの友人とかに話すとそれを特定して自宅を突き止めてきたのはいたけど、そこの心理はよくわかっていない。


それくらいの執着がないと納得できないというのもヘンな話だった。

そもそも特定してくるのは本来の人では脅威だから。


まぁいいや、その話はキリがないし、今大事なことではない。



結局は好きの反対は無関心 であることだと思っている。


なので関心があるうちはなにか取っ掛かりがあるというだけまだ救いがあるのだと悟った。


そして2人が目覚めたあとは交代して見張ってもらった。

特にはなにもなく野盗が出るという危機も起きずに再び目指して歩いていったのだ。


そのとき、例の記章と同じ紋章の馬車が王都方面に向かって走り出していった。

「王都へ王国の馬車が走っていきましたね?」

別にヘンではないのだと思っているのだが、今の報告に意味を持つのかは

クロエに問うことにした。

「やけに慌てているようでしたね、さっきこちらは向こうから歩いてきたのですが辿ってきたのでは?」


教会にいた神父の格好をしたのが例の領主だとして、あの状態に気づいて?

気になったのはあの馬車は武装していたな。

装甲があったりキャビンの部分の窓が格子になってたり

護送とか護衛とかそういうのだろうか?


なんかイヤな予感がするけど。

なんだかんだで話しつつ王都が見えてきた。


門が見えてそこには衛兵が2人見張っている。

なんなく挨拶を交わし、オレらは入っていった。


【王都ジェレイミス】

王都を象徴するだけある街の豪華さと商店の多さ。

人がひしめきあっていて、民は賑やかだ。

奥には王城があり、大きな城壁に囲まれており

高い場所に存在している。


道幅が広く、馬車も通るので危ないが、みんな慣れているのが多いのか

音だけで避けている。

みんなが視線を向けるその先は・・・

馬車ではないロストテクノロジーで作られた自動車のようなものだった。


「あれは・・なんだ・・?」

エルがハァ、とため息を吐いている。

「あれはね、魔導機関自動車(エーテルヴィーグル)といって最先端の技術で作られたものよ、てんで田舎者よね、ホントあたしの隣に住んでた人間??」


本気ではないだろうけどバカにされていた。

オレにこの世界での教養がないだけだと思うことにした。

あ、そうか?!あれ、課金ガチャの当たり品であんなのがあった気がした。

オレは原作で無課金プレイヤーだったからだろうな。


ここでまた思うこと、あくまで住んでるのは人間でも一部はネトゲモチーフの世界だからこういったものも存在するわけか。


課金ガチャの品もこの世界の人間にとっては常識の範疇だと。


「集団行動をしましょう、何が起きるかわからないし、何かあったときにすぐ動けるよう。」

クロエが小声で注意する。


「なんかやだなぁ・・・」

アドーはやっぱり袖を掴む、あれからずっとそうだ。


今回はエルも慎重だった。

「なんかつけられてない?」

クロエも自然な振る舞いのまま同意する

「なにかがいますね。」

急な人混みに巻き込まれた、なんの人混みなんだよ。


「王都開発完成100周年記念式典にお集まりいただき・・ありがとうございます・・・」

拡声器のような音と、人混みの目線の主は・・

「でてきましたね、あの方こそがジェレイア王国王太子殿下・・・ストール・ガリア・ジェレイア殿下。」

クロエは歴史や時事には詳しいらしい。


「なんか・・殿下の表情・・怖い・・」

小さい声で震えているアドーはオレの袖をぎゅっとより強く掴む。


いつもの皮肉屋兼暴言の主が何も言わない・・どういうことだ・・

と振り返ると・・エルがいない??


急にいなくなったとはいえ、黙って消えるとは思い難い。

「クロエ、緊急事態だ。エルが見当たらない。」

クロエが慌てて

「探します・・ホープ様はあまりムリに動かないように、アドー様がいなくなると更に危険です。」


「やむを得まい。」


こうなると自身では動きづらい、アドーまで見失ったら大変な気がするんだ。



ーーーーーーーーーーーーーーークロエ視点ーーーーーーーーーーーーーーー


なにか騒ぎが起きたあとのような通りにて


民A「1人で4人も相手にしてたあの女貴族みたいの・・体幹よかったな!」

民B「ああ、王国の一般兵じゃかなわなかったもんな!すげぇよ!!」

民C「でもさすがに王宮騎士まで出張ってくるってただ事じゃねぇな!」

民D「なんで戦うハメになったんだろうな?最後は眠らされてたけど。」

民E「貴族で暴れる意味あったか?」


クロエはその話に疑問をもつ

女貴族・・?普通にありそうな話ですね・・エル様に限った話ではなさそうですが・・。


しかしなにかを蹴飛ばした・・その落ちているものを見た。

??!!

「これは・・・記章・・?グレイベルン家の!」

つい口に出してしまうのを民数名に聞かれた。


民A「グレイベルン家の令嬢だったのか!」

民B「ひゅ~!眠らされて捕まって連れて行かれたけど何されるんだろうな?」

ゾっとすることをいう、この民。

まさかこの身分でそんなことはないとは思うがわたしの警戒の鐘が鳴り響く。


「お尋ねします、その嬢は?王城へ連れて行かれた。間違いありませんか?」


民B「そうだよ!どうしたの!お姉さん!」

民D「お知り合いかなにか??」

民E「ねぇねぇ、そんなことどうでもいいから、せっかくだしあそぼうよ!」


無神経すぎる・・いや、わたしが多分余裕がないだけかもしれない。

「しゃべるな・・・不愉快だ。」


民B「あーこわ。」

野次馬の民たちは早々に去っていった。


一刻も早くホープ様に知らせなければ・・・

待っている場所に戻るべくわたしは全力で駆けていく。


ーーーーーーーーーーーーーーーー合流後ーーーーーーーーーーーーーーーー

「なんだって!!?」

オレは全力で焦りを隠せなくなっているほど大声をあげてしまう

「シっ、お静かに。」

クロエも焦ってはいるが冷静になだめてくれている。


オレの袖を手が白くなるほど握りしめているアドーが小刻みに震えている。

「エルおねえちゃん・・・」


王城へ正面からなんて自殺行為だしな・・・どうすればいいんだ・・

あまりにも絶望的すぎるこの状況に過呼吸のようなものになりかけている


「はっ、はっ、はっ・・・。」

カラダが揺れた・・・

「ホープ様!」

クロエが支えてくれた・・・

「ゆっくり呼吸してください・・・」

そのすぐさまに皮の袋を手渡してくる

「これにゆっくり呼吸して落ち着かせてください・・・」


クロエはオレを見る時の顔、焦ってるだけではなく

少し悔しそうだった。

なんでそんな顔をするんだ・・?


苦しい・・

「はーーっ、はーーーっ。」

クロエは安堵して語りかける

「落ち着きましたか?」

ホントに頭が上がらねぇな。


アドーは泣いちゃうし・・・。

「お兄様!心配させないでよぉ!!どうしてそんなに心配ばかりさせるの?!」


そのときこどもたちが歩いてきて遊んでいるようだったが

例えるなら、クソガキ何人衆のような感じ。

3人だから3人衆だな。


こどもA「王城潜入ゴッコしようぜ!」

こどもB「また怒られてもしらないよ?」

こどもC「何度もチャレンジしてバレないように立ち回るのが楽しいんだよ!」


こどもCがどうやらリーダーっぽいね。


アドーが涙を拭ってこどもたちに話かける。

「ねぇねぇ、キミたち、王城潜入ゴッコするの?おねえちゃんたちもまぜてほしいの!」


こどもたちは元気に「いいよ!!仲間が増えた!!」

大喜び。

こどもC「どうしたの?お姉ちゃん泣いてた?」

アドーはそれに対して

「うん、お城に捕まった姫様がいるの!」

言いようではある。


こどもC「姫様?うーんわかんないけど助けるのね?!」

こどもA「実はね、城に潜入できる抜け穴があるんだよ、しかも潜入ゴッコにうってつけのね。」

こどもB「ばれないように潜入するんだけどうまくいかなくて・・・」


これ、こどもだから許されているだけだろうな・・。

オレらがバレたらアウトだ、だから1度キリでリスク大きいバッドエンドの可能性もある。


そしてここでエルナーシア【姫】の救出作戦が開始されるのだった。

何をされるのかわからないが、推測するにアレだろうな。

不幸にはさせない・・この手で必ず守ると。


因果がどんどん大きくなっていく。

エルが攫われたことはわかりましたね。


ここも大イベントの予想です。

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